住友ゴム工業株式会社(本社:兵庫県神戸市中央区、社長:池田育嗣、以下住友ゴム)は8月8日、2017年12月期・第2四半期(2017年1月1日~6月30日)の連結決算を発表した。
ちなみに該当期間に於ける同社事業を含むタイヤビジネス市場全体を俯瞰(ふかん)した世界経済の姿は、米国で景気の拡大が継続するなかで、欧州でも緩やかな景気回復が持続。
中国でも同国行政府が打ち出した各種の経済政策効果により、景気の持ち直しの動きが見られ、加えて、新興国でも一部の国や地域を除き、景気回復の動きが見られた。
そうしたなか住友ゴム工業では、製品原料相場が一時期高騰した後に安定。その間、ライバルブランド会社との競争激化があったものの、同社の想定しては、概ね既定の範囲内で推移したとしている。
この結果、主力のタイヤ事業に於いては前年同期比増収となったのだが、先の市場全体に影響した原材料価格高騰の余波は避け切る事ができす、各利益項目については減益となった。
なお具体的な税金費用計上後(親会社所有者に帰属)の四半期利益は、12,429百万円(前年同期比31.0%減)となっている。
その内訳は、売上収益が403,377百万円(前年同期比12.4%増)。事業利益21,846百万円(前年同期比28.0%減)。営業利益は21,236百万円(前年同期比27.1%減)であった。
さて個々の部門業績で、同社『国内市販タイヤ事業』の屋台骨であったダンロップブランドのビジネスに於いては、タイヤの振動を吸収する新技術「SHINOBI(シノビ)テクノロジー」と、特殊吸音スポンジ「サイレントコア」で、高付加価値商品の拡販に努めた。
また他方、ファルケンブランドでは、今日、社会より注目を集めた「Red Bull Air Race Chiba(レッドブル・エアレース千葉) 2017」に協賛する等で、同ブランドの認知拡大を推進した結果、国内市販製品に於ける売上収益が前年同期を上回った。
一方、「国内新車装着用タイヤ事業」は、軽自動車を中心に自動車生産台数自体が前年同期を上回ったことに加え、納入車種の拡大によるシェアアップに成功し、販売数量・売上収益共に前年同期を上回っている。
国内と対峙する『海外市販タイヤ事業』では、北米・欧州を筆頭に多くの国・地域で販売を伸長。
今年2月には、英国のタイヤ販売会社「Micheldever Group Ltd.」を取得したことで、販売数量・売上収益で前年同期を上回った。
一方、「海外新車装着用タイヤ事業」は、中国・ブラジル・トルコで納入が拡大。さらに欧州に於いても増販となり、販売数量・売上収益共に前年同期を上回った。
以上の結果、全てのタイヤ事業の売上収益は、346,220百万円(前年同期比13.1%増)、事業利益は17,423百万円(前年同期比35.7%減)となっている。
以下、タイヤ事業外の一角である『スポーツ事業』では、国内ゴルフ用品市場が、ゴルフ場入場者数で前年並みを推移したものの、他社製品との競争激化の影響を受け、売上収益は前年同期を下回った。
一方、「海外ゴルフ用品事業」では、「米国に於けるスリクソン」、また「ゼクシオ」のブランドでの拡販を達成できたことにより、前年同期の売上収益を上回った。
加えて今年4月に「Sports Direct International plc」から買収したスポーツ事業及びライセンス事業も増収に寄与。
以上の結果、『スポーツ事業』の売上収益は37,894百万円(前年同期比4.5%増)。事業利益は2,494百万円(前年同期比2.3%増)となった。
最後に、その他のタイヤ外事業である『産業品他事業』では、医療用精密ゴム部品や、制振事業が堅調に推移したことに加えて、OA機器用精密ゴム部品でもメーカーの生産が回復したことにより増販となっている。
特に同部門事業では、土木海洋などのインフラビジネス販売も堅調に推移したため、産業品他事業の売上収益は19,263百万円(前年同期比16.8%増)、事業利益は1,886百万円(前年同期比109.4%増)となった。
なおこれらを踏まえた2017年12月期の連結業績は、販売環境の改善に加え、天然ゴム相場や石油関連資材の価格が昨年末から年初にかけては高騰を続けたなか、その後、下落傾向となったことにより、売上収益は860,000百万円(前年同期比13.7%増)。
事業利益が63,000百万円(前年同期比15.9%減)、営業利益は63,000百万円(前年同期比14.0%減)となり、税金費用を計上した後(親会社の所有者に帰属)の四半期利益は41,000百万円(前年同期比0.9%減)を見込んでいる。