9月26日の土曜日、三重県・鈴鹿サーキットに於いて、2015年FIA・F1世界選手権・第14戦鈴鹿ラウンドのフリープラクティス並びに予選が行われた。
結果、前日とは打って変わって、ドライコンディション下でフリープラクティス3及び予選が実施され、ニコ・ロズベルグ(メルセデス)が今季2度目のポールポジションを獲得した。
セカンドポジションはルイス・ハミルトンとなり、メルセデスによるフロントロー独占が復活している。3番手にはバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)、4番手にはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が滑り込んだ。
晴天の鈴鹿となった26日、各陣営はフリープラクティス3に於いて、決戦の作戦を組み立てることを前提に、ドライコースに於けるタイヤデータを収集。このため通常のGPでのフリープラクティスよりも、多く周回を重ねた。
こうしたなかフリープラクティス3でトップタイムを記録したのはメルセデスのニコ・ロズベルグ。2番手にチームメイトのルイス・ハミルトン。3番手にはダニエル・リカルド(レッドブル)、4番手にはバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)となり、期待のマクラーレン・ホンダは、ジェンソン・バトンが12番手、フェルナンド・アロンソが16番手で同セッションを終えている。
引き続き、同日に行われた予選セッションでマクラーレン・ホンダは、フェルナンド・アロンソが1’34.785のタイムを出したもののQ2で敗退し14番手。ジェンソン・バトンはQ1に於いて1’35.664のタイムを記録したものの、次セッションに進めず16番手で予選を終えた。
バトンはQ1の終盤にイエローフラッグが出されたことによって、セッション序盤に計測したラップタイムを更新することができず、Q1で敗退。最初のラップについても、マシンのエンジンが最適モードに切り替わらなかったために、コース上で時間をロスする結果となった。
アロンソは何の問題もなくタイム計測を行ったものの、Q1の終盤ではバトンと同様にイエローフラッグによってスローダウンすることになった。
Q2ではタイム計測を1回行い、14番手で予選を終了。Q1でスピンを喫したために、Q2でのタイム計測のチャンスを逃したマックス・フェルスタッペン選手(Toro Rosso)のすぐ前からのスタートとなる。
なおQ3では、セッション終盤にダニール・クビアト(レッドブル)がヘアピンの侵入で大クラッシュを演じて、ここで同セッションは赤旗中断となって終了。
クビアトは無事だったものの、この時点で、各選手のタイムアップへのチャレンジはあえなく潰えた。決勝レースは、いよいよ27日14時から開始される。
1位:ニコ・ロズベルグ (メルセデス)
「昨日は2回ともウエットセッションだったため、マシンのセットアップが課題となった。ただ感触自体は良く、明日は自信を持って望めるだろう」
2位:ルイス・ハミルトン (メルセデス)
「今週末のマシンはセットアップも決まり、ニコとのバトルも愉しめた。最後のラップも好調でターン7まで進んだが赤旗中段となった。鈴鹿は接近戦が難しく、オーバーテイクも大変だがベストを尽くしたい」
3位:バルテリ・ボッタス (ウィリアムズ)
「鈴鹿で再び3番手になれて嬉しい。マシンに自信を感じているし、予選セッションは本当に愉しんだ。昨日までは雨だったからタイヤデータが限られるが、表彰台を目標に頑張りたい」
ホンダ陣営のコメント
「明日は全員にとって厳しいレースとなるでしょう」
◎フェルナンド・アロンソ
MP4-30-01
FP3 16番手 1分36.360秒(トップとの差 +2.365秒)18周
予選
Q1 15番手 1分35.467秒(オプションタイヤ)
Q2 14番手 1分34.785秒(オプションタイヤ)
Q3 -Q2敗退により未計測
「今日の予選でのラップは、私が今まで鈴鹿で走った中で最も良い内容だったと思います。マシンに100組のタイヤをさらに装着することは可能ですが、それでもQ2のラップタイムを更新することはなかったでしょう。
14番手というポジションはフラストレーションがたまる結果ではありますが、それが現状です。ただ、チームのメンバーがその結果に甘んじているわけではありません。McLaren-Hondaは懸命にプッシュしていますが、魔法の解決策はないのです。
明日のレースは厳しい内容になるでしょう。後方にはマックス・フェルスタッペン選手(Toro Rosso)のような速いマシンがいますが、ポイント獲得に向けて全力を尽くします。
McLaren-Hondaを応援して下さっているファンの方々のために、明日の決勝で両マシンがチェッカーフラッグを受けることができればうれしいです」
◎ジェンソン・バトン
MP4-30-04
FP3 12番手 1分36.174秒(トップとの差 +2.179秒)15周
予選
Q1 16番手 1分35.847秒(オプションタイヤ)
Q2 -Q1敗退のため未計測
Q3 -Q1敗退のため未計測
「Q1ではミドルセクターでイエローフラッグが出たために、減速しなければなりませんでした。それがなければ、Q2に進出していたでしょう。
ただ今日は、どのエンジンモードをマシンに設定するのかという指示がありませんでした。タイム計測のラップを開始する前には、通常、どの設定に合わせるのかということをチームから無線で指示されるのですが、今日はその指示がなく、誤った設定になってしまいました。
マシンをドライブする感触はそれほど悪くなかったのですが、今日はマシンの実力を最大限に引き出す必要があったにもかかわらず、それができませんでした。
ここではミスは1つも許されないのです。フロントウイングの角度をつけた状態でコーナーの半分を走っただけでも、大きな違いが出ます。
明日はチーム全員にとって厳しいレースになるでしょう。McLaren-Hondaはいつも通り全力を尽くします」
エリック・ブーリエ|McLaren-Honda Racing Director
「フェルナンドはQ2で力強い走りを見せてくれましたが、14番手からポジションを上げることはできませんでした。フラストレーションがたまる結果ではあるものの、それはフェルナンドの決意の表われであり、称賛に値します。
一方、ジェンソンに対してはチームを代表して謝らなければなりません。予選ラップを開始する前には一連の手順がありますが、今日はその手順をすべて踏むことを怠りました。
ジェンソンは最初のラップでは時間をロスし、2回目のタイム計測でも思い通りのアタックができず、フラストレーションを感じていたでしょう。イエローフラッグはモーターレースにおいては1つの要素ではあるものの、McLaren-Hondaはもう少し厳しく手順を守るべきでした。ジェンソンには申し訳ないと思っています。
それでも、初日の難しいフリー走行を終えた後にマシンのセットアップに磨きをかけるべく、チームは非常に力強く、一丸となって仕事をしてくれました。
今朝の時点では両ドライバーともマシンのバランスにそれほど満足してはいませんでしたが、午後の予選に向けて状況を改善することができました。これはチーム全員のすばらしい努力のたまものです。
明日は全員にとって厳しい一日になります。とても困難なレースになると思いますが、McLaren-Hondaはプッシュし続ける決意です。明日のレースでポジティブな結果を出すことで、忠実で熱狂的なMcLaren-Hondaのファンの皆さんに恩返しできればと思います。
新井康久|株式会社本田技術研究所 専務執行役員 F1プロジェクト総責任者
「ホームグランプリでたくさんの声援の中予選に臨み、2人のドライバーそしてチーム全員で最大限のポテンシャルを引き出したと思います。
バトン選手はQ1の2回目のアタックでイエローフラッグとなってしまい、残念でした。アロンソ選手は、Q2でタイムを更新しましたが、Q3には進出できずに予選を終了しました。
FP3の短い時間の中で、PU・シャーシ共に効率よくデータセットを確認しました。しかしながら、上位との差は依然としてあり、さらに開発を加速させる必要があると感じています」
◎BSフジ・放送時間
・決勝:9月27日(日)19:00~20:50
◎フジテレビ地上波・ 放送時間
・決勝:9月27日(日)25 :15~