住友ゴム工業、タイヤ解析技術を複数の研究機関と共同開発


新材料開発技術「ADVANCEDアドバンスド 4DフォーディーNANOナノ DESIGNデザイン」を共同開発

住友ゴム工業株式会社(本社:兵庫県神戸市中央区、社長:池田育嗣、以下住友ゴム)は、大型放射光研究施設「SPring-8」(※1)・大強度陽子加速器施設「J-PARC」(※2)・スーパーコンピュータ「京」(※3)によってタイヤ用新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を完成。

sumitomo-rubber-industries-to-jointly-develop-tire-analysis-technology-with-multiple-research-institutions20151112-1

11月12日に同技術成果を、理化学研究所 放射光科学総合研究センター、高輝度光科学研究センター、日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター、高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所、総合科学研究機構および東京大学大学院新領域創成科学研究科と合同で発表した。

これら国内に於ける最先端研究施設との連携の末、完成に至った「ADVANCED 4D NANO DESIGN」は、ゴムの内部構造をナノからミクロンレベルまで、連続的かつ鮮明に解析しシミュレーションすることが可能な技術である。

これにより、互いに相反する数値でタイヤの極限性能を表す「低燃費性能」「グリップ性能」「耐摩耗性能」のいずれも、大幅な向上が期待出来ると云う。

そうした技術背景を持ちつつ完成に至ったコンセプトタイヤが、同社の「耐摩耗マックストレッドゴム搭載タイヤ」(※4)だ。

sumitomo-rubber-industries-to-jointly-develop-tire-analysis-technology-with-multiple-research-institutions20151112-5このタイヤのトレッドゴムは、低燃費性能とウエットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性能を200%(※5)向上させることに成功している。

同社では、今回発表の新技術を活用することで、材料開発のスピードをさらに押し上げ、より高性能でかつ経済性と環境性に優れたタイヤ開発に邁進していく構えだと云う。

[発表内容] : SPring-8・J-PARC・スーパーコンピュータ京を連携活用させたタイヤ用新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を確立

-低燃費性・グリップ性能に加え耐摩耗性200%のタイヤ-

(※1)世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設(兵庫県佐用郡佐用町)
(※2)最先端研究を行うための陽子加速器群と実験施設群(茨城県那珂郡東海村)
(※3)世界有数の計算速度を誇る、スーパーコンピュータ(兵庫県神戸市中央区)
(※4)このタイヤはコンセプトタイヤであり、現在商品化の予定はない。ちなみに「マックス…」とは、当社製品搭載のトレッドゴムにおいて、トレッド:タイヤが路面と接触する部分を云う。(※5)2011年当時の当社製品搭載のトレッドゴムと比較