日本国内に於けるサーブ製純正パーツの正規輸入元であるピーシーアイ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:伊藤 誠英、以下、ピーシーアイ)は6⽉24⽇付で、複数の報道メディアから発信された「サーブ・ブランドの2017年消滅」の記事に対して、同社の立場から詳報を述べている。
それによると、一部MOTOR CARSによる加筆要素もあるが、まず⼀部で報道されている 『SAASブランド消滅』関してだが、元来この「SAAS(サーブ)」の商標権は、現在もスウェーデンの航空機・軍需品メーカーであるサーブAB社(Saab AB、本社:スエーデン・ストックホルム、CEO:Ake Svensson) が保有している。
より具体的には、かつてサーブ車を開発・生産していたサーブ・オートモービルAB社は、当初、このSaab AB傘下のサーブ・スカニアと呼ばれた自動車製造部門であった。
しかしその後、この自動車製造部門は1990年に、米・ゼネラルモーターズの資本を得てサーブ・オートモービルAB社となり、2000年にゼネラルモーターズ傘下となった。
さらにその後にスパイカー・カーズ(2011年にスウェディッシュ・オートモービルに社名変更)の傘下企業になるなど、複数の企業を渡り歩いた後の2011年12月19⽇に破産申請。
既にこの時点では、先の航空機製造のSaab AB間との直接の資本関係も消失していたことから、サーブ製乗用車の⽣産及び、販売権が宙に浮く事となった。
そこで、こうした経緯を背景に、新規に立ち上がったナショナル・エレクトリック・ビーグル・スウェーデン社(以下、NEVS社)が製造設備等を含めて買収。これを契機に、既存のSAAB車両の⽣産及び、販売権利をNEVS社が保持する事となった。
その後NEVS社は、引き続き資⾦・⼈員の強化を図りつつ、9-3モデルを筆頭に、これまで多くのユーザーに親しまれてきたサーブ⾞の再⽣産を目指して鋭意体制を整えてきた。
そして迎えた2016年6⽉21⽇。NEVS社は、来る2017年内にサーブ9-3モデルをベースにした電気⾃動⾞(EV)を、旧サーブ・オートモービルAB⼯場であるスェ―デン・トロールハッタン及び中国に於いて⽣産すると表明した。http://www.saabcars.com/en/NevsNews/?detailid=E96F88543DDCE6BC
こうした事からNEVS社は、先の航空機・軍需品メーカーであるSaab ABと、当該の新生9-3EVに「サーブ」 の商標(ロゴ等)使用できるよう、使用許可を巡って交渉を重ねてきた。
しかし最終的にそれが叶わないという成果に終わり、現段階では新規にNEVS社にて開発・⽣産する⾞両については、「NEVS」の商標にて⽣産販売しなければならず、今後新規に新型EV車を製造しても、その新車にサーブのロゴを使⽤できない状況となったのである。
一方、サーブ・ブランドには、既存車両の純正パーツ販売会社にあたるORIO社が存在しており、このORIO社は、現在も健全な運営を継続している。
これを受けてピーシーアイは、日本国内流通に於けるORIOの正規輸⼊販売会社として滞りなく、サーブ製純正パーツの輸⼊販売を継続している。
上記を踏まえてピーシーアイでは、「この度の報道にて、サーブブランド消滅が発信され、既存ユーザーの皆様には、ご⼼配をお掛け致しておりますが、既存のサーブ車両のパーツ供給並びに販売に関しては、確実に継続しておりますので、どうぞお安⼼頂きます様、宜しくお願い申し上げます」と語っている。
ピーシーアイ株式会社
ピーシーアイは、国内有数の自動車ディーラーグループであるVT ホールディングスの100%出資子会社として2004年に設立された。
現在は、サーブ・オートモービル社の正規部品輸入販売、ノートン・モーターサイクルズ社、モトモリーニ・モーターサイクル社の正規輸入販売などの自動車関連で幅広いビジネスを展開している。
なおフォード・モーター・カンパニーも今年2016年10月1日より、日本国内でのフォード車の部品供給、車両保証、リコールおよびユーザーへのアフターサービス業務を提供するパートナーとして、ピーシーアイ株式会社を選定している。