ポルシェ963、ル・マンでチャリティ活動も実施し60万ユーロを寄付

独・ポルシェAGのワークスチーム、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、先のル・マン24時間レースを走破する一方でチャリティ活動も併せて実施した。

2025年のル・マンではチームが駆る3台のポルシェ963が、シルキュイ・ドゥ・ラ・サルト(Circuit de la Sarthe,)を合計1,159周走り切り、ポルシェは個々のマシンが1周廻る毎に500ユーロを重病の子どもたちへの支援として寄付した。

今年の寄付金は57万9,500ユーロとなり、ポルシェはこれを合計60万ユーロにまとめた。寄付金は、非営利の児童支援団体Interplast Germany eVKinderherzen retten eVの間で均等に分配する。この取り組みは2023年から休まず行われており、総計240万ユーロ以上の寄付金を積み上げてきた。

こうした活動もあってポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、ル・マン24時間レースの主催者であるACOより、2023年に獲得したサステナビリティ・エンデュランス賞を再び受賞した。これは、チームのサステナビリティと社会的責任に係る取り組みが認められたもの。

また、この機会にポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、「レーシング・フォー・チャリティ」寄付プログラムを含むその他のチーム自身が取り組む包括的な一連の慈善活動も公に披露した。

現在、同チームはスポーツ、文化、環境、社会的責任、科学、教育などの幅広い慈善活動を支援。2024年には世界中で110以上のプロジェクトを支援している。

写真は、フリードヘルム・バイエルスドルフ教授 (キンダーヘルツェン・レッテン eV 創設者)、マイケル・シュタイナー博士 (研究開発理事会メンバー)、ユルゲン・ドルデラー教授 (インタープラスト・ドイツ eV 理事) (左)

チームが寄付を続けている両・慈善団体は、世界中の重病の子どもたちに医療支援を提供。まずキンダーヘルツェン・レッテン(Kinderherzen retten eV)は、フライブルク大学病院と提携して活動する支援団体。

医療が行き届いていない国の心臓疾患を抱える子どもたちが、人生を変えるような一度きりの手術を受け、健康な生活を送れるよう支援している。

もうひとつのインタープラスト・ドイツ(Interplast Germany eV)は、人道的な形成外科手術に注力し、事故、火傷、先天性奇形、慢性創傷などによって重度の変形を負った子どもや若者に治療を提供している。彼らの活動は、支援を必要とする人々の生活の質を向上させ、より良い未来への希望を与えることを目指している。

一見華やかなル・マン24時間レースは、モーターレースの中でも最も過酷なレースのひとつであり、32万人以上の観客を擁する世界最大級のスポーツイベントでもある。

そんな巨大なレースイベントに挑むポルシェ陣営は、2023年から、この檜舞台で「レーシング・フォー・チャリティ」プログラムを開始した。

冒頭に記載した通りで今年は、首位陣営は全長13.626kmのル・マン24時間サーキットを387周走破しチェッカーフラッグを受け、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの姉妹車2台はそれぞれ386周を走破し、3台の合計走行距離は15,792.5kmを走破した。そんなスリリングかつ華やかなレースシーンが、社会貢献に直結できることへの意義や可能性を控えめに伝えている。

2025年ル・マン24時間レース 最終結果
ハイパーカークラス:
1. クビサ/イェ/ハンソン (POL/CHN/GBR)、フェラーリ #83、387 周
2. エストレ/ヴァンスール/キャンベル (FRA/BEL/AUS)、ポルシェ 963 #6、+14.084 秒
3. ピエール グイディ/カラド/ジョヴィナッツィ (ITA/GBR/ITA)、フェラーリ #51、 + 28.487 秒
6. アンドラウアー/クリステンセン/ジャミネ (FRA/DNK/FRA)、ポルシェ 963 #5、 – 1 周
8. ナスル/タンディ/ウェーレイン (BRA/GBR/DEU)、ポルシェ 963 #4、 – 1 周
13. ジャニ/ピノ/ヴァローネ (SUI/CHL/ARG)、ポルシェ963 #99、- 4周