2015年度の会計成績についても新記録を目指し拡大継続中
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト、 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)は、2015年度会計に於いて歴代最高益の達成確実を明言し、「新記録の到達に向かって、愚直に突き進んでいる」と云う表現で発表した。
同社は、2015年度会計の最初の9ヶ月間で、前年比28%増の173,085台のポルシェ車販売を達成し、その収益は同じく前年比35%増の164.7億ユーロに達している。また営業利益は32%増の25.5億ユーロとなった。売上利益率は15.5%である。
ここに至るまでに、同社がマーケットに投入した各モデルは、世界のいずれかの仕向地に於いてトップセラーとなっている。
具体的には、911 GT3 RS及びケイマンGT4、さらに911タルガGTS、911カレラGTS、カイエンGTS、さらに昨年に市場投入したマカンもそれに含まれる。
前年よりも、さらに大幅な収益成果と営業利益率増加達成へ
同社の最高財務責任者(CFO)で、10月1日から新しい取締役会副会長となったルッツ・メシュケ氏は、ポルシェの記録には、上記、各車両販売の好調さのみだけではなく、ポルシェ自身の良好な財務状況も反映されていると述べている。
メシュケ氏は上記に続けて、「前年の2014年度会計で、成長資金を調達すると同時に純負債を解消。以降、最初の9ヶ月間の純流動資産は着実な増加を続けています。
当社の自動車事業部門の純流動資産は、2014年12月31日時点の1.95億ユーロから、2015年9月30日時点の13.2億ユーロまで大きく上昇しました」と語る。
メシュケ氏によると、通年の成果についても楽観的で、「私達は2015会計年度において、前年より収益と営業利益を大幅に増加させることになります」と述べ、同時に、「ポルシェ自身が設定した15%の売上利益率目標も達成する」と明言している。
また同氏は続く2016会計年度にも、ポルシェが今年の実績を引継ぎ、世界販売成績を維持させていくことに自信を示した。
ブルーメ氏が挙げる成長拡大の背景となる2つ根拠
このような販売面の成果については、ポルシェAGの新社長であるDr.オリバー・ブルーメ氏が、欧州、米国、およびアジアで2ケタの成長率を記録した要因を以下のように指摘している。
「主要マーケットに於ける、このような成長と成功のW成果は、ポルシェの際立った長所です。
その成功要因は、世界中からご評価戴いている最高品質のスポーツカーとしてのブランド力、並びにプレミアムセグメントに於ける高水準の顧客満足度にあります」と、ブルーメ氏は成長の背景となる2つ根拠を挙げた。
一方、外部評価に於いても、米国マーティング調査機関であるJ.D.パワー社が行った2つの調査により2015年、ポルシェは3回連続で「初期品質調査」(IQS)の総合ランクで首位に立っている。
同じく「自動車商品魅力度調査」(APEAL)についても同様の成果を獲得しており、11年連続で首位。米国のドライバーにとっては、最も魅力的な自動車メーカーであり続けていると云う。
直近9ヶ月間の従業員数は、前年同月比9%増の23,999名に到達
ブルーメ氏は、これらに併せて「このような全世界での成功は、ポルシェが新しい雇用を生み出しているということでもあります。より具体的にお示しすると、2015年の9ヶ月間の従業員数は、前年同月比9%増の23,999名に達しています。
加えて過去の5年間にポルシェの雇用規模は、拡大の一途を継続し続けて来ており、当初の13,000名から、現在の約24,000名に至るまで80%以上従業員数を増やしています」と、事業の好調さを裏付ける具体的数字を挙げており、2015年度の収益達成の予測を楽観視しているようだ。
かつて1948年にスポーツカーを細々と作り始めたポルシェは、思えば2000年を過ぎた頃、創業以来の変革期を迎えていた。
その鍵は「ポルシェユーザーが車両を保有することの納得感を、どのように引き出すか」に懸かっていた。それは、ユーザー自身がポルシェを保有している理由を再定義することにあった。
そうしたなか21世紀の入り口を迎えたばかりの当時、2018年までに年産20万台を目指す「ストラテジー2018」と呼ばれる拡大戦略を策定。
2002年にアウトバーンの高速車線を走り続ける高性能SUV「カイエン」をリリース。これを契機に新たなユーザー層の発掘に成功した。
既にポルシェブランドは、もはやスピードマニアのためのホビーカーではなく、人生を戦い続けてきたエグゼクティブが、自身への報酬としてオフを愉しむためのクルマとなった。現段階でこの戦略は功を奏しており、好調な業績推移は、今後も今暫く続く見込みだ。