SUPER GT第4戦、「FUJI GT 300km RACE」のGT300クラス決勝レースが8月9日、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催され、時折、富士からの風が吹く、盛夏とは云え穏やかさも感じられるコンディションの中、No.55 ARTA CR-Z GTの高木真一選手/小林崇志選手組が、思い切った作戦に売って出てポール・トゥ・ウインを飾った。
今回ポールシッターとなったNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一選手)が、ポジションを巧みに活かして絶好のスタートを切り、2番手から追撃し始めたNo.65 LEON SLS(黒澤治樹選手)を、早くもオープニングラップから引き離すという圧倒的な展開へ。
しかもこの状況は続き、レース序盤の4周目の段階でNo.55のリードは5秒超。
対して2番手以降は、No.65 LEON SLS、No.7 Studie BMW Z4(荒聖治選手)、No.0グッドスマイル初音ミクSLS(片岡龍也選手)、No.11 GAINER TANAX SLS(ビヨン・ビルドハイム選手)、No.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート選手)が団子状態となり、周回ごとに順位を入れ替えるという激戦となった。
20週目時点でNo.11 GAINER TANAX SLSが2番手に、これにNo.7 Studie BMW Z4、No.0グッドスマイル初音ミクSLSが続く。
2位集団から脱落者が出たのは、ルーティンのピットイン後。No.0グッドスマイル初音ミクSLSは右フロントタイヤの交換に手間取ってポイント圏外に脱落した。
また比較的安定した走りを続けていたNo.7 Studie BMW Z4は、接触で左フロントタイヤにダメージを受けてリタイア。
No.7に代わってトップを攻める立場となったNo.65 LEON SLSのステアリングを握る蒲生選手が、トップのNo.55を追い上げる体制に入った。
一方、トップを快走してきたNo.55 ARTA CR-Z GTも、実は楽ではなかった。
予てよりストレートスピードに不安のあった同車は、スタートグリッドに着いた時点で、同チームのアドバイサーを担う土屋圭市氏が、なんと車両からクールスーツのシステムを外したのである。
クールスーツのシステムを降ろすことで10kg軽量化出来るため、チームはそれを活かして序盤から逃げを打つ作戦だったのであった。クールスーツなしだけに軽量化したマージンが生まれたものの、舞台は夏の富士である。ドライバーにとって、その条件は過酷だ。
しかし序盤のマージンは大きく、No.55 ARTA CR-Z GTは最終的に追いすがる2位グループを振り切り、汗だくなりながも今季初優勝。2位にはトップに届かなかったNo.65 LEON SLS。3位にはNo.11 GAINER TANAX SLSが入った。
No.10 GAINER TANAX GT-Rは、78kgのウェイトハンディであったが5位となってドライバーズランキングのトップを維持。
No.3 B-MAX NDDP GT-Rの星野一樹選手/高星明誠選手組は、1周目リタイア・ノーポイントだったがランキング2位を堅持。ランキング3位には今回優勝したNo.55 高木選手/小林選手組が入った。
優勝コメント、No.55 ARTA CR-Z GT
「クールスーツを降ろすしかないなと話していた」
高木 真一
今シーズンはCR-Zが1台になってしまったのですが、そのおかげでスペアパーツをたくさんもらえたのがよかったです(笑)。
ただ車体が重く、クルマのペースが遅くなってしまう状況だったので、思い切ってスタート直前に軽量化のためにクールスーツ(のシステム)を外しました。
グリッドについてから、チームアドバイサーの土屋(圭市)さんがクールスーツを外し始めた時はびっくりしました。重たい状況だとあまりにも遅いということがわかっていたので、スタートダッシュをかけるためにはクールスーツを降ろすしかないなと小林とは話していました。
真夏のレースで、クールスーツを外すと10kg軽くなるということで、具体的にそれを検討しました。軽量化することで、ストレートからダンロップコーナーまでで少しでもタイムが稼げればと。(その後の)セクター3はCR-Zが得意なセクションですからね。
結果的にはそれが功を奏しました。僕自身も自分の走行の最後までペースを落とすことなく走れたというのが良かったのだと思います。
最後の方まで同じペースで走れましたし、ブリヂストンタイヤのパフォーマンスもよかったです。今回のレースで勝つことができたので、次の鈴鹿1000kmは少しリラックスして戦えると思います。
「タイヤの状況を終始気にして、かなり疲れた」
小林 崇志
今日はかなり暑いコンディションでしたが、軽量化のためにクールスーツをはずして走ったのですが、高木(真一)選手がスタートをうまく決めてくれて、そのあとも後続車よりも毎周1秒ずつ速いペースで走ってくれました。
そのうち(独走になったためテレビの)モニターにも映ることがなくなってしまうほどでした。
高木選手がかなりのギャップを作ってくれて、僕にバトンを渡してくれたこともあり、車内はかなり暑かったのですが、後続車との間隔をコントロールしながら走ることができました。
まわりではタイヤがバーストするシーンもあって、完走するのも難しいというクルマもあったと思うのですが、(自分たちには)そういうことがないようにとにかくタイヤを労わりながら走りました。
僕のスティント(走行)では攻めてタイムを出していくという走りではなかったのですが、タイヤの状況を終始気にしながら走らなければならなかったので、かなり疲れましたね。
ただ、今シーズンはCR-Zが1台になってしまい、昨シーズンのように同じマシンと比較するということができなくなってしまい、何がいいか悪いかが判断しにくくなってしまっていました。
それでも、こうして優勝することができて、とてもよかったです。今回、ブリヂストンさんに良いタイヤを用意していただいたことにも、感謝しています。
決勝2位 No.65 LEON SLS
黒澤治樹
「2位に満足せずに、チーム初優勝を目指す」
やっぱり勝ちたかったので悔しいですけど、僕たちのチームがやれるべきことをすべてパーフェクトにやった結果ですし、ヨコハマタイヤの中では最上位なので、それは良かったかなと思っています。
ただ、チームにとって最高位の2位にはなりましたけど、トップとはまだ差がありますし、これで満足せずにチームの悲願である初優勝を目指していきたいと思います。次の鈴鹿1000kmでは優勝、表彰台の一番高いところを狙っていきます。
蒲生尚弥
「一度もミスなく走り切ることができた」
うちのチームではみんなミスもなく、僕自身も最後までノーミスで走ることができたのが、この結果だったのかなと思います。
レースではピットイン時にタイヤを左側2本のみを交換するという作戦でした。ただ、タイヤが持つかどうかはわからなかったので、途中はタイヤを労りながら走りました。結果的には意外にタイヤも全然持ったので良かったです。
一度もミスなく走り切ることができたので、点数をつけるとすれば100点満点ですかね。次の鈴鹿も引き続きがんばります。
決勝3位 No.11 GAINER TANAX SLS
平中克幸
「今週末は苦戦していたので3位はベストな結果」
後半は僕たちもタイヤがキツくて、周りでバーストしているクルマもいたし、すごく心配でした。でもやっぱり表彰台で終わりたかったですし、チームからも“いくしかない”という指示があって……。
プッシュし続けてなんとか3位を守ることができたという感じですね。本当はもっといい結果で大きなポイントを稼ぎたかったので、決して喜べる結果ではないんですけど、今週末は予選から苦労していて、そういう自分たちの状態とシリーズを考えれば、僕らにとってはベストな結果だったと思います。
引き続き次の鈴鹿でも厳しい戦いになると思うんですけど、今回のように鈴鹿でも1000kmを淡々とミスなくできればいい結果につながると思うので、そういうところを目指して、チャンピオンシップをつなげていきたいと思います。
ビヨン・ビルドハイム
「今日の3位は僕らができる最高の仕事によって手にしたもの」
いい結果を出せて良かったです。昨日の予選でなかなかいい結果(7番手)を出すことができていました。
ラップタイムもよく、トップとのタイム差も小さいものでした。そういう意味でも自分たちが思ってた以上の予選結果を残すことができていたんです。決勝でのタイヤのパフォーマンスにも自信がありました。
予選で着けたタイヤで僕がスタートを切りましたが、なによりもまず早い段階でポジションアップすることでした。事実それも果たせました。
一方で、序盤を過ぎると混乱もなく落ち着いてしまい、僕の前にいる車両のラップタイムもやや落ちはじめてみんなほぼ同ペースを刻みはじめたんです。
そこで僕自身はペースを合わせてタイヤをセーブする走りに切り替えました。とにかく車間を詰めて、逆転のチャンスを狙うことにしました。
結果、ドライバー交代のピットインを前に、2番手までポジションを上げることができました。トップを走る55号車は速すぎて勝負できなかったですね(苦笑)。
フロントタイヤの消耗が激しくなり若干ピットインのタイミングを早めたのですが、いつピットに入るかを決めるのも難しかったですね。結果としていいタイミングで入ることができましたと思います。
交代してからのカツ(平中克幸)の走りは素晴らしかった。後方からのプレッシャーも相当だったと思います。65号車を逆転する可能性もあったと思いますが、そこに特化するとタイヤがパンクしていたかもしれないですね。
今日の3位は僕らができる最高の仕事によって手にしたものに他なりません。チームとしての総合力によるものですね。
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