OKI、次世代交通事業拠点「ITSテストコース」を開設。インフラ検証試験設備を強化


OKIこと沖電気工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:鎌上信也)は、同社の情報通信事業に於ける基幹工場のひとつである情報通信本庄工場(埼玉県本庄市)の敷地内に「ITS(高度道路交通システム)テストコース」を開設した。

11月8日より稼働した同テストコースでは、OKIグループ全体で、インフラ協調型ITSサービス開発(インフラと車や歩行者などが通信手段により接続・協調される仕組み)を筆頭とする技術開発や商品評価に活用していく。

コースの概要は、下図の通りで直線路120mに周回路の180mを組み合わせた全長約300mのレイアウト。一般道を同じ工法で道幅3mおよび3.5m(大型車用)レーンのETCシステムを設置。さらに標識柱などを備えており、テストコースとしてこうしたITS関連の付帯機器が常設としてされているスタイルとしては、ユニークなものとなっている。

テスト検証に利用する例として具体的には、ETCシステム、フリーフローETCシステム(本線や料金所でスピードを落とすことなく走行するETC車両に課金する仕組み)、LocoMobi2.0などの商品開発評価や、通信技術(V2X・他の自動車、あるいは自動車とインフラが相互通信する仕組み)などのセンシング技術に使われる予定。

なお併せて、自動車・車載向けの試験・評価・解析サービスや先端運転支援システムでも活用していく予定だと云う。

結果、OKIの技術検証の環境は、ETC2.0(高速道路利用料金収受に加え、渋滞回避・安全運転支援情報を提供する仕組み)をはじめとするインフラ協調型ITSサービス開発、大幅に強化される。これを踏まえ同社は、次世代交通事業で2017年度から2019年度に掛けての売上数値で250億円を目指す構えだ。

もとよりOKIは、2015年のETC2.0車載器登場に際し、高速道路利用時の料金支払いに加え、渋滞回避や安全運転支援のための情報提供サービスに関する技術提案など、これまでもETCやVICS(渋滞や交通規制等をカーナビに表示する仕組み)等、ITS関連のインフラ整備を積極展開してきた。

しかしさらに今後は、街中に於ける駐車場料金支払いや、車両の運行管理などへの多目的利用(民間展開)の推進。

自動運転への取り組みに対して、インフラ協調型ITSサービスの社会実験にもより積極的に参画。自社のITSサービス「LocoMobi2.0」を介した、民間展開を推進するなど新たなインフラ整備に貢献したいと述べている。

新設された「ITSテストコース」の概要は以下の通り
所在地:埼玉県本庄市小島南4-1-1(OKI 情報通信本庄工場内)
全長:約300m
コース内容:
直線路:約120m(F柱3本設置)
周回路:約180m(ガントリー6本設置)
常設機器:ETCシステム ほか

「ITSテストコース」の主な評価試験は以下の通り
・ETC2.0に関連する機器の開発評価
(プローブ情報収集、解析機器の開発評価)
・ETCシステムの開発評価
(フリーフローやスマートICなどのさまざまな形態のシステムの評価)
・インフラ協調ITSサービスに向けた研究開発
(各種センサーの開発評価など)

記事関連リンク
同社の社会インフラに関わる取り組み:http://www.oki.com/jp/products/category04.html 

同社のITSサービス「LocoMobi2.0」紹介サイト
http://www.oki.com/jp/ITS/