ポロは1975年5月初旬に市場投入が開始された
独フォルクスワーゲンAGは4月30日、ポロの生誕50周年を宣言した。同車は1975年5月初旬に市場投入を開始。以来、今日まで、フォルクスワーゲングループ下でコンパクトカーモデルとして強固な立ち位置を築いている。
そんなポロは、効率的で、手頃な価格で、革新的で、実用的。フォルクスワーゲン・ポロは、手頃な価格のエントリーレベルのモビリティと同社に於いて技術進歩の民主化を象徴しているクルマだ。
( *注/編集者が示した正規の記事リンクは「 」の外部リンクマークがあるものを参照されたい )ポロは、これまでに世界中で2000万台以上が販売された。
「外は小さく。中は大きく。」これは、フォルクスワーゲンが50年前、当時の最新製品であるポロの宣伝に使ったスローガンだ。
1975年5月初旬にこの小型車が発売されたとき、この極めてコンパクトな2ドア車が国内外で50年以上、6世代に亘って、数々の権威ある賞を受賞し、累計2,000万台以上を販売し、コンパクトカーセグメントのパイオニアとなるベストセラーになるとは、誰も予想していなかった。
また最初の新型ポロがディーラーで販売された時、同車は1970年代初頭に街を席巻した新しいフォルクスワーゲンモデルファミリーのあくまでも一部だった。
ポロは、手頃な価格と技術進歩の民主化を象徴している
1975年春、この角張った小型車は、伝説の空冷のフォルクスワーゲンビートルの後継機となった。当時まだ新しかった水冷式世代のパサート(1973年)とゴルフ(1974年)の後継車となったのだ。
それが6世代に亘るモデルを通して、適正な価格性能比、高い実用性、小型車クラスの先駆的技術、魅力的なデザインからなる全体的なコンセプトは、今日でも人気があり、このモデルをベストセラーにしている。
イノベーションの民主化に伴い、ポロは世代を重ねる毎に、より広いスペースと快適性、より効率的なエンジン、そして革新的な安全機能を提供してきた。
例えばフロントおよびサイドエアバッグ、パワーステアリング、ベルトテンショナー、ABSなどの新機能が導入され、ポロの成功を確かなものにした。
グローバル生産と世界的な成功を経て、ポロIの量産は1975年3月にヴォルフスブルクのフォルクスワーゲン本社で開始され、1981年までに110万台が生産された。
フォルクスワーゲンでは、「スペイン、アルゼンチン、南アフリカ、スロベニア、中国、ブラジル、インドなど、世界各地に生産拠点が拡大。累計2,000万台以上が生産されたポロは、世界で最も成功した小型車のひとつです」と話している。
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歴代ポロの変遷は以下通り
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ポロI : 1975年3月にジュネーブで発表された最初のポロは、新しいフォルクスワーゲンの技術的ベースとなり、アウディが並行して提供していたアウディ50と比較すると、装備がシンプルな2ドアモデルだった。
ポロは当初29kW(40PS)のエンジンで提供され、優れた価格性能比と高い実用性が印象的なクルマだった。全長3.50メートルのこの車は、4人の乗客と荷物を収容するスペースを提供した。
ポロの最初のバージョンは1978年まで、改良バージョンは1981年まで生産された。1977年から1981年にかけて製造された広々とした荷室を備えたダービーノッチバックバージョンを含め、110万台以上の車両が生産された。
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ポロII : 1981年9月、フォルクスワーゲンは、ボディを全面的に再設計し、全長3.66メートルに拡大した第2世代ポロを発表した。
スクエアバックのこのポロモデルは、広々とした室内空間を備えた2ドアの小型ワゴン。そこから僅か1年後には、よりパワフルなガソリンエンジンを搭載したファストバッククーペが続いた。
1987年には、当時最高出力85kW(115PS)のポロクーペGT40が限定生産で発売。また経済的なモデルとして、最小出力33kW(45PS)のディーゼルエンジンも1987年にポロに初搭載された。結果、ポロIIは合計13年間生産され、270万台以上が販売された。
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ポロIII : 1994年に、ボディ、シャシー、エンジンを刷新した3代目が全面改良され、初めて5ドアモデルも設定された。
エクステリアの拡大により室内空間が拡大し、エアバッグ、ベルトテンショナー、ABSといった最新の安全システムも導入。1995年には、ポロの中でも特にユニークなモデルの一つ、モジュラーデザインで4色のカラーバリエーションを自由に組み合わせられるポロ・ハーレクインが発売された。
1997年からは、ポロにワゴンモデルが登場。1998年には、92kW(125PS)のパワーを誇るポロGTIが限定生産され、このモデルにも初めて「魔法の3文字」が冠された。ポロIIIは合計350万台が生産された。
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ポロIV : 2001年に発表された第4世代のポロは、新しいデザインで、4つの大きな透明ガラスヘッドライトを備え、先代よりも全長が15センチ、全幅が5センチ拡大された。
後部座席を折り畳むと、ラゲッジルーム容量は1,030リットルになる。3気筒エンジンや、ポロGTIに搭載されたパワフルなターボチャージャー付きエンジンなど、新しいエンジンは、より高いパワーを提供。
フロントおよびサイドエアバッグ、パワーステアリング、ABSなどの安全装備が標準装備され、2006年には、力強いオフロードルックのクロスポロ、そしてポロブルーモーション(CO2排出量はわずか99g/km)が続々と登場した。第4世代モデルは合計410万台が工場から出荷された。
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ポロV : 2009年3月にワールドプレミアを迎えた第5世代ポロは、全長が先代モデルより約4メートル長くなった。デザインは、すっきりとしたラインが特徴だった。
5種類の新しいエンジンがモデルラインナップに加わり、その中には2009年12月に導入されたポロ ブルーモーションも含まれ、100kmあたり平均3.3リッターのディーゼル燃料を消費した。
スポーティなポロGTIが再びモデルラインナップに加わり、162kW(220PS)のTSIエンジンを搭載したポロR WRCストリート特別仕様車が初めて受注開始された。
これまでで最速の市販ポロは、世界ラリー選手権(WRC)のモータースポーツ感覚を路上にもたらした。フォルクスワーゲンは2009年から2017年の間に合計630万台のポロVを販売した。
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ポロVI – 2017年に導入された第6世代ポロは、モジュラー・トランスバース・マトリックス(MQB)プラットフォームを初めて採用し、上位クラスのオプション装備も多数用意された。
これには、シティ・エマージェンシー・ブレーキング・システムと歩行者モニタリング機能を備えた自動緊急ブレーキ(フロントアシスト)、ブラインドスポットモニター付きレーンチェンジシステム、アダプティブクルーズコントロール(ACC)などが含まれる。
モジュラーコンセプトにより、ポロは全長が81mm長くなり、ラゲッジルーム容量は351リットルに拡大。2021年には、シャープなボディデザインと、IQ.LIGHTマトリックスLEDヘッドライト、IQ.DRIVEトラベルアシストなどのアシストシステムといった新しいオプション装備が追加され、ポロは全面的に刷新された。
コックピットはデジタル化され、画面対角が最大25cmのディスプレイに加え、ワイヤレス充電やApp-Connectなどの数多くのデジタル機能も備えている。
2021年夏には、パワフルな2リッターターボガソリンエンジンを搭載し、152kW(207PS)の最高出力を誇る新型ポロGTI ポロGTI生誕25周年を記念し、専用装備を備えた限定特別モデル「ポロGTI エディション25 がデビュー。フォルクスワーゲンはこれまでにポロVIを250万台以上生産している。