三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:益子修、以下、三菱自動車)は12月22日、同社製車両の燃費・排ガス試験における不正行為に関する再発防止策全31項目について、6月17日報告の23項目及び、9月30日に追加した8項目の各々の12月末時点での進捗状況を報告している。
その概略は以下の通り
6月17日報告の再発防止策23項目のうち、対策を実施した主な内容
- 経営レベルでのフォローアップ体制強化に関して、本社経営陣が開発部門の実情が正確に把握できていなかった。
この状況を改善するため、本社経営陣への開発部門の月次報告を制度化し、開発部門の透明性を高めた。
- また認証部は、これまで開発本部組織の中にあったため、データ検証する牽制機能が働きにくかった。
これを受けて認証部そのものを開発・品質担当副社長直下へ配置換えした。
これにより、認証データ取得と届出資料作成に客観性を持たせ、経営レベルでの確認を可能にした。
- 社員の特定部署への固定化が今回の不正要因の一つと捉え、人材の流動化を狙い、開発部門管理職のローテーションを制度化した。
- これまでPX(プロダクト・エグゼクティブ)制度は、プロジェクト推進責任者であるPXにすべての責任と権限が集中する体制としていた。
今回からはこの体制自体を改め、PD(収益責任)・CVE(開発 QCT)・CPS(商品力確保)により役割を分担する体制に変更した。
これにより、プロジェクト推進役の負荷軽減を図り、健全な牽制機能が働く体制とした。
- 走行抵抗値のデータを恣意的に改ざんした問題については、走行抵抗測定からデータ処理までを自動測定するシステムを導入した。
これにより、走行抵抗測定において、人的な操作による不正処理の可能性を排除した。
- 開発工数不足については、燃費問題発生の遠因と捉え、開発工数見積のデータベース再構築による見積精度の向上を図り、工数不足に対して適切に対応可能な体制を整えた。
9月30日報告の追加再発防止策8項目のうち、対策を実施した主な内容
- 開発現場の実情把握、上下意思疎通の円滑化を図るため、従来5階層あった部長から上位のマネジメント階層を3階層とした。
またこれを管轄する役員の責任範囲を適正化するため、開発部門を4本部制として各本部に直轄の担当役員を配置した。
- 開発における目標達成確認の独立性を確保するため、目標達成責任を実験部から設計部に移管した。これにより、目標達成の公正な判断ができる体制とした。
- 現行9車種の燃費再測定に関する問題を重大事案発生時の危機管理体制不備によるものと捉え、危機管理が適切に実施できるようプロセスをマニュアルに定め標準化した。
- 開発部門内の問題の顕在化を図る制度が不足していたことを受け、社員意識調査の制度化を図った。
これにより、組織の状況把握とマネジメント改善が図れる仕組みを作った。
なお同報告の開示にあたり三菱自動車工業は、「本日12月22日、再発防止策の実施状況につき添付内容の報告書を提出いたしましたので、お知らせいたします。
当社の燃費不正問題について、お客様をはじめ多数の皆様にご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、深くお詫び申し上げます」と結んでいる。
さらに各報告内容・詳細のPDF文書は以下URLより閲覧できる。
国土交通省への報告(PDF、10ページ、211KB)
http://www.mitsubishi-motors.com/content/dam/com/pressrelease_jp/2016/12/20161222-01.pdf
別添1 再発防止策全体の進捗状況(PDF、1ページ、31.4KB)
http://www.mitsubishi-motors.com/content/dam/com/pressrelease_jp/2016/12/20161222-02.pdf
別添2 再発防止策全31項目の進捗状況(詳細)(PDF、4ページ、434KB)
http://www.mitsubishi-motors.com/content/dam/com/pressrelease_jp/2016/12/20161222-03.pdf