三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼COO:相川哲郎、以下、三菱自動車)は、先の燃費不正問題の発生に際して4月20日、国土交通省より調査指示を受けた。これを踏まえ5月11日に調査報告書を国土交通省に追加提出したと発表した。
上記に関わる具体的な調査報告概要は以下通り。
1.三菱自動車工業製軽自動車4車種の調査について
(1−1)
燃費を良く見せるための走行抵抗の不正操作は、14型『eKワゴン』『デイズ』(2013年2月申請)の燃費訴求車の開発に於いて始まった。
他の類別(標準車、ターボ付車、4WD車)や『eKスペース』『デイズルークス』、各年式変更車では、走行抵抗は同燃費訴求車のデータから机上計算された。
(1−2)
同燃費訴求車の開発に於いて、燃費目標は26.4km/lから29.2km/lまで計5回引き上げられた。
これは新型競合車の燃費を強く意識したもので、現実的には達成が困難でありながら、根拠に乏しい安易な見通しに基づく開発が進められた。
(1−3)
担当者らは、燃費が「商品性の一番の訴求ポイント」と認識し、開発関連部門の管理職・役員からの燃費向上の要請を必達目標として感じていた。
(1−4)
開発関連部門の管理職(複数)は、業務委託先とのコミュニケーションを十分に行っていなかった上、高い燃費目標の困難さを理解していたにも係わらず、実務状況の確認をしなかった。
(1−5)
再発防止策については、各問題点をふまえ、抜本的な改革を検討している。
2.今後の対応について
(2−1)
その他の現在販売している9車種及び、既に販売を終了した車種については、ヒアリングの結果、正しく走行抵抗を算出していなかったり、『RVR』などについて机上計算により算出したりしたものがあることが疑われるため、測定データによる裏づけや経緯などを調査中で、別途報告する。
(2−2)
「高速惰行法」使用の理由・経緯を含む本件の徹底的な調査のため、外部有識者のみによる特別調査委員会を4月25日に設置した。
同委の報告と提言を受け次第、弊社としての適切な対応を立案し、別途報告する。
同社では、「本件に関し、お客様はじめ多数の皆様にご迷惑・ご心配をお掛けしておりますこと、改めて深くお詫び申し上げます」と述べ、結んでいる。