オープンモデルでありながら、クーペと同等の静粛性とボディ剛性、並びに軽量化を達成
メルセデス・ベンツ日本株式会社(本社:東京都港区、社長:上野金太郎)は、「メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレ」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じ、6月2日より注文受付を開始した。なお、車両の納車開始は2016年10月中旬以降を予定している。
Sクラス カブリオレは、2015年のフランクフルトモーターショーで発表され、1961年から1971年に販売されたW111以来44年ぶりに復活したラグジュアリー4シーターオープンモデル。
「モダンラグジュアリー&インテリジェンス」のコンセプトに基づき、Sクラス史上最高の美しさと高級感を備えただけではなく、安全性と快適性、効率性など自動車に求められるあらゆる要素とオープンエアドライブを高次元で究めた。
従来の「ラグジュアリー」の概念とは一線を画すモダンラグジュアリーを掲げる
「モダンラグジュアリー」とは、従来の「ラグジュアリー」の概念とは一線を画す、メルセデスの新しいデザイン哲学である。
同社では、この意味を情熱と知性、ラグジュアリーとモダン、官能(センシャル)と純粋(ピュリティ)という、異なる両極的な要素を、それぞれのモデルラインアップの性格や役割に応じ融合させたものだと述べている。
エクステリアデザイン、インテリアデザインのいずれにおいても、「Proportion(プロポーション)」「Surface(面構成)」「Details(ディテール)」の三つの要素が重要な役割を果たした。
フロントで中心となるのは、スリーポインテッドスターとクロームインサート入りシングルルーバーを収めたブラックのダイヤモンドフロントグリルである。
ボンネットは力強いキャラクターライン2本によりダイナミックな印象を与える。
フロントバンパーは中央と左右に大型エアインテークを備えています。さらに、フロントエンドはクロームトリムでスポーティに仕上げた。
Sクラス カブリオレのサイドビューは、ソフトトップを閉じた状態では美しいクーペスタイルに
低く構えるウィンドウフレームや、サイドウォールがリアに向けて下降するドロッピングライン、完全に格納されるサイドウインドウなどが特長として挙げられる。
張りのあるソフトトップは3層構造を持ち、閉じるとカブリオレの高級感が強調されるとともにクーペのような静粛性の高い室内空間を作り出す。色は、ブラック、ダークブルー、ダークレッドの3色が用意された。
ソフトトップの操作はセンターコンソールのスイッチを使って行い、時速50km/h以下であれば、走行中でも約20秒で開閉が可能。
ソフトトップを閉める際には、トランク内で自動的に展開するラゲッジカバーに格納され、荷物がソフトトップにより汚れることを防ぐ機構がある。また、車外からキーを使って開閉することもできる。
リアエンドは、LEDリアコンビネーションランプとたくましいショルダー部によりボディの幅を広く見せ安定感を演出
リアエンドは下部にディフューザーを備えたリアバンパーや、ツインエグゾーストエンド、水平に走るクロームトリムによりスポーティ感をいっそう高めている。
ヘッドライトは、片側47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用LEDハイパフォーマンスヘッドライトを採用した。
丸みを持つ円柱状の30個のクリスタルをウインカーに、さらに17個のカットクリスタルをポジショニングライトに配置し、揺らめく炎状の輝きがラグジュアリーな表情を与える。
インテリアは、美しいカーブを描くダッシュボードからドア、シートまで流れるような一体感のあるデザインが採用されている。
ソフトトップを開くと、ヨットのような雰囲気のあるオープントップラウンジとなります。丁寧にコーディネートした色彩と素材、金属(一部クローム)を採用した高級感のあるスイッチ類によって、Sクラスカブリオレの独特な風格を強調した。
オープンエアドライブを快適に楽しめるエアキャップやルーフの開閉を検知し自動的に温度、風量を調整するクライメートコントロールを標準装備
インテリア素材には、AMG専用designoエクスクルーシブナッパレザー、designoエクスクルーシブナッパレザー等の素材に、海洋船をイメージしたディープシーブルーとポーセレンの組み合わせを含むインテリアカラー3種類を設定した。素材は、最高水準のクラフトマンシップにより手作業で加工されている。
オープン走行時には、フロントウインドウ上部のウインドディフレクターとドラフトストップから構成される「エアキャップ」が空気の流れを上方に高く跳ね上げるとともに、後方から室内への風の巻き込みを低減する。
また、日照センサーや室内温度計の情報により、ルーフの開閉に伴う温度変化を感知することで、自動的に設定に合わせた温度と風量をコントロールするクライメートコントロールにより、乗員に煩わしい操作を強いることなく快適な室内環境を提供。
さらに、ドアアームレスト、センターアームレスト、ステアリング、シートにヒーターを採用し、寒い季節の快適性を大幅に高めた。
材料構成に占める軽合金比率(表面積比率)は50%を超え、ボディシェル重量はSクラス クーペ並みのレベルに
Sクラス カブリオレは、アルミニウムハイブリッドボディシェルを採用し、最も近しいボディタイプであるSクラス クーペからボディシェルコンポーネントの約60%を共用しているが、専用開発となるアルミニウムおよびマグネシウム製のリアバルクヘッドやアルミニウム製リアフロアの採用などにより、材料構成に占める軽合金比率(表面積比率)は50%を超え、ボディシェル重量についてもSクラス クーペ並みのレベルに抑えた。
走行中、規定値を超えるボディの傾きや衝撃をセンサーが感知すると、リアヘッドレスト後方に格納されているオートマティックロールバーが瞬時に上昇し、高強度のAピラーとともに乗員の安全空間を確保。
オートマティックロールバーの展開には、メルセデス・ベンツとして初めてガスジェネレーターによる火薬式を採用した。
全モデルのサスペンションには、エアスプリングと連続可変ダンパーを電子制御して優れたロードノイズ特性、タイヤ振動特性を実現する「AIRMATIC(エアマティック)サスペンション」を搭載し、快適でスポーティな乗り心地を実現している。
安全性と快適性を高次元で融合させたインテリジェンス機能を搭載
「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システムは、ドライバーの疲れを最小限に抑える快適性が安全なドライブに貢献するという思想に基づき、安全性と快適性を高次元で融合させたもので、メルセデス・ベンツではこれを「インテリジェントドライブ」と総称している。
「インテリジェントドライブ」の土台となっているのが、クルマの周囲360°をカバーする複合的なセンサーシステムである。
具体的には、フロントウインドウ内側のステレオマルチパーパスカメラで最大500mの範囲で大まかな様子をモニターするほか、2つのカメラで車両前方約50mの範囲を立体的に捉える。
レーダーセンサーは、フロントおよびリアバンパー側面に内蔵された25GHzの短距離レーダー、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個が搭載されている。
これらのカメラとレーダーから得られたデータをコントロールユニットで融合させ、安全運転支援システムに対応するデータを作成する。
このデータを高度なアルゴリズムで解析することにより、先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、その位置を特定する。
これにより、状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする「部分自動運転」を実現した。
乗員のみならず、他の道路利用者をも含む包括的な保護を実現することも目標に掲げる
Sクラス カブリオレに搭載された快適装備は、ドライバーが五感で心地よさを感じることで、運転に集中する環境を提供し、安全性の向上に寄与するというメルセデスの思想を反映している。
「エアバランスパッケージ」は、エアコンディショナーに、空気清浄機能と心地よい芳香を拡散するパフュームアトマイザー機能を装備しました。香りは4種類から選択でき、ON/OFF切り替えや、香りの強さの調節が可能。
イオン放出によるウイルスなどの除去や、エアフィルター機能の強化も含まれている。
インストゥルメントパネル、ダッシュボード下部から前席/後席ドアトリムとセンターコンソールにかけての間接照明がラグジュアリーな雰囲気を醸成する「アンビエントライト」は、7色から照明色が選べ、室内の各エリアごとに明るさの調整も可能。
夜間の室内空間を演出するとともに、対向車のライトによる眩惑を軽減する効果もある。
以上のSクラス カブリオレのラインアップは、4.7リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンと9速オートマティックトランスミッション「9G-TRONIC」を搭載する「S 550 カブリオレ」。
メルセデスAMG製5.5リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンとパフォーマンス志向のAMG専用四輪駆動AMG 4MATIC、マフラー内のエグゾーストフラップによって、エンジン音を切り替える「AMGスポーツエグゾーストシステム」を搭載した「メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレ」。
メルセデスAMGによる極限の滑らかさと圧倒的な高出力を誇る 6.0リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載した「メルセデスAMG S 65 カブリオレ」を設定した。
Sクラスカブリオレの発表を記念した限定8台の特別仕様車「メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレ Edition 130」
なお、Sクラス カブリオレ発表と本年の自動車生誕130周年を記念し、内外装に特別装備を採用して個性を一層引き立てた特別仕様車「メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレ Edition 130」を発表し、先の車両と同じく6月1日から2016年7月6日(水)までの期間限定で全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークにて注文受付を開始する。(全国限定8台 ※全世界限定130台)。
「メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレ Edition 130」は、本特別仕様車限定となる通常の塗料の1/3~1/10の粒子の塗料を用いることにより、通常の塗料では再現できないきらびやかなエクステリアを演出するアルビームシルバーに、ボルドーレッドのソフトトップを組み合わせている。
インテリアには、高級感とスポーティさを兼ね備えるAMGカーボンファイバー/ピアノラッカーのトリムを採用。また、Burmester3Dハイエンドサラウンドサウンドシステムを標準装備するとともに、ステアリングおよびカップホルダーには本特別仕様車限定の「Edition130」エンブレムをあしらった。本特別仕様車限定のフロアマットも付随する。
Sクラス カブリオレの「インテリジェントドライブ」に含まれる代表的な機能
ディストロニック・プラス(ステアリングアシスト付):
77GHzおよび25GHzの2種類のレーダーによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する。
ステレオマルチパーパスカメラとレーダーにより、車線のカーブと先行車両を認識し、車間を維持しながらステアリング操作をアシストしていく。
BASプラス(飛び出し検知機能付ブレーキアシスト・プラス):
77GHzおよび25GHzのレーダーとステレオマルチパーパスカメラで前方を広範囲にモニターし、先行車に加え、前方を横切るクルマや合流してくるクルマ、さらには歩行者などとの衝突の危険性を検知した場合にドライバーにディスプレイ表示と音で警告し、急ブレーキを促す。
ドライバーがブレーキを踏んでも踏み込みが弱い場合はブレーキ圧を増幅することで急ブレーキの効果を高める。
PRE-SAFE®ブレーキ(歩行者検知機能付):
先行車および歩行者を検知したBASプラスの警告にドライバーが反応しない場合、軽いブレーキングでドライバーに警告し、衝突回避をサポートする。
同時に衝突時に乗員の最適な姿勢を可能な限り確保するPRE-SAFE®機能も作動します。それでもドライバーが反応しない場合、最大のブレーキ力で自動緊急ブレーキが作動する。
リアCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム):
リアバンパーのレーダーが後方を監視し、車間距離と接近速度から衝突の危険があると判断すると、ハザードランプを素早く点滅させて後続車のドライバーに警告するとともに、ドライバーに危険を知らせ、シートベルトテンショナーなどを起動させる。
それでも後続車が十分に減速しない際には自動的にブレーキ圧を高めて自車をロックし、玉突き衝突の回避など二次被害の軽減をサポートしていく。
アクティブレーンキーピングアシスト:
ステレオマルチパーパスカメラが車線を検出し、フロントホイールが走行車線を越えたと判断するとステアリングを断続的に微振動させてドライバーに警告するほか、ESP®の制御を利用して片輪に軽い補正ブレーキをかけることで車線内に戻そうとする。
アダプティブハイビームアシスト・プラス:
ステレオマルチパーパスカメラが対向車や先行車を検知すると、他の車両にハイビームが当たらないよう自動的に照射範囲を制御しながら常に最大の視界を確保する。
また、道路標識などにハイビームが反射すると、自動的に減光し眩惑を防止する。
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