メルセデス・ベンツ日本株式会社(本社: 東京都港区、社長:上野金太郎)は、メルセデス・ベンツ新型「Vクラス」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じ10月10日より注文予約の受付を開始した。なお、車両の発売は2016年1月を予定している。
1998年に欧州のミニバンとして、初めて日本に導入された初代Vクラスは、ワイドでスクエアなスタイリングと広く上質な室内空間にアレンジ自在なシートを備え、プレミアムミニバンというセグメントを創出した。
その後も、2003年のフルモデルチェンジ、2006年と2011年の一部改良を施し、7名乗車のシートレイアウトや、左右両側の電動スライドドアなど、日本の自動車ユーザーのニーズにあわせて装備の拡充を図ってきた。
同社によると、これらの経緯により、累計販売台数で2万台を超えるロングセラーモデルになったという。
新型Vクラスは、これまでのVクラスのコンセプトを継承しながらも、走行性能と快適性の拡充に加え、安全性や質感などの面でも進化を目指しており、最新の「メルセデス・ベンツのミニバン」の名に相応しいプレミアム感を備えている。
なお同車に搭載されるパワートレインは、すべてのモデルに、世界で最も厳しいとされる日本の「ポスト新長期規制」に適合するため、日本仕様として設計を加えた2.2リッター直列4気筒BlueTECエンジンを搭載している。
メルセデス・ベンツは、1936年に世界初のディーゼル乗用車を発売して以来、一貫してディーゼルエンジン技術の改善と高度化を進めてきているという。
ちなみにクリーンディーゼル「BlueTEC」は、DPF(粒子状物質除去フィルター)で、PM(粒子状物質)を除去した排出ガスに尿素水溶液「AdBlue(アドブルー)」を噴射し、熱反応によってアンモニアを生成させた後に、SCR触媒コンバーターで化学反応(還元作用)を発生させ、有害なNOx(窒素酸化物)を削減させるディーゼル排出ガス処理システムを採用している。
尿素水溶液を利用したNOx削減システムは、大排気量のディーゼルエンジンを搭載する大型貨物トラック市場に於いては、定番のシステムであり、環境性能の裏付けとして、2000年初頭より定評を得ている仕組みである。
メルセデスでは、これにピエゾインジェクターを用いた最新世代のコモンレールシステムや、電子制御可変ターボチャージャーなどを組み合わせ、最高出力163PS(120kW)、最大トルク380Nmの動力性能を発生させている。
トランスミッションには7速A/T「7G-TRONIC PLUS」を搭載し、エンジンパワーを効率的に活用することで燃費性能と快適性を向上させた。燃費は、15.3km/L(JC08モード)と先代の3.5リッターV6ガソリンエンジンと比較して最大+125%*向上している。*社内参考値
同車Vクラスは、車体骨格と動力系のパッケージとして、コンサバティブなFR(フロントエンジン・後輪駆動)レイアウトを採用した。
FRレイアウトの利点は、エンジンと前輪の位置が自由に決められることにあり、クラッシャブルゾーンや前輪の切れ角を充分に確保することができ、取り回しやすさと安全性が向上する。
また、乗員人数や積載量に関わらず駆動力が路面に伝わるため、走行安定性にも優れている。さらに、長いプロペラシャフトが加減速のショックや騒音、振動を低減するため、上質な乗り心地も確保出来る。
加えて足回りには、予てより定評がある「AGILITY CONTROLサスペンション*」を採用した。
フロントがマクファーソン式、リアにセミトレーリングアーム付独立懸架式とし、ローダウンするとともにスタビライザーを採用することで、ロールを減少させて、高い走行安定性を実現した。
さらに、走行状況に応じて減衰力を調整するセレクティブダンピングシステムを採用し、通常走行時には油圧抵抗を減少させて快適な乗り心地を、ハードなコーナリング時など急激な入力に対しては最大限の減衰力を発揮させる。*V 220 d TREND を除く全車に標準装備
一方、Vクラスのエクステリアは、彫刻的なアローシェイプのボンネットが、スリーポインテッドスターを中央に配したラジエターグリルと連なり、メルセデスらしい気品溢れるフロントマスクを形成している。
ヘッドライトには、走行状況や天候に応じて配光モードを自動で切り替える「LEDインテリジェントライトシステム*」を採用。
また、サイドビューは、フロントから連なる立体的な2本のキャラクターラインが流れるようなダイナミズムを演出する。*V 220 d TREND を除く全車に標準装備
室内空間は、シート、ステアリングホイール、シフトレバーなど随所にナッパレザー*1 など厳選された高級素材を採用するとともに、面積の大きなダイナミックな構成のインテリアトリムにより、空間を広く見せると同時に高級感を強調した。加えて間接照明により、夜間の室内にラグジュアリーな雰囲気を醸成するアンビエントライト*2も採用している。*1 V 220 d AVANTGARDE Extra-long にパッケージオプション設定、*2 V 220 d AVANTGARDE long およびV 220 d AVANTGARDE Extra-long に標準装備
シートは、堅牢なシートレールを採用したフラットなフロアに2列目は独立シート、3列目はベンチシートを配し、長距離ドライブでも高い快適性確保を目指した。
シートレイアウトは、脱着可能なシートを採用しているため、2列目を後ろ向きにセットして後席乗員5人が向かい合って座れる状態にしたり、後席を2座のみにして室内を広々と使ったショーファードリブン仕様にしたり、2列目と3列目をすべて取り外して荷物を積載したりと、用途に合わせて多彩にアレンジすることが可能。
利便性の高い「収納式センターテーブル*」も備えていながらも、安全性を高次元で実現するために、2列目および3列目のすべてのシートに3点式シートベルトが一体化されている。*V 220 d AVANTGARDE Extra-long にパッケージオプション設定
室内の空調環境では、前席左右と後席で独立して温度設定が可能。設定に合わせた温度と風量を自動調整する「クライメートコントロール(前席左右独立調整)*1&後席専用クライメートコントロール」を採用した。
後部座席に於いては、すべての乗員の快適性をより高めるために、2列目および3列目用の吹き出し口をルーフトリムと足元にそれぞれ備えた。また座面とシートバックの快適性を高める「シートベンチレーター*2」も設定している。 *1V 220 d TREND を除く全車に標準装備 *2 V 220 d AVANTGARDE Extra-long にパッケージオプション設定。
ラゲッジルームには、狭い駐車場でも開閉でき小物などの積み下ろしに便利な開閉式リアウィンドウを採用した。
さらに通常シートアレンジ時のラゲッジスペースを上下2つに分割する「ラゲッジルームセパレーター*1」も装備。ラゲッジ容量*2は、標準ボディの「V 220 d TREND(トレンド)」「V 220 d」が720~4,500リッター、ロングボディの「V 220 d AVANTGARDE(アバンギャルド) long」が1,030~5,000リッター、エクストラロングボディの「V 220 d AVANTGARDE Extra-long(エクストラロング)」が1,410~5,500リッターとなる。*1 V 220 d TRENDを除く全車に標準装備 *2 ラゲッジ容量はすべてVDA方式
安全面では、メルセデス・ベンツの基本価値である「セーフティ&コンフォート」を体現する装備を搭載している。
例えば、長時間走行時のドライバーの疲労や眠気を70以上のパラメーターで検知して注意力低下を警告する「アテンションアシスト」、走行中の横風に対して車両片側のブレーキ制御を行うことでより安定した走行をサポートする「クロスウインドアシスト」。
さらに、追突のリスクを低減するレーダー型衝突警告システム「CPA(衝突警告システム)」、最適な車間距離を自動で維持するとともに先行車が停止した場合は減速して停止する「ディストロニック・プラス」、ドアミラーの死角範囲をレーダーによってモニターして危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」、車線逸脱をステアリングの微振動で警告する「レーンキーピングアシスト」、危険を察知した際に安全装備の効果を最大限に高める「PRE(プレ)-SAFE(セーフ)®」などを含む先進の安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ*」を設定。* V 220 d AVANTGARDE Extra-longに標準装備。 V 220 d AVANTGARDE Extra-longを除く全車にパッケージオプション設定
また、車両周囲の状況をモニターする「360°カメラシステム」、自動操舵・ブレーキ機能により縦列駐車と車庫入れをアシストする「アクティブパーキングアシスト」、前後バンパーに埋め込まれた超音波センサーで障害物との距離を感知して警告する「パークトロニック」を標準装備し、ボディサイズの大きいVクラスの駐車や取り回しをサポートする。
インフォテイメントシステムには、オーディオ、ナビ、電話など各種機能や車両設定の操作をタッチパッドで直感的に行える「COMANDシステム」を標準装備し、オーディオは、Sクラスなどにも採用されている「Burmester(ブルメスター)®サラウンドサウンドシステム*」を設定した。*V 220 d AVANTGARDE long およびV 220 d AVANTGARDE Extra-long に標準装備
最後にメーカー希望小売価格は以下の通り。すべてのモデルが新エコカー減税(重量税、取得税 免税)および自動車グリーン税制優遇措置(翌年度自動車税75%減税)の対象となる。