アバルトならではのDNAを引き継いだ新たな2人乗りオープンスポーツモデル
FCAジャパン株式会社(本社:東京都港区、社長:ポンタス ヘグストロム)は、アバルトブランド初のオープンスポーツモデルである新型「Abarth124spider(アバルト124スパイダー)」を、2016年10月8日(土)より全国のアバルト正規ディーラーにおいて販売を開始した。
同モデルは、1960年代のデビューと共に多くのドライバーを魅了したオリジナルの「124スパイダー」のオマージュとして登場した。
そんな「新型アバルト124スパイダー」は、本格的な2人乗りオープンカーとしての高い走行性能走に加え、スリルとテクノロジー、安全性、イタリアンデザインを融合したモデルとして、アバルトならではのDNAを引き継いだ新モデルとして蘇り、FCAは同車で幅広いファンを再度獲得することを狙っている。
車体骨格は、既にご承知の通りで、マツダロードスターのアーキテクチャーをベースとしている。
生産そのもはマツダが本社工場にて行い、スタイリングデザイン、パワートレイン、室内装備・材料、サスペンション及びステアリングフィールの味付け等を、FCAが独自で開発・付与したモデルとなっている。
アバルトのパフォーマンスDNAを受け継ぐパワフルなエンジンとスポーティなトランスミッション
今回の新型アバルト124スパイダーは、車両開発にあたってアバルト・レーシングチームの支援を得て開発され、「パフォーマンス」、「クラフトマンシップ」、「技術的優位性」というアバルトならではの価値感を具現化したモデルであると同社は云う。
特に同社が拘るアバルトブランドに相応しい運動性能を発揮するべく、第1に標準装備されたのは、機械式のセルフロッキングディファレンシャルである。
これにより重量をアクスル間に集中させ、エンジンをフロントアクスルより後方に配置することで、同社が求めていたアジリティとドライブフィールを実現。これにより後輪のトラクションを可能な限り最大限に引き出す設定とした。
車体構造では、軽量素材の使用により車両重量を1.150kg(オートマチックモデルの場合。マニュアルモデルは1.130kg)とし、パワーウェイトレシオはクラストップの6.2kg/hp(乾燥重量1.060kgとして)とし、優れたアジリティを確保している。
アバルト124スパイダーのサスペンションには、フロントにダブルウィッシュボーン式、リアに5アームのマルチリンク式を採用。これにコーナリング時や減速時の安定性を高めるよう特別なチューニングを施した。
凝ったメカニズムのサスペンション方式で純粋無雑なドライブフィールを目指す
ステアリングのフィードバックは、パワーステアリングシステムに専用のスポーツ設定を採用することで最適化。ステアリングのフィードバックは、パワーステアリングシステムに同車専用のスポーツセッティングを採用することで最適化している。
さらにビルシュタイン製のモノチューブショックアブソーバー、特別な設定のスプリング、オーバーサイズのアンチロールバー等を設定し、アバルトブランドが求めるハンドリング特性と精度の高い走りを目指した。
制動性能では、ブレンボ製ブレーキシステム(フロントにアルミニウム製4ピストン対向キャリパー搭載)は、制動距離を最低限に抑えるとともに、ブレーキを長時間激しく使用した場合の耐フェード性に優れた仕様としており、常に快適かつ安全なブレーキフィールを確保している。
なおボンネットの下には1.4リッターマルチエア4気筒ターボエンジンを搭載。発揮される最高出力は170ps(排気量1リットル当たり約124ps)、最大トルクで250Nm、0~100km/h加速は6.8秒(欧州仕様参考値)となっている。
トルクコンバーター採用のATシステムは、エンジントルクをフルに活用できるよう丹念なチューニングを施す
21世紀に蘇った新型アバルト124スパイダーゆえに、同車には電子制御による最新のアクティブ&セーフティ機能を備える。
トランスミッションは6速マニュアルと、6速オートマチックの2タイプ。マニュアルミッションはストロークの短いダイレクトなレバー比としている。
対して、トルクコンバーターを採用したオートマチックトランスミッションは、エンジントルクをフルに活用できるよう丹念なチューニングを施した。
これはサーキット走行等で、スポーツカーならではの感覚が常に得られるべく、電子装備の設定をスポーツドライビング感覚に先鋭化している。それによって本格的なFR(後輪駆動)スポーツカーらしいリニアなレスポンスを味わうことができるとしている。
ちなみにこの電子制御装置は、ドライブモードセレクターに統合されていて、センターコンソールに設けたレバーを使って「ノーマル」と「スポーツ」の2つのパフォーマンスモードを切り替えることが可能だ。
具体的には「ノーマル」は日常走行向き、「スポーツ」はスポーティな走りに最適に調整されたモードとなる。
このシステムが介入可能なパラメーターは多様で、アクセルペダルレスポンス、パワーステアリングのアシスト量、スタビリティコントロールおよびトラクションコントロールのしきい値など。オートマチック仕様では、シフトポイントやシフト速度も変更の対象となる。
なおアバルトというブランド上、重要な要素であるエンジン音については、エンジンの回転数に応じて排気経路が変わる「レコードモンツァ デュアルモード エキゾーストシステム」をアクセサリーとして設定した。
理想に近い重量配分と軽量設計、さらに最新鋭の走行安全性能を確保
新型アバルト124スパイダーは、同社の2人乗りオープンスポーツカーの新世代に相応しい新たなベンチマークとなるモデルであり、そのことは車両スペックが証明している。
例えば、今回採用されたアクティブボンネットシステムは、既存の走りを優先するスポーツカーとしての範疇を超えたもの。具体的には、車の総重量が増えたり車体のバランスに多少の変更が生じても、歩行者衝突安全基準をも満たすよう設計されている。
このシステムは、クロスメンバーに取り付けたセンサーとエンジンルーム内の2個の小さな火薬充填部を用いるもので、歩行者との衝突を検知すると数ミリ秒で起動し、ボンネットとエンジンとの間に安全性を高める空間を確保することで、衝撃を和らげる。
アバルトが受け継ぐDNAを忠実に表すデザインをエクステリアに反映
新型アバルト124スパイダーのデザインは、スポーツカーとしてマシンセッティング上、優れた機械的レイアウトを含めて新時代に反映させたものになっている。
そのために前後に長いボンネットで170ps(250Nm)という強大なパワーをスタイリング面で強調すると共に、オーバーハングを切り詰めることでアジリティをも強調した。
また、パッセンジャー・コンパートメントは、リアアクスル近くまでに後退させることで、ドライバーが路面状況をリアルタイムでハッキリ感じられるようにした。
加えて、パフォーマンス志向を表現したフロントバンパーの大型エアインテークやリアのディフューザー、気流改善に役立つリアスポイラーや、ウィンドスクリーンは風洞実験により、その形状を検証した。
特にフロントエンドのオリジナルラインと、六角形のフロントグリルは、アバルト124スパイダーの個性を主張する上で一役買っている。
フロントエンドボンネットのふくらみは、エンジンが縦置きであることを示唆するもので、オリジナルの124スパイダーを思わせるデザインとなっている。
LEDヘッドライト(オプション設定)とリアライトは、昼夜を問わず当モデルの表情を豊かに演出する。加えてリアライトクラスター内側にボディ同色のインサートを設けることで、光を放つリング状の面を形成した。
さらにアバルト124スパイダーのリアエンドには2つの特徴的な部分がある。
1つはリアフェンダーとリアバンパーを継ぎ合わせた部分、もう1つは、オリジナルの124スパイダーから特徴を引き継いだ横に長いリアライトである。上面がトランクリッドに回り込むリアフェンダーの形状が、特徴的なリアのV字形を強調した。
ボディカラーは全4色を設定。ソリッドカラーのホワイトとレッド、メタリックカラーのブルー、および三層コートのパールホワイト。
これに17インチ アロイホイールを装備。ウィンドスクリーンまわり、ロールバーカバーは、アバルト124スパイダーの大胆な佇まいを強調するカラーとしてガンメタリックで仕上げた。
バンパーにはブラックグリルとコントラストをなすレッド仕上げのフロントスポイラーと牽引フックキャップをアクセサリーとして装着することを可能とした。
アバルトのDNAを忠実に表すデザインは、インテリア面にも反映されている
シートはアルカンターラ/レザーまたはオールレザー(オプション設定)でサポート性と快適性を兼ね備えていると同時に、ドライバーがクルマの様々な動きを感じとることができるよう、可能な限り後方に低くセッティングされている。
操作部分も、アルミニウム製ペダルの位置、垂直に近いステアリングホイール、短いシフトレバーなど新型アバルト124スパイダーのスポーティなキャラクターに合致した作りとした。
ダッシュボードには、赤い文字盤の大型タコメーターをドライバー正面の中央位置に配置し、プッシュボタンスタートシステムを採用。
快適性の確保のためにシートヒーターを標準装備し、防音型のウィンドスクリーン、リアウインドウ、2層ソフトトップを設置することで高い遮音性能を実現した。なおソフトトップの開閉は運転席から片手で簡単に実施できる。
新型アバルト124スパイダーに標準装備している主な安全装備は以下の通り。
- ABS(アンチロックブレーキシステム)
緊急ブレーキ時にタイヤがロックした場合、ブレーキを踏んだままでも自動的にブレーキの解除・作動を繰り返すことでタイヤのグリップ力を回復させるとともに、クルマの走行安定性を保つ。 - EBD(電子制御制動力配分システム)
制動力の前後配分を調節することで制動距離を最小限に抑え、あらゆる荷重条件下にて最適なブレーキコントロールを実現。 - ESC(横滑り防止装置)
あらゆる走行条件下でコントロール性を高める。また、ドライバーによるステアリング操作と実際の進路に食い違いがあると判断すると、選択的にブレーキングを行うとともに、スロットルを制御して車を正しいラインに戻す。
なお、サーキットで走行する際は、上記すべての機能を限定させることができる点も当モデルならではの特徴。
クルマのバランスと運動特性をフルに活用でき、純粋でダイレクトなドライブフィールを楽しむことができるとする。なお3点式シートベルトには、締め付け力を適切に調整するコンスタントフォースリトラクター(CFR)を採用した。
FCAが最新鋭車両に対して打ち出す先進のインフォテインメントシステムを搭載
新型アバルト124スパイダーには、先進のインフォテインメントシステム「124 SPIDER INFORTAINMENT SYSTEM」が搭載されています。主な特徴は以下の通り。
- FM/AMラジオと多彩な外部機器接続によるマルチメディアオーディオ機能。
- CD/DVD再生、地上デジタルTVチューナーによるTV視聴(*1)。
- 運転席ヘッドレストスピーカー2個を含む6スピーカーシステム。
- Bluetooth対応スマートフォンとの接続によるストリーミングオーディオ、ハンズフリー通話、ショートメッセージの読上げ機能
- ナビゲーション機能(*2)と3年間の地図データ更新(*3)。
- リアビューカメラとリアパーキングセンサーによる駐車支援
- 7インチタッチパネルディルプレイによる停車時の使いやすい入力操作。
*1 レザーシート/ナビゲーションパッケージ装着車
*2 レザーシート/ナビゲーションパッケージ装着車、またはナビゲーション用SDカードの別途購入が必要
*3 アバルト正規ディーラーでの更新作業が必要。別途手数料が生じます。
新型アバルト124スパイダーの概要は以下の通り。
製品詳細 http://www.abarth.jp/124spider/
以上