ビッグデータ活用に向けた新会社「Toyota Connected, Inc.」、市場の車両から得られる情報を、もっといいクルマづくりへ反映
トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、社長:豊田章男、以下、トヨタ)は、マイクロソフト コーポレーション(以下、マイクロソフト)と共同で、市場を介して走行車両から得られる情報の集約と解析、及びその結果を商品開発へ反映させていく新会社「Toyota Connected, Inc.」(以下、TC)を、米国テキサス州プレイノに設立した。
新会社の「Toyota Connected, Inc.」は、トヨタのIT事業会社であるトヨタメディアサービス株式会社と、マイクロソフトの合弁会社である。
同新会社は、車載通信機(DCM : データ・コミュニケーション・モジュール)が装着されたトヨタ車、レクサス車から得られる様々な走行情報等を集約するトヨタ・ビッグデータ・センター(以下、TBDC)の運用と、もっといいクルマづくりに向けて役立てるべく、取得情報を基にしたデータ解析、研究、活用を行っていく。
トヨタは予てより、ビッグデータの様々な活用や人工知能技術との連携を介して、今後、社会が直面する様々な課題を解決を目指してきた。
これは、将来の持続可能なモビリティ社会の実現を目指すだけでなく、誰もが安心して安全・自由に、より豊かに暮らすことができる社会の実現を目指して実行することであり、TCの設立はそれに向けた重要な施策のひとつであると云う。
新会社TCの拠点は、新しい北米トヨタの拠点となるプレイノに位置し、TBDCの管理や活用、サービスなどのトヨタの取り組みを集約。
これを、もっといいクルマづくりのためのデータ解析として利用すると共に、その成果を状況に応じて「つながる」サービスを介して提供していく。
また、新会社は従来からのトヨタとマイクロソフトとの協力関係の上に成り立っており、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Azure」を採用するほか、マイクロソフトの技術者が、データ解析やモバイル技術などの広いエリアでTCの業務をサポートしていく。
TCの事業範囲は、顧客第一の考えのもと車載サービスやテレマティクスのほか、クルマと家やIoTの接続、パーソナライズ化、健康と安全、クルマのスマートシティへの統合、関係会社への様々なサービス、フリートサービスなどに及ぶ予定だ。
具体的にはTRI(※)における研究など、現在行われている人工知能やロボット研究へもサポートを行っていく構えだ。(※) TRI TOYOTA RESEARCH INSTITUTE, INC.(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)
なお昨今、トヨタが製品群毎のカンパニー制に移行する中、TCは、つながる技術とデータサイエンス分野のグローバルな発展に向け、会長にトヨタの専務役員である友山茂樹氏が就任。
社長兼CEO(最高経営責任者)には、北米トヨタのチーフ・インフォメーション・オフィサーであるザック・ヒックス氏(Zack Hicks)が就任している。
TCの設立にあたりヒックス社長は、「TCは、お客様個人の習慣や思考に応じたテレマティクスサービスから、実際の運転パターンに合わせた保険料率モデルの構築、『つながる』技術を搭載した車両への道路状況や交通情報の提供にいたるまで、様々な面でお客様の生活を豊かにしていきたい」と述べた。
また、マイクロソフトのコーポレートストラテジー・プランニング担当のエグゼクティブ・バイスプレジデントであるカート・デルベーン氏は、「トヨタは運転体験に、より高度な知能をもたらすための会社設立という、大きな一歩を踏み出した。
データの力を用いて、運転をより個々に適した、直感的かつ安全な形に変えていくべく、TCと協力していくことを楽しみにしている」と語っている。
新会社の概要は、以下の通り
– 会社名 Toyota Connected, Inc.(トヨタ・コネクティッド)
– 所在地 米国 テキサス州プレイノ
– 設立時期 2016年1月
– 事業内容 ビッグデータセンターの運用、ビッグデータ事業、コネクティッド領域の研究開発
– 社員数 約40名規模(2017年時点の予定)