デンソーテン(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:米本 宜司)は5月13日、自社の通信型ドライブレコーダーを併用した安全運転管理を担うテレマティクスサービス「Offseg(オフセグ)」が、富山県南砺市の公共ライドシェア「なんモビ(2025年3月から開始)」に採用されたことを明らかにした。
上記の「Offseg」は、社用車の運用を管理する上での「トラブル」「事故」「ムダ」などを極力防ぐことに拘った製品だという。
その強みは、社用車の事故に関する通知だけでなく、ヒヤリハット通知なども一目でわかる管理画面を提供。それでいて車両管理担当者が膨大な情報を費やすことなく運用管理できるなど高い効率性の維持を支援するものだという。
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Offseg製品サイト:https://www.denso-ten.com/jp/offseg/
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そんな「Offseg(オフセグ)」は今回、南砺市が公募した一般ドライバーの自家用車にドライブレコーダーとして装着される。これによりドライバーの運行管理やアルコールチェック管理等に活用される仕組みだ。
さてそんな公共ライドシェアとは、自治体等が主体となって交通空白地域に於ける交通サービスを提供する仕組み。
バス・タクシー事業が困難な地域で輸送手段の確保が必要な場合、必要な安全上の措置をとった上で、一般の自家用車ドライバーに協力を仰ぎ、提供される運送サービスを指す。
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南砺市が公共ライドシェアを開始した背景は以下の通り
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さて富山県南砺市は、県内の他市町村に比べ市域が広い。また鉄道やバスといった既存の交通機関だけでは市内の移動需要をカバーすることが難しい。
加えてバス・タクシー運転手の高齢化等による担い手不足、収支悪化に伴うバス路線の減少、高齢者の免許返納に対応する移動手段の確保等が課題となっている。
このような複数の背景から、AI自動運転ソフトウエアを開発しているリベラ(本社:東京都港区、代表取締役:中田 重昭)が富山県南砺市、石川県小松市の両市から事業の委託を受け、全国自治体ライドシェア連絡協議会(事務所:東京都千代田区、共同代表:樋渡 啓祐)からの協力を得つつ、モビリティシステム基盤を2025年3月に立ち上げた。
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南砺市が公共ライドシェアに「Offseg」を採用した理由は
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その公共ライドシェア「なんモビ」の強みは、スマホアプリから直接タクシー事業社への配車依頼や予約が可能な点にある。しかし一方でタクシー事業者が配車できない場合、登録されているライドシェアドライバーに配車依頼が入る仕組み(タクシー会社との共同運営)となっている。
そこで富山県南砺市では、ライドシェアドライバーが運転する公共ライドシェアによる輸送サービスであっても、利用者が安心して利用できるよう、「Offseg」で安全運転管理をサポートしていく構えという。
ちなみに今回、富山県南砺市の公共ライドシェア「なんモビ」が、Offsegを採用した理由は、従来型の法人向けテレマティクスサービスでは、公共ライドシェアが求める機能が活かせないケースが多々あるからだという。
つまり自治体の公共ライドシェアでは、企業専属のプロドライバーでなく、一般ドライバーが担うとものとなるため、運行状況管理やプライベート利用時に於けるプライバシーの配慮など、既存の法人向け用途とは、異なる課題があるからだ。
その結果、Offsegが、それらを解決できる以下の機能を有していたことが、富山県南砺市にとっては採用の決め手となった。
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その採用につながった主な機能は以下の通り
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▷運行管理者が各ドライバーの運行状況をひとつの管理画面でリアルタイムに確認可能
▷ドライブレコーダーの録画・位置情報記録をドライバーがボタン一つで簡単にオンオフ切り替え可能
▷アルコールチェックの結果を一元管理可能
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南砺市の公共ライドシェアでの参画者の役割は以下の通り
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富山県南砺市:事業者
全自連:総合調整(国土交通省との連携含む)
リベラ:事業運用、システム構築
デンソーテン:安全運転管理テレマティクスサービス「Offseg」の提供、運用サポート、保守