自動車メーカーによる不正行為を防止し、自動車の性能に対する信頼確保を目指して
自動車メーカーによる不正行為の抑止力を強化する観点から、不正な手段により型式の指定を受けた場合において、当該指定を取り消すことができる等、虚偽報告等の罰則を強化する「道路運送車両法の一部を改正する法律案」が3月3日に閣議決定された。
1.閣議決定の背景
昨年発覚した我が国自動車メーカーによる燃費の不正事案や、海外メーカーによる排出ガスの不正事案の発生を踏まえ、メーカーが提出するデータについて測定現場に立ち会うことによるチェックを開始したほか、不正を行ったメーカーに対する審査の厳格化を行う等の対策を講じている。
今般、自動車メーカーによる不正行為の抑止効果を更に高める観点から、道路運送車両法を改正し、自動車の型式指定制度の更なる適正な実施を図るための措置を講じる。
2.道路運送車両法改正の概要
(1)不正な手段によりなされた型式指定の取消し
燃費の測定に必要となるデータを改ざんしていた場合等、不正な手段により型式の指定を受けた場合に、型式の指定を取り消す※ことができる。
※ 指定の取消しにより、実質的に工場における自動車の製造を停止させることができる。
(2)罰則の強化
型式指定を受けた者に対し報告徴収・立入検査を行った場合に、虚偽の報告等を行った者に対する罰則を強化する。
※【現行】30万円以下の罰金(違反者・法人)
【改正案】・1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれらの併科(違反者)
・2億円以下の罰金(法人)
3.閣議決定日
平成29年3月3日(金)