ANAとSBドライブ、2020年以降の自動運転バスの空港導入で実証実験を開始


全日本空輸株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 平子 裕志)と、ソフトバンクグループのSBドライブ株式会社(エスビードライブ、本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO 佐治 友基)は2月25日、羽田空港新整備場地区での実証実験を皮切りに、空港における自動運転バスの導入に向けた取り組みを開始した。

羽田空港新整備場地区で実施する実証実験では、公道における自動運転レベル3および4相当の自動走行を実施する予定。

実証実験では、自動運転技術を研究・開発する先進モビリティ株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長 青木 啓二)が市販の小型バスをベースに改造した実験車両と、SBドライブが開発中の遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を使用して、車両走行制御技術や遠隔運行管理システムの検証などを行う。

ANAでは、「技術革新の流れを確実に捉え、人と技術の融合・役割分担の見直しを図ることで、より少ない労力と人数で、誰にとっても簡単で働きやすい環境を整えるべく、航空分野におけるイノベーションを推進してまいります。

空港における自動運転バスの導入を通じて、利用者の安全性・利便性を担保したうえで、決められたルートを走行する定型業務における省力・省人化の実現を目指します」と述べている。

またANAとSBドライブは、今回の実証実験を皮切りに2020年以降の空港における自動運転バスの実用化を目指して、段階的に実証実験に取り組んでいく構えだと云う。

羽田空港新整備場地区で実施する実証実験の概要
実施期間: 2018年2月21日(水)~2月28日(水)
実施場所: 羽田空港新整備場地区(東京都大田区羽田空港)の公道 約2.3km(自動運転レベル3)
主な実施内容

<自動運転レベル3※1>
・ 公道でのレベル3の実証実験(正着制御や障害物回避などを含む)
・ 制御技術やセンシング技術の高度化に向けたAI(人工知能)技術の活用可能性の検証
・ 加減速制御の活用による車内転倒事故の減少、乗り心地改善に係る検証

<自動運転レベル4※2相当>
・ 交通規制をかけない公道で、かつ運転席が無人の状態でのレベル4相当の実証実験※3
・ 遠隔運行管理システム「Dispatcher」を使用した遠隔操作の検証

※1 SAE Internationalの定義(J3016)による自動運転レベル3=自動運転システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内)。作動継続が困難な場合の運転者は、システムの介入要求等に対して、適切に応答することが期待される。(出所:官民ITS構想・ロードマップ2017)

※2 SAE Internationalの定義(J3016)による自動運転レベル4=自動運転システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内)。作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない。(出所:官民ITS構想・ロードマップ2017)

※3 レベル4相当の実証実験は、国土交通省との協議の上、関東運輸局の基準緩和措置を受けた車両を使用し、警察庁の遠隔型自動運転システムの公道実証実験に係る道路使用許可の申請に対する取り扱いの基準にのっとって実施する。

実験車両(日野ポンチョ)の主な搭載機器
・ 自動アクセル制御装置、自動ブレーキ制御装置、自動操舵装置
・ LiDAR(レーザースキャナー)、ミリ波レーダー
・ GPS受信機
遠隔運行管理システム「Dispatcher」について

※ 上記仕様および管理画面は開発中のもの。