ドイツ自動車連盟、後部座席の乗員保護機能の再検討を促す


ドイツ自動車連盟(※)(アダック、アーデーアーツェー、ドイツ自動車連盟、本部:独ミュンヘン、会長:ペーター・マイヤー、以下、ADAC)は9月21日、同技術センターに於いて後部衝突テストで乗客の安全性を検討した。

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検証の結果、最新のシートベルトテンショナーと、シートベルトフォースリミッター搭載車であっても重度の頭部、胸部、および腹部の傷害の危険性が増大することを改めて示した。

しかし現状では、後部座席の乗員のためのシートベルトテンショナーと、シートベルトフォースリミッター自体も、コスト等の理由による未採用の車両が存在している。

シートベルトテンショナー並び、シートベルトフォースリミッター搭載車は少なくとも腹部領域の傷害につながる骨盤の滑り防止に役立つため、同連盟では、シートベルトテンショナー並びシートベルトフォースリミッター搭載車の選択を呼び掛けている。

またADACの事故調査のデータによると、重篤な事故の約10%は後部座席の乗員が被っているため、今回、幾つかの新世代の乗員保護システムも検討した。

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検討に於いては、フォードとダイムラーのモデルで使用されているエアバッグストラップも含めた。

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テストでは、それらが乗員の保護を強化することを示した。但し、このタイプは特定のチャイルドシートの使用に問題を残している。一方、フルエアバッグは衝突胸の圧力負荷及び肋骨骨折のリスクを大幅に減少させる事を確認した。

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ADACでは今後、後部座席における消費者保護の要件は、将来的に大幅に拡大され、前席同様の乗員保護機能を求められるようになるだろうとしている。

(※)ドイツ自動車連盟(Allgemeiner Deutscher Automobil-Club)は、ドイツの自動車ドライバーをサポートする組織で、略称ADAC。国際自動車連盟(FIA)に加盟している団体であり、会員数約1500万人を配するヨーロッパ最大の自動車連盟で、日本の日本自動車連盟(JAF)に相当する組織である。

シートベルトプリテンショナーと同フォースリミッターとは
なおシートベルトプリテンショナーとシートベルトフォースリミッターとは、限られた客室空間に於いて、効果的に乗員の動きをコントロールしつつ、乗員の胸部への衝撃を緩和する機能。

シートベルトプリテンショナープリテンショナー機構は、前面衝突時に強い衝撃を感知すると瞬時にシートベルトを巻き取る装置であり、同機能により早期に乗員を拘束する役割を持つ。

一方、シートベルトフォースリミッター機構は、シートベルトに一定以上の荷重がかからないようにする装置で、胸部に加わる力を低減する役割を持っている。

双方の装置の相乗作用で、衝突時の乗員胸部の移動量を抑えながらベルトが胸部に与える衝撃を緩和する役割を果たしている。