米レルコ、トヨタと燃料電池モジュール供給の独占契約を締結

エネルギーレジリエンス企業のレルコ(Rehlko/旧コーラーエナジー)と北米トヨタ(Toyota Motor North America)は4月29日(米カリフォルニア州アナハイム発)、ACT Expo(Advanced Clean Transportation Expo.先進クリーン交通博)に於いて、トヨタが水素燃料電池モジュールを提供。それがレルコが定置型発電として使用するサプライヤー契約を締結した。

この契約は、米国民な於ける生活を向上させ、ミッションクリティカルなインフラ・施設・住宅にエネルギーソリューションを提供してきたレルコの長年の実績と、トヨタの実績ある燃料電池技術を組み合わせたものだとしている。

この独占サプライヤー契約についてトヨタ水素ソリューションズでゼネラルマネージャーを務めるティボー・デ・バロス・コンティ氏は、「トヨタは、実績のある拡張性の高い燃料電池技術を活用して、レルコ社と協力し強力なエネルギーソリューションの構築に貢献できることを大変嬉しく思います。

レルコ社のシステムとトヨタの燃料電池技術を統合することで、よりクリーンで信頼性が高く、持続可能なエネルギーを生み出す可能性を秘めています。

このエネルギーは、多くの顧客と社会のニーズに合わせて自在に拡張可能であり、全ての人にとってスマートでエ自立型のエネルギーを提供することができるでしょう。

水素を筆頭とする次世代エネルギーへの関心は、バックアップ用途と主用途の両方を含む定置型アプリケーションに於いて大幅に高まっています。

レルコでは、特に使用時点でのゼロエミッションを実現するソリューションに注力する事業者向けに、トヨタの燃料電池技術を導入する予定です。この技術は、従来の発電機と同様の運用基準で設計・製造・運用が可能です。

燃料電池ベースの発電システムは、データセンター、倉庫、オフグリッドネットワークなどの施設に電力を供給できる他、気象条件やエネルギーグリッドの過負荷からソリューションを保護するためにも使用でき、その際に排出されるのは水のみです」と自社のエネルギーユニットについて説明した。

対してレルコで電力システム担当社長を務めるチャールズ・ハンサッカー氏は、「1MWの燃料電池発電機は、ミッションクリティカルなお客様のエネルギーレジリエンス(回復力)を大きく前進させるものです。

従来通りの信頼性を提供しながら、地域排出量をゼロにすることで、お客様のレジリエンス目標達成を支援します。しかもこの最先端技術は、今日からでも受注可能です。

そんなレルコとトヨタの最初の協業は、ワシントン州郊外にあるクリッキタット・バレー・ヘルス病院の電力インフラと二次発電の増強・バックアップを目的とした100kWの水素燃料電池発電システムの開発・設置でした。

このプロジェクトの成功を基に、レルコとトヨタは1MW以上の需要に応えるため、商用化された1MWシステムを開発・設計しました。レルコがシステム全体の開発を行い、トヨタが燃料電池技術を提供します。

トヨタの水素燃料電池技術の研究開発は、世界初の量産型燃料電池乗用車のひとつであるトヨタ・ミライの開発から始まり、そのソリューションが他の用途に展開できるまで、30年以上も掛けて慎重に展開してきたものです。

トヨタは、デスバレーに於ける華氏マイナス20度(-20°F)以下の極寒環境から華氏150度(+60°F)近くまで及ぶ環境下での開発・試験を通じて、この技術の真価を実証してきました。

またトヨタは、南カリフォルニアにエンジニアリング、製品企画、事業運営の統括本部(NA H2HQ)を。ケンタッキー州ジョージタウンに燃料電池システムの組立拠点を置いています」とそのシステムの信頼性と、まさしく地産地消のインフラ技術たり得ることを語った。