独・ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)は、ドイツ国内の競合自動車メーカーに先駆け、いち早く電動車にシフトする自動車メーカーを目指す。
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具体的には、バーデン=ヴュルテンベルク州の州都シュトゥットガルトにある同社・ツッフェンハウゼン工場から、年間6万台の電動車を輩出することにより、来る2023年時点で、自社生産車両の半数を電動車にしていく。
これが意味することは、次期「マカン」の電動化に、2019年のリリースを目指している「ミッションE」を加えた上で、さらにその他の既存車両も電動車に切り替えることで、およそ11万台超の電動車を作り出す。
もしくは、現在よりもさらにラインナップ車全体の販売総数を大きく倍増させ、結果、その半数を電動車にする、のいずれかの路線選択を意味している。
ただ、このポルシェAGの見解は、いまさら驚くに値しない。そもそも先のフォルクスワーゲンAGの燃費不正のゴタゴタから、親会社のCEOに就任したマティアス・ミューラー氏がポルシェAGのCEOであった頃より、ポルシェの電動車への傾倒は積極的であったためで、VWグループ内ではマティアス・ミューラー氏が最も早い段階で、生産車両に関する電動化への取り組みを積極的に語っていたからだ。
また左記の通りで、2015年春頃から対外的にベールを解き始めた「ミッションE」の開発は今日、順調に推移しており、ツッフェンハウゼン地域だけに限っても、同車生産を目指して早々に同工場への約7億ユーロの投資を実行。
これによって1,000人以上の新しい雇用も創出。加えて新しい塗装工場と組立工場の建設も目前であり、併せて、現在稼働中のボディ工場も拡大。現行のエンジン工場も、電気モーター生産のために目下精力的な拡張工事が進められている。
これらの取り組みにより、2年後の2019年には、当初より予定したいた「ミッションE」のリリースが開始される見込みだ。
ちなみにこの最先端技術を集結させたポルシェの新たな旗艦車両は、傑出したパフォーマンスと、意外にも現代的な実用性を兼ね備えている。
4つの独立したシートを備えた4ドアボディに、600PS(440kW)を超すパワーユニットを搭載。ミッションEは0‐100km/h加速を3.5秒以下でこなし、500km以上の航続距離を可能とする。
同車専用に専用開発されたクイックチャージ機能は、これまでの常識を超える2倍に相当する800Vのチャージャーユニットを介して、車両フロアにバランス良く搭載されたリチウムイオンバッテリーを15分で最大航続距離の80%に相当するまで充電することが可能だ。
また、ちなみにポルシェAGは2017年4月、アウディAG(本社:ドイツ・バイエルン州インゴルシュタット、取締役会長:ルパート・シュタートラー、以下アウディ)との車両アーキテクチャーの共同計画にもゴーサインを出している。
両社がスポーツカー並びに、今後のSUV車両展開等で共通プラットフォームを開発するという話は、もとより予てより浮上していたことなのだが、この際にもオリバー・ブルーメCEOは、「両社は、共に将来のモビリティ開発における競争で更なる進歩を遂げることになります。
私達は、専門知識を利用して相乗効果をもたらし、時には協力しつつ、一方ではブランドの差別化を維持することにも注力します。
つまりポルシェは常にポルシェであり、それは将来も同じです」とアウディと共に互いの独自路線自体を強く強調していた。
一方で、アウディAGの取締役会会長を務めるルパート・シュタートラー氏は、「両社の最高のブレインが協力し、将来の方向性をまとめます。
顧客に最高のソリューションを提供することにおいて、両社は多くの価値観を共有しています」と、この両社の協業のメリットを語っている。加えてアウディAGには、電動車に強みを持つ自動車サプライヤーのシェフラーAG(本社:独・ヘルツォーゲンアウラハ、CEO:クラウス・ローゼンフェルド)も存在する。
なお、これに対してボルシェAGの電動化への流れを、側面からサポートするのは、マネージメント/ITのコンサルティング会社であるMHP(Mieschke Hofmann und Partner、本社:ルードヴィッヒスブルグ、CEO:Dr.ラルフ・ホフマン)と、ポルシェ・デジタル社(Porsche Digital GmbH、本社:シュトゥットガルト・ルートヴィヒスブルク、CEO:ティロ・コスロフスキー)がある。
MHPは、当初ポルシェへの経営・ITコンサルティングを行うことを目的に1996年に設立されたが、以降、企業グループを核に独自に事業拡大を果たし、毎年売上規模を拡大させている。
一方、昨年夏に立ち上げられたポルシェ・デジタル社は、車両全体を含むデジタルソリューションの研究及びに、自動運転技術の開発等を担っている。