2017年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦・冨士、石浦宏明が逆転優勝


選手権第3戦を終え、石浦宏明がランキングトップに浮上

2017年全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝レースが7月9日、静岡県富士スピードウェイレーシングコース(1周4.563km・55周・250.965km)で行われ、2番グリッドからスタートした石浦宏明(ピーエムユーセルモインギング)が逆転優勝を果たした。

これにより石浦は、昨年の第2戦岡山以来、約1年ぶりの優勝となった。2位には、フェリックス・ローゼンクヴィスト(スノコチームルマン)、3位には。アンドレ・ロッテラー(バンテリンチームトムス)が入った。

当初ポールポジションからスタートした国本雄資(ピーエムユーセルモインギング)が好スタートを決めて逃げ切ると思われたが、33周目にメカニカルトラブルでスローダウン、そのままリタイアとなってしまう。

また、山本尚貴(チーム・ムゲン)、小林可夢偉(ケーシーエムジー)らもトラブルに見舞われ、上位争いから脱落する中、石浦がトップを独走した。

10番手スタートのローゼンクヴィスト、12番手スタートのロッテラーが大きく順位を上げて表彰台を獲得するなど、順位が大きく変動するレースとなった。

レースは気温32度、路面温度44度の酷暑のなか、午後2時10分にスタート。最初のホールショットを奪ったのは、PPポジションで前方が開けていたNo.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。

これにスタート時にホイールスピンで加速を鈍らせたNo.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が続く展開となったかに見えた。

しかし、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がコース中央から、さらに大外からNo.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)に仕掛けられた石浦は堪らず4番手に後退。

その後方は、No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、No.4 山下健太(KONDO RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)が鍔迫り合いとなる団子状態に。

その後方では、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)と、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のバトルとなった。

そしてオープニングラップを終えて2周目に向かう中、キャシディがレイトブレーキングによる突っ込みでマーデンボローに接触。さらにその勢いで、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と接触。結果フロントウイングを脱落させて、そのままリタイヤの憂き目となった。

その間、上位集団は2周目から国本が徐々に抜け出し、10周を消化した時点で2番手を走る関口に6秒差を付けて突き放しに掛かる。

しかしその後で、各車のピットインタイミングが幸いして、石浦に前方が開けるというチャンスが転がり込む。石浦はここで、ダッシュを仕掛けて先行との差を詰め始めるのだが、以降ライバルの脱落が続き、石浦に運が向き始める。

具体的には、レース周回数25周目を迎えたストレートエンドに於いて3番手を走っていた山本の左リヤタイヤがバーストしてリタイヤを喫する。

さらに4番手を走る山下も1コーナーでタイヤがバーストしてタイムロス。加えその後、ミッショントラブルも襲い掛かりリタイヤとなってしまう。

国本も31周を終えた時点で、右側のフロントサスペンションのトラブルで脱落。42周目に可夢偉も、パーコレーションによるエンジンがストールでタイムロスを喫する。

これらライバル勢の脱落で終盤首位に立った石浦は、そのままチェッカーフラッグを潜ることに成功。

これに続いたのはローゼンクヴィスト。さらにロッテラーが3位表彰台を獲得した。

4番手は、団子状態の接戦を制した関口が入り、ガスリーは自己最高の5位フィニッシュした。続く第4戦ツインリンクもてぎは、8月19日(土)に予選、20日(日)に決勝レースが行われる。

決勝1位 No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
今シーズン、早いうちに勝っておかないとシリーズ争いが厳しくなると思っていました。

ですので今回勝ちたいとは思っていましたが、予選から流れは(チームメイトの)国本(雄資)選手のほうにあって、決勝でも自分のスタートの失敗から、勝つのは難しいかなと思っていました。

トラブルでリタイヤした国本選手は残念だったし、チームのワン・ツーフィニッシュが見えていたので残念でしたが、自分としては展開に恵まれて優勝に繋がったことから、今日は自分の力を出し切れたという意味でスッキリしています。

前を走っていた一貴選手や、関口選手が早いタイミングでピットインしたのを見た解きは、自分にとってはいい展開になったと思いました。

ピットインでタイヤ4本を交換しましたが、周りで何が起きていたかは特に知りませんでした。

「ピットインしよう、4本変えるよ」と言われ、「了解です」と。後ろとのタイム差は知っていたので、4本変えたほうが、どんなことがあっても逃げることができるので、それは自分的にも納得していました。可能であれば4本交換して100%プッシュしたいというのは前提にあったし、マージンがあれば4本変えようという話はしていました。

決勝2位 No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)
まさか決勝で2位の結果を残せるだなんて、期待していませんでした。確かに、前回の岡山戦からクルマとしてはいいものがありました。

ただ、予選の順位が良くなかったし、それでも少しは改善することができていました。今後の課題としては、予選でしっかりいい結果を出したいですね。

予選10番手からのスタートで、記者会見の場に来る可能性はあまりないのですが、スタートでコースアウトする車両もあったし、また僕自身もブレーキのトラブルもあってペースに苦しむこともありました。

ただその後、クルマの調子が変わり、走りやすくなりました。今回は、他のドライバーとは違うタイミングでピットインしたのですが、コースがクリアになったことでレースラップも良くなりました。

ピットインではリアタイヤを2本変えたんですが、タイミングや2本交換はすべてチームの判断です。後続との差もあったので、リアタイヤを変えたことで、すごくいいトラクションがかかるようになりました。

コースに復帰したときもクリアな状態で戻れたし、前を走る2番手の石浦(宏明)選手から11秒ほどの遅れでした。

もちろん、復帰直後はその差を出来る限り縮めようと思いましたが、今日は2位の結果を残すことができて、本当にうれしいです。

3番手のアンドレ(ロッテラー)やその後ろの関口サンとの差もあったので、今日は良かったと思います。スーパーフォーミュラでの初表彰台になりましたが、これからも頻繁に上がりたいです。

決勝3位 No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)
面白いレース展開でした。ポジションをしっかり上げられました。オープニングラップでは、いろんなところで前のクルマを抜きました。

スタート自体はそんなに良くなかったのですが、1コーナー進入から抜きはじめ、Aコーナー、Bコーナーまででポジションアップすることができました。

ただフェリックス(ローゼンクヴィスト)には及ばなかった。僕は、今回早いタイミングでピットインしたのですが、その戦略はなんら問題がなかったものの、似たようなタイミングでピットインした(中嶋)一貴や関口(雄飛)が僕の前にいて、彼らのペースが遅かったことが問題でした。

でも一貴と関口を逆転してからは、クルマの調子も良かったし、タイヤを交換しませんでしたが、いい走りができました。2位も狙えたでしょうが、12位から3位になれたし、選手権でのポイントも計上できたので良かったです。