9月19日・20日の両日、宮城県村田町にあるスポーツランドSUGOで、SUPER GT第6戦「SUGO GT 300km RACE」が開催される。
高低差があり平均スピードが高く、その上コース幅も広くはない同サーキットでは、これまで何度となくドラマチックな展開を生み“魔物が棲む”と形容された。
第7戦は獲得ポイント×1kg、第8戦(最終戦)はノーウェイトとなるために、獲得ポイント×2kgのウェイトも今回が最後。各車がそれぞれ大きなウェイトを搭載しての戦いでは、誰が魔物を手懐けるか注目が高まっている。
日産陣営にとって今年のシリーズ戦は、第2戦の富士で#1 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生選手/ロニー・クインタレッリ選手組(ミシュラン)と、#12 カルソニックIMPUL GT-Rの安田裕信選手/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手組(ブリヂストン)が、1-2でフィニッシュ。
続く第3戦、タイでは#46 S Road MOLA GT-Rの本山哲選手/柳田真孝選手組(ミシュラン)が事実上のポールトゥウィン。
さらに第4戦、富士では#24 D’station ADVAN GT-Rの佐々木大樹選手/ミハエル・クルム選手組(ヨコハマタイヤ)が見事な追い上げで逆転優勝、とGT-R勢は3連勝を飾ってきた。
そのため、前回の鈴鹿1000kmではウェイトハンディに悩まされたこともあってか、4連勝は叶わなかったが、#12 GT-Rの安田選手組が3位表彰台を獲得。現段階に於いては、依然ポイントリーダーの座をキープしている。
今回の菅生では、#12 GT-Rの安田選手組は100kg分、#1 GT-Rの松田選手組は68kg分、#46 GT-Rの本山選手組は60kg分(それぞれ50kg分は燃料リストリクターで制限)のウェイトハンディが課せられ、#24 GT-Rの佐々木選手組も40kgのウェイトハンディを搭載している。
ただし、こうした条件はライバル陣営も大きく変わらず、実力あるチーム並びに車両はメーカーを問わず、ウェイトハンディが増してきており、見方を変えると、ウェイトを苦としないセットアップやドライビングが試される1戦でもある。
また#12 GT-Rの安田選手組が搭載する100kg分のウェイトハンディは、現行規則となってからの最高記録であり、その影響が、マシン性能に対してどの程度の影響を与えるのか、その推移にも関心が高まっている。
ちなみに、スポーツランドSUGOでは、先の7月下旬に公式テストが実施されており、ウェイトハンディをどう想定するかは各チームそれぞれの作戦によることから、この時点のタイムがそのまま絶対的な評価とはならない。
しかしここで好タイムをマークしていたマシン達は、来る決勝で思いの外躍進してくる可能性は大きい。もちろんそうした意味では、ライバル勢を含め互いの能力を出し切り、全力でぶつかってくるだろう。
一方、ウェイトハンディの軽いチームは、ポイント争いの上ではこの期に確実に優勝を狙いたいところ。
彼等は後半戦のポイントランキングを睨んで、確実に勝ちを、または上位入賞を狙ってくる。
さて同時に、GT300クラスでは、空力の改善やブレーキの強化などで競争力を高めたNissan GT-R NISMO GT3に注目が集まっている。
ここまでの5戦で3勝を挙げ#10 GAINER~#3 NDDP RACINGの順にシリーズランキング1-2を占めている。それぞれ100kg、76kgとウェイトハンディは嵩んでいるが、SUGOはGT-Rが得意としているコース。
特に2011年、このSUGOでGT-R GT3の初優勝を果たした#3 NDDP RACINGには、王座を目指す上で優勝を目指している。