ヴァレオとダイナミックマップ基盤、ADAS技術で連携合意


仏ヴァレオの日本法人とダイナミックマップ基盤(以下、DMP)は2月25日、 互いの自動運転システム開発を促進していくため、ADAS技術のパートナーシップで合意したと発表した。(坂上 賢治)

ちなみにも目下、自動車部品メーカーとしてフランス・パリに本社拠点を置くヴァレオは、そもそも1923年に英フェロード社のフランス支社として設立された企業だ。

その後、自らのヴァレオブランドを掲げ始め、空調システム(1962年から)、電子部品(1963年から)、自動車照明部品(1970年から)、電装(1978年から)と業容拡大。

日本への本格進出は1985年。日本国内に於ける自動車産業再編に乗じ2000年にヴァレオゼクセルエンジンクーリング、ヴァレオユニシアトランスミッションにゼクセルヴァレオクライメートコントロールを加えて合弁会社を設立。

2011年には、自動車部品サプライヤーのナイルスを傘下に収めた。併せて市光工業と事業提携を結んだ後、持ち分法適用会社とした同社を2016年に子会社化した。

一方のダイナミックマップ基盤は、ADAS向け高精度3次元地図データが求められるなか、2016年に産業革新機構が関わりダイナミックマップ基盤企画が設立。

翌2017年に三菱電機・ゼンリン、パスコ、アイサンテクノロジー。インクリメント・ピー、トヨタマップマスターに加え、国内自動車メーカー各社の出資で、ダイナミックマップ基盤となった。

2年後の2019年には、国内の高速道路・自動車専用道の地図データ整備を完了させ、同じく同年に同業の米Ushr(アッシャー)を買収。北米に於いてもHDマップを整備中で、日米を跨ぐ高精度3次元地図のプロバイダーとなった。

また本年からは欧州でもHDマップ整備を計画。今後は、多様化するニーズに応えるため、自動車以外のモビリティ―、防災・減災、インフラ維持管理など、HDマップの用途拡大を進める。

なお2020年には、当時のTRI-ADことトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(現・ウーブン・プラネット・ホールディングス/Woven Planet Holdihgs)と自動運転技術の実証実験で合意している。

ヴァレオ Drive4U
ヴァレオ Drive4U

今回ヴァレオは、自社の日本に於いてローカリゼーション技術とマッピングシステム(Valeo Drive4U Locate)を磨くべく、ADASと自動運転システム向けのLiDAR(Valeo SCALA)やセンサーを搭載したオリジナル車両を用意。

対するDMPは、日本国内に於ける自動運転に必要なHDマップと高精度3次元点群データ(ポイントクラウドデータ)を提供。正確な自車位置推定とHDマップ更新の仕組み作りに於いて、非独占的なビジネスモデルを共同開発していく意向だ。

なお​ヴァレオにとっては、車両が周辺環境を認識し、自車位置をセンチメートル以下レベルの精度で正確に特定させるため、日本独特のインフラ環境や道路環境を捉えられるHDマップは協業上必要不可欠な要素だ。