米国のゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ、以下、GM)は2016年10月25日、米国・デトロイトに於いて2016年第3四半期の業績を発表した。
この2016年第3四半期に於けるGMは、他のすべてのOEMを上回る前年同期比0.4%ポイント増の米国での小売市場シェア拡大を達成し、ATP(Average Transaction Price:平均取引価格)は業界平均を5,000ドル近く上回る35,700ドルに達した。併せて北米では、過去最高の調整後EBITとなり、利益率は11.2%に達している。
この業績について、同社・会長兼CEOのメアリー・バーラ氏は、今季の同社業績について「第3四半期は、米国と中国に於ける力強いパフォーマンスが業績を大きく牽引し、私たちのコミットメントの実現への決意をはっきり反映したものとなりました。
GMは今後、株主への還元をさらに高めるための計画を引き続き実行致します」と語った。
2016年第3四半期の概要(単位:10億ドル、1株当たりの項目は除く)
なお業績面に於ける2016年第3四半期の主なハイライトでは、シボレーブランドで、電気自動車として業界初のフル充電時に238マイルの航続距離を持つモデル「シボレーBolt EV」の価格が37,495ドル(税控除を受けた場合には3万ドル未満)となることを発表。
また同社が開始したスマートカーシェアリングサービスMAVEN(メイヴン)では、Maven City、Maven Residential、およびExpress Driveサービスの提供を米国内の10都市にて開始し、顧客の1,500万マイル近い走行を支援していく。
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加えて再生可能エネルギーについても、2050年までに使用電力の100%を太陽光、風力、埋立地ガスなどの再生エネルギーで生成、まかなうことを発表した。
一方、車両の世界販売台数については、2016年第3四半期、GMは、世界全体で前年同期比3.8%増となる240万台を販売した。
期初(2016年1月)から第3四半期末までの世界規模に於ける販売台数は、前年同期比0.4%増の720万台であったが、期初から9月30日末までのGMは、米国で220万台を販売し、小売でのシェアを0.5%拡大。
その他のいずれのフルラインOEMもその数値が大きく前年比を上回っている。さらに中国での出荷台数は9%増加し、過去最高の270万台に達している。併せて欧州では、Opel/Vauxhallが前年同期比5.1%増の販売台数を達成した。
セグメント別 2016年第3四半期の業績
キャッシュ・フローと流動性(単位:10億ドル)
これらの成果について、GMエグゼクティブ・バイスプレジデント兼CFOのチャック・スティーブンス氏は、「今年度の好調な利益状況に基づき、年間の利益額見通しは達成に向けて順調に推移しています。
また、順調なキャッシュを生み出すことにより、当初の株式買戻しプログラムを予定よりも前倒しで完了することができました」とコメントしている。
来る2016年の通しての見通しは、2016年の下半期に予想される好調な業績に基づき、GMは2016年通年の希薄化後調整後1株当たり利益が以前に発表した5.50〜6.00ドルの範囲の上限に達すると予想。
資本還元は、2016年期初から9月30日までに、18億ドルの普通株配当、並びに15億ドルの株式買戻しを実施。これらによりGMは、当初計画していた50億ドルの株式買戻しプログラムを、計画よりも1四半期前倒しで完了した。
なお生産・販売商品に関わるハイライトは以下の通りとなる。
– 期初から第3四半期末迄に、米国でのシボレーの小売売上高は前年同期比2%増、小売シェアは0.4%ポイント拡大した。
– キャデラックの中国での売上高は、新型SUV「キャデラックXT5」が牽引役となり、前年同期比79%拡大した。
– 期初から9月末までのOpel/Vauxhallの売上高は、22%増となった「オペル アストラ」が牽引役となり5.1%増を達成した。
– 「シボレー マリブ」は、1981年以来米国での最高となる前年同期比16%増の42,441台の小売販売台数を達成した。