2025 FIM(国際モーターサイクリズム連盟)トライアル世界選手権(TrialGP) 第7戦 イギリスGPが9月6日~7日に開催され、レプソル・ホンダ・エイチアールシー(Repsol Honda HRC)のトニー・ボウ選手(スペイン38歳)が、自身の記録を更新する19年連続19回目のシリーズチャンピオンを獲得した。
2025年シーズンのTrialGPは、全7戦14日間でタイトルが争われており、全戦で2日間に渡りレースが行われた。今シーズンのボウ選手は、開幕戦のスペインGPで首位に立つと、第2戦ポルトガルGP以降の第3戦日本GP、第4戦フランスGP、第5戦サンマリノGPまで完全優勝の8連勝を果たし、首位を独走。ランキング2位との差を着実に広げてきた。
最終戦となるイギリスGPの初日のレースでも抜群の安定度を見せ、レース1での減点をわずか3ポイントに抑えて1位を獲得すると、ランキング2位とのポイント差によりチャンピオンが確定した。また、同日のレース2でも1位を獲得、翌日のレース1、レース2でも1位となり、イギリスGPでの完全優勝を果たし、今回のチャンピオン獲得に花を添えた。
ボウ選手は、2007年にHRCのワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で初の世界チャンピオンを獲得して以来連覇を重ね、人工セクションを走破する屋内競技であるFIM X-Trial世界選手権(以下、X-Trial:エックス・トライアル)でも19年連続でチャンピオンを獲得、今回のタイトル獲得により、X-Trial、TrialGPでのチャンピオン獲得回数は通算38回となった。
Repsol Honda HRC トニー・ボウ選手
「完璧な週末でした。1日目にタイトルを獲得し、1日目、2日目ともに2レースで勝利し、さらにパワーセクションも制しました。これ以上のシーズンの締めくくり方はありません。達成できることはすべて達成できたと思いますし、これ以上望むことはないでしょう。
シーズンを通しての安定感と、私たちが積み重ねてきた努力は確かなものでした。ケガもなく、とても良い一年で、シーズンの最初から最後まで安定して競争力を保つことができました。これまでの中でも最高のシーズンのひとつです。チーム、Honda、そしてHRCに感謝したいと思います」
Repsol Honda HRC監督 藤波貴久氏
「今シーズンは素晴らしい瞬間に満ちたとても良いシーズンでした。トニー、ガブリエル、そしてチームはすべてのレースで全力を尽くしてくれて、私はその取り組みにとても満足しています。
全体的に見ても非常にポジティブな一年でした。トニーとともに再びタイトルを獲得し、ガブリエルは初勝利を挙げました。最終戦でも、彼らはいくつかミスをしたものの、ともに高いレベルのパフォーマンスを示して、再び2人とも表彰台に上がることができました。あらためて、Honda、HRC、そしてスポンサーの皆様の1年間の献身に感謝したいと思います」
株式会社ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治氏
「トニー・ボウ選手のトライアル世界選手権における19年連続となるタイトルの獲得に、心より敬意を表します。この前人未到の偉業は、彼の卓越したライディングスキルと不断の努力、そしてチームの献身的な取り組みによって成し遂げられたものです。
トニー選手の挑戦は、世界中のモータースポーツファンに大きな感動を与え、次世代のライダーたちにとっての目標となることでしょう。さらなる記録更新を期待し、HRCは引き続きトニー選手を全力で支援してまいります。最後になりますが、トライアル競技を支え、熱いご声援を送り続けてくださっている世界中のファンの皆様、スポンサーの皆様に心より御礼申し上げます」
トニー・ボウ(Toni Bou)選手のプロフィール
生年月日:1986年10月17日(38歳)
出身地: スペイン
主な戦績:2003年 トライアル世界選手権にデビュー
2007年:REPSOL MONTESA HRCに移籍し、初めて世界チャンピオンを獲得
同年に、X-Trial世界選手権のシリーズチャンピオンも初獲得
2008年~2024年:トライアル世界選手権およびX-Trial世界選手権の両シリーズで各18連覇を達成
2025年4月:X-Trial世界選手権で19連覇
9月:トライアル世界選手権で19連覇(合計38連覇)を達成
Montesa COTA 4RTの概要
エンジン形式:水冷・4ストローク・OHC・単気筒
フレーム形式:アルミニウム製ツインチューブ
タイヤ: 前:21インチ 後:18インチ