マツダ株式会社(本社:広島県安芸郡府中町、社長:小飼雅道、以下、マツダ)は2月4日、ドル・円が116円台で推移する円高基調で、自動車株が続落した同日の株式市場引け後、2016年3月期第3四半期累計の連結決算を発表した。
売上高は、前年同期比16.1%増の2兆5477億9900万円、営業増益は同14.1%増の1733億7000万円で、第3四半期連結決算開示後の同期比で過去最高の数字となった。
車両販売面に於ける世界販売台数は、14%増の114万5000台となり、日本を含む世界全域で軒並み増加基調を維持。結果この面でも過去最高を更新。最終純利益は、税負担増により6%減の1235億円としている。
同社によると「スカイアクティブ技術」搭載車のグローバル販売拡大に加え、「モノ造り革新」による生産現場・開発現場に於ける継続的なコスト改善等(営業損益段階のコスト改善効果は268億円)が純利益減を6%減に止めたとしている。
以上の業績を地域別に見ると、主力の北米は8%増の34万5000台、同じく欧州も一桁増であったが、対して市場低迷が続く日本では15%増の16万3000台。さらに他の地域でも、前年同期比で2ケタの伸びを記した。
例えば中国に於いては、政府の小型車減税政策により、Mazda3(日本名:マツダ アクセラ)の販売が伸びただけではなく、併せて「CX-5」の改良モデルも好調な販売台数を記録している。
オセアニアエリアに於いても、オーストラリアで新型となった「CX-3」などの新モデルの販売台数が増加。ASEANでも、タイやベトナムなどで好調な販売実績を記録している。
加えてサウジアラビアやコロンビアでも販売面の好調さを波及させることに成功し、結果、その他の市場全体で前年同期比27.0%増と云う高い伸びを実現している。
最後に通期の連結営業利益2300億円(前期比13.4%増)、純利益1550億円(2%減)の従来予想を据え置いている(進捗率75.4%)。営業利益は3期連続の最高更新である。
当面の不安要素は為替動向と、それに伴うロシアを含む新興国状勢であり、これらで通期目標である151万5000台(対前年度比8%増)の達成の行方が左右される可能性も残している。
なお経済制裁の解除に伴い、ノックダウン生産によるイラン再進出も検討していると述べた。以上、円ドルの前提レートは1ドル121円としている。