グループPSA(本社:フランス・パリ、CEO:カルロス・タバレス)傘下のプジョーブランドは、新世代C SUVセグメントの新型プジョー 3008を報道陣に向けて公表した。同車は、次回のパリ・モーターショーでワールドプレミアを迎え、プジョーブースの主役として出展されることとなった。
昨今、世界のあらゆる地域で広がりを見せているC SUVセグメントだが、プジョー 3008は、今日の欧州に於いて、ひときわ注目を集める存在になっている。
その理由は、新世代プジョーを体現する「i-Cockpit」を筆頭に、デザイン・設計・装備などを吟味・充実させ、世界に向け拡販を目指すブランドの屋台骨を支えるモデルとなるためだ。
近年、世界の自動車マーケットに於いてSUVは、地域や国という枠を超えて高い支持を集めており、その期待に応えるため、独自の価値を表現してきた。
退屈な移動の時間でさえ日常から解放され、新たな体験を誘う同セグメントには、新しいエクスペリエンスを求める世界のドライバー達に持てはやされている。
そんな “Sport Utility Vehicle” = SUVだが、似た車両が増殖しつつある昨今、ドライバー達の期待を超えるドライビングエクスペリエンスが得られるクルマは、実際にはそう多くはない。
今回プジョーは、新型プジョー 3008でこの期待にあえて挑戦し、C SUVセグメ ントでのポジションを確立することを目指していると云う。
同車り最も大きなセールスポイントは、装いを新たにしたプジョー i-Cockpit(R)にあるだろう。具体的には、まずステアリングホイール径をコンパクト化したことで、操舵し易いドライビングフィールを確保した。
ダッシュボード全体のデザインは、ドライバーの視界と足下のスペースを最大化するためフラットな造形としており、グレードによって異差はあるが、最上位モデルはフルレザー仕様のクローム仕上げ、さらに光沢のあるブラックトリムと、高品位のクオリティを打ち出している。
ダッシュボードの中央には、大型8インチのタッチスクリーンを組み込み、そこに実用性に優れたテクノロジーを盛り込んだ。
ドライバーの手が無理なく届くセンターコンソール上部には、ピアノの鍵盤状の6つのスイッチを並べ、ラジオ、温度調整、ナビゲーション、オンボードコンピューターなど、主要な機能を全て操作可能としている。
併せて高画質12.3インチスクリーンのヘッドアップ・インストルメントパネルを同ブランドとして初搭載している。
これは表示仕様はドライバーの好みに合わせて自由にカスタマイズすることが可能で、運転時に個々のドライバーが必要と望む全ての要素が視界に野中に集めることができる。
ディスプレイモードは5種類を用意。モード切替はステアリングホイールのボタンで操作が可能だ。これにより、ドライバーは好みのツールを自在に配置することが できるようになった。
タッチスクリーンで選べるパーソナルモードでは、ドライバーサポート、インストルメントパネル、トリップコンピューターなど、様々な表示をすることができる。またそれぞれの視覚効果は、アニメーションなどで見やすく演出されている。
i-Cockpitドライビングエクスペリエンス例は以下の通り
- 視覚:照明の明るさとスクリーンのカラー調整
- 聴覚:イコライザー設定
- 触覚:シートに内蔵されたマッサージ機能(5つのタイプを設定可能)
- 嗅覚:フレグランス・ディフューザー
いずれを通してもドライバーは感覚的な体験を楽しむことができ、ドライビングプレジャーをより愉しめるようになったとしている。
ドライビングスタイルでも、ダイナミックな「ブースト」、優しいドライビングを提供する「リラックス」から選ぶことができる。このふたつのテーマは、好みに応じて設定可能だ。
洗練されたエクステリアデザイン
新型プジョー 3008のインテリアデザインは、同車独特のテイストはそのままに、より上質感を高めた仕上がりとしている。その新たな要素と特長は以下の通りだ。
- 直立したフロントエンド
- 長くフラットなボンネット
- 高いウェストライン
- ワイドなプロテクトパーツ(バンパースカート、ホイールアーチなど)
- 大径ホイール – 高めにデザインした地上高
- 洗練されたルーフバー
新型プジョー 3008は、アドバンスド・グリップ・コントロールを引継ぎ、オフロードへの本格的な対応力を持つSUVとしての特長を受け継いでいる。強化したトラクションシステムには、以下の特長がある。
- 5つのレベル(ノーマル、スノー、マッド、サンド、OFF)をセンターコンソールのノブで操作し最適化するグリップコントロール
- 独自の18インチM+S(マッド&スノー)タイヤを装着
- ヒル・アシスト・ディセント・コントロール(HADC)
※上記は新しい下り走行のアシスト機能で、急な坂道でも車両を安全にコントロールする。これにより走行が不安になるような環境、或いは超低走行(時速3km)に於いても、車両の安全をキープする。
同機能は、センターコンソールにある専用ボタンでコントロールする形とした。
ドライバーアシストシステム機能
コンパクトなステアリングには、様々なドライバーアシスト機能の「新ADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム)」が搭載されており、SUVが持つダイナミックな性能を素早く発揮できるようにした。
- アクティブ・セーフティ・ブレーキとディスタンス・アラート
- アクティブ・レーン・デパーチャー・ウォーニング
- ドライバー・アテンション・ウォーニング
- スマートビーム
- スピードリミットサイン・リコグニッション
- アダプティブクルーズコントロール(オートマチック・トランスミッションモデル)
- アクティブ・ブラインドスポットモニターシステム
※上記は市街地走行時に、360°ビジョンと新世代のパークアシストが様々な状況に備えてドライバーをサポートするもの。
室内空間およびラゲッジスペース
室内空間およびラゲッジスペースを先代モデルよりもさらに広げ、十分なスペースを確保した。
また、テールゲ ート下の地上高はトップクラスの低さを確保した。総じてEMP2プラットフォームの効果により、重量/容量/装備の配分を最適化。
車重では、先代モデルと比べ平均100kgの軽量化を実現した。新型プジョー 3008 の車両重量は、ガソリン車で 1325kg、ディーゼル仕様で1375kgである。
また、エアロダイナミクスのデザインと外形寸 法の最適化にも取り組んだ他、17インチ、18インチの他、19インチ(205 55 R19)を装着しても、走行性能が充分に発揮できるよう進化させている。
4タイプのパワーユニットを搭載
パワーユニットは、欧州市場に於いてガソリン車もディーゼル車も、パワフルかつ超低燃費のユーロ6.1エンジ ンを搭載したラインナップから選択可能だ。
選択可能なパワートレーンは4つタイプで以下の通り
- 1.2L ピュアテック130ps 6速MT(マニュアルトランスミッション)の標準および超低燃費仕様
- 1.2L ピュアテック130ps 6速AT(オートマチックトランスミッション)
- 1.6L THP 165ps 6速AT
なおディーゼル車には、BlueHDiテクノロジーにより、このレンジのCO2排出量を大きく軽減させた。1.6L BlueHDiと 2.0L BlueHDiも高水準である。
- 1.6L BlueHDi 100ps BVM5
- 1.6L BlueHDi 120ps 6速MTの標準装備、および超低燃費仕様
- 1.6L BlueHDi 120ps 6速AT
- 2.0L BlueHDi 150ps 6速MT
- 2.0L BlueHDi 180ps 6速AT
生産体制
NEW プジョー 3008は、フランスのソショー工場で製造、パワートレーンは国内のトレムリーと、ドゥブランのエンジン工場から供給される。
また先の通りで、新型プジョー 3008は、2016年のパリモーターショーで世界初公開をし、10月から世界各国で販売を開始する。 ※日本導入は2017年予定となっている。