スズキ、新型スイフト発売。さらなる軽量化で120kg減の筋肉質に。1月3日より全国で初披露開始


スズキ株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:鈴木俊宏、以下、スズキ)は12月27日、都内・港区のホテルに於いて、かつて小型乗用車造りに於いて、スズキの評価を高めた「スイフト」の全面改良を発表し、同車を2017年1月4日より発売する。一般に向けての車両初披露の機会は事実上、年明け1月3日の初売り祭でのデビューとなりそうだ。

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今回全面改良を行なった新型「スイフト」は、世界で累計530万台(※1)を売り上げた歴代スイフトが磨き続けたハンドリング性能の向上に加えて、今回パワーユニットは、先にソリオで搭載したハイブリッドをあえて搭載せず、まずはマイルドハイブリッドに最適化させた。

またクルマ造りに於ける拘りはそこではなく、車体剛性の大幅向上に併せ、徹底的な軽量化にこだわった。

このため、まずは骨格部位の高剛性(980Mpa超高張力鋼鈑を先代比3倍・780Mpa超高張力鋼鈑を先代比2倍に引き上げた)に取り組みつつ、スズキとしては全く新たなプラットフォームコンセプトを打ち立て、今回はBセグメント専用に開発された「ハーテクト(HEARTECT)」を開発・採用した。

都内ホテルに於ける発表会見での新型スイフトと鈴木俊宏社長

この新プラットフォームのハーテクトは、ここの所の同社の骨格造りの手法を、統一思想としてまとめ上げ標準化させたもの。

具体的には、強度的に屈曲率の強い構造部材を滑らかかつ、可能な範囲に関しては極力直線的につなぐことで、全体の構造そのものを合理的かつシンプルな形状としている。

また骨格部位同士が結合する部分は積極的に利用し、そこを強度の掛かる部品の固定に利用する等によって、補強部材の追加を細かく削減。

この結果、今回のスイフトについては、骨格部位全体の範囲だけでも約30kgの軽量化を実現している。

さらに車体全体では、各部機能部品や足まわり部品、サスペンションアームやフロアハブユニットに至るまで、剛性が必要部分は、むしろ肉厚を増して強度を高めつつ、その必要が無い所に関しては、航空機のような涙ぐましい程の肉抜きなどを行っており、そうした乾いたタオルを絞るように努力を重ねた末、このクラスの軽量車体にも関わらず、前代モデル比で120kgもの軽量化を果たしている。

さらに熱効率の向上によって、低燃費を追求した1.2L自然吸気のデュアルジェット エンジンにより、優れた走行性能と燃費性能を両立した。

また「RSt」には、1.0L直噴ターボのブースタージェット エンジン(無鉛レギュラーガソリン対応)と6速ATを採用し、力強い加速感の得られる動力性能と、優れた燃費性能を両立させている。

加えてスズキ初の装備として、これまでの日立グループ製から、トヨタセーフティセンスCに準じた独・コンチネンタル製の単眼カメラとレーザーレーダーによる衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」を採用した(但し制御ソフトウエア自体はスズキによる独自開発 ※2)。

なお周囲の状況に合わせて自動でハイビームとロービームを切り替えるハイビームアシスト機能(※2)も付加。

前走車との距離を一定に保つアダプティブクルーズコントロール(ACC)(※2)なども装備し、安全装備と運転をサポートする機能を充実させるなど、装備面では大幅な進化を遂げている。

この新型「スイフト」は、先代と同じく高い走行性能でスズキのブランドを牽引する代表的なグローバルコンパクトカーとして位置付けられているものの、まずは今回、日本から発売を開始する。

ちなみに国内向けは、静岡県牧之原市の相良工場で生産される見込み。少なくとも国内に於ける車両生産については、車両セグメント毎に生産地域の集約化が整いつつあり、より効率的な生産体制を目指しているようだ。

なお今後、先代と同じく日本からの輸出に頼るということでなく、海外複数拠点での生産・販売も計画している。

新型「スイフト」の主な特長
(1)スイフトのDNAを継承しながら大胆に進化したデザイン
(2)プラットフォームの一新により大幅に向上した走行性能
(3)マイルドハイブリッドと新エンジンがもたらす走りと低燃費の両立
(4)数々の先進安全技術と優れた使い勝手
販売目標台数(月間) 3,000台

(※1)2016年11月末現在、スズキ調べ。
(※2)セーフティパッケージとしてメーカーオプション設定。XGを除く。

メーカー希望小売価格(消費税8%込み)

* 2WDは前輪駆動。
* 価格には、リサイクル料金、保険料、税金(除く消費税)、登録等に伴う費用は含まれない。
* 環境対応車普及促進税制による自動車取得税の減税措置は平成29年3月31日新車登録、自動車重量税の減税措置は平成29年4月30日新車登録まで。

* メーカーオプション(価格は消費税8%込み)

新型「スイフト」の主な特長
(1)スイフトのDNAを継承しながら大胆に進化したデザイン

【エクステリア】
スイフトらしいスタイリングを継承しながら、重心の低いプロポーションと躍動的なフォルムの全く新しいスイフトへと進化させた。

実際には当初、デザイン案として昨今のスズキ流のデザインコンセプトを踏襲したものに加え、ワイド&ロータイプ、ホットハッチ的なデザインスタディなど五案ほどのスケッチを起こし、結果、先代からのシルエットを踏襲しつつ、今回のスタイリングに落ち着いたようだ。その訴求ポイントは以下の通りとなる。

  • フェンダーの張り出し感を強調し、力強さと安定感のあるスタイリングとした。
  • 大開口フロントグリルを中心としたフロントマスクで力強さと存在感を表現した。
  • 縦基調のデザインを継承した前後灯火類に、LEDランプを採用し先進感を表現した。(LEDヘッドランプ・ポジションランプはXG、XLを除く)

  • ピラーをブラックアウトした一体感のあるガラスエリアにより、先進感のあるフローティングルーフを実現した。
  • リヤドアハンドルをCピラーガーニッシュに配置することで、2ドアクーペのようなスタイリッシュなサイドビューとした。
  • 鮮やかさと深みの両立を実現した新色の赤「バーニングレッドパールメタリック」と、青「スピーディーブルーメタリック」の2色を加えた全9色の車体色を設定した。
  • 「RS」「HYBRID RS」「RSt」は、精悍な印象のフロントグリル、フロント&リヤバンパー、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラーを専用開発。リヤフォグランプや、切削加工とブラック塗装を施した専用16インチアルミホイールも装備した。

【インテリア】
ドライバーを中心としたスポーティーかつ操作性に優れた構成とし、さらに高い質感と先進感を表現した。

インテリアに関しても、古典的なスポーツカーフィールを取り入れたものから、比較的コンサバティブなもの、キャラクター性を強く打ち出したものなど、4案を抽出し、結果、無駄なボリュームを除きつつ、ドライバーオリエンテッド(運転者志向)な先代スイフトからのDNAを引き継いだものとした。

  • ナビゲーションパネルやエアコンの操作系を運転席側に5度傾けて配置し、スポーティーな印象と操作性を両立した。
  • メーター、ホーンパッド、エアコンルーバー、エアコンスイッチなど、機能部品を円筒モチーフで統一した。
  • 円筒形状のメーターは、スピンドル加工を施した盤面や、水温計・燃料計をメーター内に配置したデザインなどにより、スポーティーかつ高い質感を実現した。

  • 操作性、乗降性にも貢献するスポーティーなD型ステアリングホイールを採用した。
  • 肩部から座面に至るまで立体的な造形とし、ホールド性と高い
  • 質感を両立したスポーティーなフロントシートを採用した。
  • 高精彩の4.2インチ大型カラードット液晶のマルチインフォメーションディスプレイをメーター中央に採用した。様々な走行関
  • 連情報やエンジンのパワー/トルクの情報などを、視覚的にわかりやすく表示。(HYBRID ML、HYBRID RS、RSt)
  • 「RS」「HYBRID RS」「RSt」は、センターコンソール、ステアリングホイール、シフトブーツ、専用ファブリックシート表皮にシルバー加飾やシルバーステッチを施し、スポーティーかつ洗練された内装空間を演出した。
軽量高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT」

(2)プラットフォームの一新により大幅に向上した走行性能
軽量化と高剛性を両立した新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用。

  • 走行性能と燃費性能の向上に加え、居住性と積載性の両立にも大きく貢献。ボディーやエンジン、足まわりなど車両全般にわたり徹底した軽量化を図り、従来モデル比で120kg(※3)の軽量化を実現した。
  • 初代から継承する優れたハンドリング性能としなやかな乗り心地を両立させるため、サスペンションを新設計するとともに、レイアウトを刷新した。
  • フロントシートは座面形状とバネ配置の最適化、高性能低反発ウレタンの採用、サイドボルスターを高くすることにより、着座時のフィット性、振動吸収性、旋回時のホールド性を強化した。
超高張力鋼板使用範囲
  • ステアリングフィールについては、高い応答性とリニアな操舵感が得られる可変ギヤレシオステアリングを採用している。操舵チューニングに関しては、欧州各国で走り込みや性能確認を実施。運転する愉しさに磨きをかけた。
  • なお可変ギアレシオであるため、実際の操舵フィーリングについては、屈曲の異なるカーブや、負荷の強弱の掛かり具合を勘案して、運転者自身のフィーリングに合っているかを慎重に確認されたい。
  • ちなみに「RS」「HYBRID RS」「RSt」は、速度域の高い欧州の道路環境を想定し、フラットでしっかりとした乗り味と直進安定性を発揮するチューニングを施したとしている。
    <欧州チューニング ショックアブソーバー>
    減衰力を硬めに設定し、上下動を抑えてボディーコントロール性を向上させた。
    <欧州チューニング タイヤ>
    剛性を高め、操舵時の応答性とリニアなグリップ感を向上させた。
    <欧州チューニング 電動パワーステアリングコントローラー>
    直進安定性や操舵感を重視し、ハンドル操作をより手応えのあるチューニングに設定した。
    (※3) 先代スイフトXG 2WD 5MT車と新型スイフトXG 2WD 5MT車との比較。

(3)マイルドハイブリッドと新エンジンがもたらす走りと低燃費の両立
加速時にモーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッド

ISG
  • 1.2L自然吸気エンジン搭載車には、ISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせた独自のマイルドハイブリッド搭載車を設定し、2WD車で27.4km/L(※4)の低燃費を実現した。
専用リチウムイオンバッテリー

(※4)燃料消費率JC08モード走行(国土交通省審査値)

  • 減速時のエネルギー回生やアイドリングストップ後のエンジン再始動をISGが行ない、無駄な燃料消費を抑制。さらに最長30秒間のモーターアシストによってエンジンの負担を軽減し、さらなる燃費向上を実現した。
    *ISG=Integrated Starter Generator(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)

K12C型デュアルジェット エンジン

  • 熱効率をさらに向上させた1.2L自然吸気のK12C型デュアルジェット エンジンを搭載した。
  • 燃焼改善技術により圧縮比を12.0から12.5まで上げて熱効率を高めるとともに、冷却性能向上や混合気最適化などによりノッキングを抑制した。
  • 低回転域でのトルクの向上に加え、フリクション低減やエンジンの軽量化およびコンパクト化により高い次元で優れた燃費性能と力強い走りを両立した。

K10C型ブースタージェット エンジン

  • 「RSt」には燃費とパワーを両立する1.0L直噴ターボエンジンを搭載。直噴化と過給器(ターボチャージャー)により、1.0Lの小排気量ながら、1.5L自然吸気エンジン相当の高出力、高トルクを実現。街乗りから高速走行まで、幅広いシーンで扱いやすく優れた性能を発揮する。*使用燃料は無鉛レギュラーガソリン。
  • トランスミッションは、ダイレクトなシフトレスポンスを味わえる6速ATを採用。

(4)数々の先進安全技術と優れた使い勝手
単眼カメラとレーザーレーダー方式の先進安全技術
以下の安全機能と装備をセットでメーカーオプション設定した(XGを除く)。

<デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)>
スズキ初採用となる単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」をはじめ、誤発進抑制機能(5MT車を除く)、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能と、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシスト機能(スズキ初)を搭載した。

<アダプティブクルーズコントロール(ACC)>
先行車との速度差や車間距離を測定し、あらかじめ設定した速度(約40km/h~約100km/h)で先行車との車間距離を保ちながら自動的に加速、減速し追従走行する。

<運転席センターアームレスト(5MT車を除く)>
衝突時の衝撃を効率よく吸収、分散する軽量衝撃吸収ボディー TECT[テクト]を採用。

優れた衝撃吸収性を発揮
脚部保護に配慮したフロントバンパーなど、歩行者傷害軽減ボディーを採用した。SRSカーテンエアバッグ&フロントシートSRSサイドエアバッグ。リヤシートベルトフォースリミッター&プリテンショナー(左右2名分)にも対応している。

ゆとりある乗員・荷室空間
新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」により、ゆとりある乗員スペースと荷室スペースを確保した。

使い勝手では、フロントドア、リヤドアの開口高を拡大し、十分な乗降性を確保した。

なおポイントはリアドア足元の開口部にある。開口具合については、個々のドライバーや家族並びに仲間と車両をどのように使うかで異なる。

試乗の機会を得た場合、このあたりの使い勝手について、日常の利用シーンを考えて、慎重に吟味されたい。

荷室開口地上高は80mm(※5)低くなった。これにより荷物出し入れ時の使い勝手が向上している。

荷室空間のボリュームについては各位、利用環境から実用性について吟味されたい。(※5)先代スイフトとの比較。

– スマートフォンとの連携に優れた全方位モニター付メモリーナビゲーションを搭載。
– 俯瞰映像を表示する全方位モニター付メモリーナビゲーションをメーカーオプション設定した(XGを除く)。
– スマートフォンと連携して多彩なサービスが利用可能なApple CarPlayとAndoroid AutoTMに対応した。
– またより高精度の渋滞回避案内等が可能となるVICS WIDEに対応した。*なおスマートフォンの機種、ソフトウェアによっては、別売りのケーブルが必要になる。

「スイフト」WEBカタログ
http://www.suzuki.co.jp/car/swift/ 
カタログ請求
https://krs.bz/suzuki/m?f=166