スタンレーと三菱電機、車載用ランプ事業分野で提携


スタンレー電気 (本社:東京都目黒区、代表取締役社長:北野隆典)と三菱電機 (本社:東京都千代田区、執行役社長:杉山武史)は12月25日、車載用ランプシステム事業の共同取り組み(開発・設計・製造・販売)で合意。業務提携契約の締結を行ったと発表 した。

近年、車載用ランプ製品は、ADAS(先進運転支援システム)など自動運転社会の実現に向けて、例えば前照灯の光を自車の位置情報信号として活用できるようにするなど、単なる照明としての役割や〝止まる〟〝曲がる〟などのアナログ的な意志表示の枠を超える機能の高度化が求められている。

そうしたなか両社は、今回の業務提携を通じ、スタンレー電気としては自らの強みである〝光学設計技術〟や〝車載用ランプ
製造技術〟を。対して三菱電機は自社の強みである〝先進制御システム技術〟を組み合わせるなどで、従来よりも高い安全性と機能性を有する車載用ランプ製品の実現を目指したいという意志を持っている。

そこで両社は、互いの協業を以て車載用ランプの事業領域を拡大させると共に、操業以来不変の目標である〝交通死亡事故ゼロ〟を目指すことを介して、安全安心な社会の実現に貢献していきたいと話している。

なお業務提携の内容は以下の通り

契約締結日:2021年1月上旬

契約要旨1(車載用ランプシステム事業の大枠)
– スタンレー:光源、光学およびランプ本体の開発を担う。
– 三菱電機:灯火・配光制御ユニットの開発を担う。

契約要旨2(次世代ランプ向け制御システムの共同開発)
– スタンレー:光源、光学およびランプ本体の開発を担う。
– 三菱電機:灯火・配光制御、車輛制御技術の連携を進める。

契約要旨3(次世代アブリケーションの共同開発)
– 三菱電機の光学技術DPMに係る(光学モジュール)車載アプリケーション開発を推進する。

双方の会社概要は以下の通り

スタンレー電気株式会社
代表者名:代表取締役社長 北野 隆典
所在地:東京都目黒区中目黒2-9-13
TEL:03-6866-2222(代表)
主な事業内容:自動車用電球およびその他の電球、半導体、電子部品およびその他の電気機械器具、自動車電装部品およびその他の自動車用品、計量器、医療機械器具、その他機械器具の製造、販売ならびに輸出入他。

ちなみにスタンレー電気の創業は、1920年(大正9年)12月29日。現企業の設立は1933年(昭和8年)5月5日。創業者の北野隆春(きたの たかはる)氏は、1891年(明治24年)5月24日、山梨県東八代郡境川村(現・笛吹市)にて出生。

同氏は、明治大学を経て1920年12月29日、30歳の時に東京市芝区(現・東京都港区芝)に住居兼店舗を借り、自動車電球を主力(1907年のT型フォード本格製造から間もない時期)に特殊電球の製造販売会社「北野商会」を起こす。

後に資本金50万円で株式会社に法人改組した際、自ら掲げた〝スタンレー〟という企業ブランドは、アフリカ各地の探検やコンゴ自由国建設への貢献などで活躍したイギリスの探検家、ヘンリー・モートン・スタンリー卿(1841~1904年)にあやかった。

同社はその後、子息らが経営を引き継ぎ、2020年3月31日時点の連結社員数17,121名。単体3,713名を抱える企業に成長した。

三菱電機株式会社
代表者名:執行役社長 杉山 武史
所在地:東京都千代田区丸の内2-7-3
TEL:03-3218-2111(代表)
主な事業内容:電力システム、交通システム、ビルシステム、FA システム、自動車機器、宇宙システム、パワーデバイス、空調冷熱システムなどの開発・製造・販売。

対して三菱電気は、1871年(明治6年)に土佐藩が大阪で経営していた九十九(ツクモ)商会を、土佐藩士であった岩崎弥太郎氏が買い上げた後、1873年に三菱商会と改称したことが三菱グループの起源となる。

現在のスリーダイヤのブランドマークは、創業時の九十九商会が船旗号として採用した三角菱が原型。 これは土佐山内家の家紋「三ツ柏」に由来すると言われる。

三菱商会はその後1917年に三菱造船(現 三菱重工業株式会社)として独立。さらに1921年に三菱造船の電機製作所を母体として、神戸で三菱電機株式会社が創立された。

現在は、産業用ロボットやタービン発電機、人工衛星や鉄道車両用電機品、エレベーターの他、社会基盤装置を手掛ける総合電機メーカーとなっている。