NEXCO西日本、新幹線用トンネル覆工表面検査システムを共同開発へ


NEXCO西日本(本社:大阪市北区、代表取締役社長:石塚由成)とJR西日本(本社:大阪市北区、代表取締役社長:来島達夫)は11月29日、新幹線のトンネル覆工点検をより効率的に実施することのできる新幹線用トンネル覆工表面検査システムの技術開発に着手すると発表した。

この両社協業に共同による技術開発に至った経緯は、平成16年よりNEXCO西日本が高速道路の安全・安心を確保するため、トンネル覆工コンクリートの状況を確認することを目的にトンネル覆工点検システムを開発。既に同システム運用を行っていることにある。

対してJR西日本では、2002年(平成14年)から「新幹線用トンネル覆工表面検査システム(通称:SATUZO)」を導入。以降14年目を迎えている。

Photographer:Tennen-Gas

そこでJR西日本は、より効率的にトンネル覆工点検を行うため、NEXCO西日本が保有する「道路トンネル覆工点検システム “eQドクターT”」の技術をベースに、新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」を開発することになった。

これを踏まえNEXCO西日本とJR西日本の両社は、2017年11月9日に共同開発協定を締結。今回の共同開発に至った。

ちなみに具体的な開発ポイントは、高速道路と新幹線の異なる主な特徴に、横断勾配(カント)の違いや営業時間外での点検等の項目が挙げられる。

この横断勾配(カント)の違いによるカメラフォーカスや照明方式の違い、さらに設計速度が異なるため、横断方向の傾きの変化量が新幹線と比べると小さい(約6%以下)ことがある。
加えて先の通り設計速度が異なるため、横断方向の傾きの変化量が高速道路に比べると大きくなる(約14%以下)。

もうひとつは、他の設備診断システムと合わせて車両に搭載するため搭載スペースに制約があることなどがある。

このため今後、NEXCO西日本とJR西日本は、開発の異差等を観点に、概略検討及び設計検討等に計画的に取り組み、可能な限り早期に「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の実用化を目指していく。

さらに、今後も双方が保有する技術の相互交流によって、広く社会インフラの維持管理に活用するための技術開発に取り組んでいくとしている。