平成27年度重量車燃費基準+10%達成車の展開拡大
独ダイムラー傘下の三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:マーク・リストセーヤ、以下 MFTBC)は、省燃費性能を高め、インテリア等を改良した新型小型トラック「キャンター」2016年モデルを、4月26日より全国の三菱ふそう販売会社及び三菱ふそう地域販売部門から発売した。
同社の「キャンター」は1963年にデビュー、1973年に初のモデルチェンジを行った後、6代目の途中にあたる1996年にLPG車。1997年にガソリンエンジン車を投入。
2010年には初のモデルチェンジを実施。2012年に小型トラックの世界戦略車として「キャンターエコハイブリッド」を投入した。
同車は12.8km/lというクラストップの燃費性能と、ポスト新長期規制をクリア。商用車として初めて「2013年RJCカーオブザイヤー特別賞」を受賞している。
以来、走行環境など多彩な利用ニーズ対応できる燃料ラインナップが完成させる迄、8回に亘るモデルチェンジを繰り返して、今2016年モデルに至っている。
スタイリッシュで機能的なインテリアを採用
最新モデルは、燃費性能をさらに高めることにより、こうした貨物車両を利用する事業社の企業経営へ直結する「ランニングコスト削減」を目指して、エンジンのリファインを実施。
同クラスのトラックセグメントに於いて、国内トップの燃費性能を奪還するべく省燃費性能を追求するため開発された。
併せて貨物車両特有の待機時間を包括する長時間を、運転席で過ごさねばならないプロのトラックドライバーのため、2010年以来、実施してこなかった内装の改善に着手。
室内をブラックとシルバーを基調とし、落ち着きのある快適な居住環境を構築した。
ここで以上の上記詳細を個々に追っていくと、まずパワーユニットを三菱ふそう並びに、ダイムラー・ベンツ 社、フィアット・パワー・トレーン社の3社により共同開発された4P10型エンジンをベースに刷新。
この現行ユニットは、排気量2998cc、直列4気筒DOHC16バルブの直噴コモンレールインタークーラーディーゼルターボエンジンであり、元々PMを低減する再生制御式DPFや、小 型トラッククラス初の尿素SCRシステムBluetec®(ブルーテック)システムを搭載していたが、今回はこのユニットに対しての基本仕様の変更を最小限に留めつつ、主にエンジンのチューニングの改善で燃費の向上を目指している。
併せてさらなる低燃費を実現するため、トランスミッションやディファレンシャルギアのギア比、タイヤ径などを考慮してドライブラインのギヤ比を含めた駆動輪末端までの動力伝達系に及ぶシミュレーションを行い、徹底したチューニングを施している。
室内収納スペースを拡大し居住性を向上
一方、内外装では最も開発コストが掛かるシートに於いて、機能面で利用ユーザーから高評価を得ている部分を踏まえて、外観上のクオリティ向上に取り組んだ。
実はシートの実用機能に関しては、同社による調査で「見た目が悪いと座り心地も悪く感じてしまう」ことを課題として捉え、外観から与えるリッチ感を高めると共に、着座状態のホールド性に拘った。
さらにキャビンデザインは上記の視覚的効果により快適性確保に拘り、モノトーンからツートーンに変更。各所にクロームを配したり、LEDルームランプを採用するなど細やかなブラッシュアップを実行している。
同社によると、キャビンデザインに関しては同社一連のラインナップに於ける統一感を出すため、キャビンカラーは、スーパーグレートVシリーズと同じグレー色としている。
ただ仕様上では同じでも、人間の目には同じ色に見えないため、細やかな色調調整を行い、ユーザーに訴求できる統一感の維持に応えたと云う。
安全面では、日々の仕事をより安全に、軽快にすすめるためにセーフティ機構として同社が命名した「ブレーキオーバーライドシステム」を充実させている。
この機能は、フェールセーフ(誤操作回避)のひとつとして、アクセルペダルを踏んだままブレーキペダルを踏んだ際にブレーキを優先させる制御システムだ。
システム内容は、ABSの機能に空車・積載時に関わらず前後輪の制動力配分を最適にコントロールして安定したブレーキ力を確保するEBDをプラスしたものだ。
同社の開発スタッフは、「販社向けに実施した説明会で、セールススタッフから好反応を得ており、販売促進に向けた手応えを感じております。
また、新型車両にはスタンダートとカスタムの2グレードがあるのですが、スタンダードがグレードアップしたのでカスタムにもクロームパーツを増やすなど変更を実施しました。こちらも自信を持って提供できる商品に仕上げました」と述べている。
さらに、MFTBC副社長・セールスジャパン本部長 三輪為夫氏は、「この新型キャンターは、ハイグレードなインテリア、疲れ難く快適性を高めた新型シートなど、居心地の良い居住空間を実現しました。
このキャンターに乗りたい、また乗ることでステイタスを得られる、そう感じて頂ける商品に仕上がったと自負しております。
他方、事業者様にとって重要な燃費の面においても、クラストップの低燃費を実現し、燃料コスト削減に貢献できる自信作です。
三菱ふそうは、お客様が弊社製品を所有すること、乗ることに誇りを持てると同時に、省燃費技術による生涯保有コストを低減できる商品を、今後も開発・提供して参ります」と述べ、今回の新型キャンター刷新に関する市場評価に関して並々ならない自信を見せている。
三菱ふそう発表の主な製品概要は以下の通り。
【1.商品特長】
(1)国内トップレベルの省燃費を実現(小型ディーゼルトラック)
新型「キャンター」は、省燃費性能に定評のある4P10型エンジンのポテンシャルをさらに引き出すため、エンジンのみならず車両トータルとしてのチューニングを施し、燃費効率を向上し、国内トップレベル※1の省燃費を実現した。
具体的にはISS(アイドリングストップ&スタート)付き車のほとんどで、平成27年度重量車燃費基準+10%を達成。(エンジン出力129kW、最大積載量3.5t超~7.5t以下の車両を除く) その他車両も全車で平成27年度重量車燃費基準+5%も達成している。
これにより、自動車重量税と自動車取得税が、それぞれ減税※2となった。
※1:国土交通省審査値 重量車モード燃費値、車両総重量5トン~7.8トン・最大積載量2トン~4トン超クラス(ハイブリッド除く)三菱ふそう調べ(2016年3月)
※2:実施時期は以下
自動車取得税:平成29年3月31日までの登録車
自動車重量税:平成29年4月30日までの登録車
4P10型エンジン(直4インタークーラーターボ)総排気量 2,998cc
(2)スタイリッシュで機能的なインテリアを採用
室内はブラックとシルバーを基調とする、ラグジュアリーな内装へ一新した。ハイグレードな室内はドライバーの疲労を軽減し、運転にゆとりをもたらす。
運転席シートにはサイドサポートを採用し、ホールド性を向上するとともに、座面クッションを拡大し、疲れにくく快適な運転環境を提供した。
(3)室内収納スペースを拡大し居住性を向上
オーバーヘッドシェルフやフロアコンソール、センタートレイ&マガジンラックなど、従来はCUSTOM仕様に装備されていた収納を標準装備。収納スペースが拡大し、室内の作業性が向上し、使い勝手の良い居住空間を実現した。
(4)ヒルスタートアシスト機能を搭載(DUONIC2.0搭載車)
DUONIC2.0搭載車には、坂道発進時のずり下がりを抑える「ヒルスタートアシスト機能」を標準搭載した。ブレーキペダルから足を離しアクセルペダルを踏むまでの間、一時的にブレーキ力を保持する。
(5)デュアルクラッチ式AMT(Automated Manual Transmission) 「DUONIC2.0」
2015年9月よりDUONIC2.0へバージョンアップしました。デュアルクラッチの改良などを行い、信頼性・快適性・操作性を向上しさらに進化させた。併せてシフトショックを大幅に低減し、スムーズな走りも追求した。
このDUONIC2.0は、2つのクラッチを瞬時に切り替えることで動力の伝達効率を最大限に高め、優れた省燃費と乗用車感覚の走りを実現する。
(6)CUSTOM仕様の外装をさらにグレードアップ
新たにメッキコーナーパネルとフォグランプをCUSTOM仕様に追加した。
(7)フロントグリルにエコブルーをデザイン
FUSOトラックのアイデンティティー統一をはかるため、フロントグリルにエコイメージのブルーラインを配した。
【2.キャンター 360°インテリア エクスペリエンスサイト開設】
新型「キャンター」の内装が360°の視点で体験できる、「キャンター360°インテリア エクスペリエンス」サイトを開設した。
キャンター 360°インテリア エクスペリエンス サイト
URL : http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/truck/canter/lp.html
車両スペック及び東京地区販売価格
– 車型 : TRG- FEA50
– エンジン型式 : 4P10(T4)
– エンジン出力 : 110KW(150PS)
– トランス ミッション : 6速 DUONIC 2.0
– 主な仕様 :
キャブ付きシャシー
アイドリングストップ&スタート付き
ヒルスタートアシスト機能付き
– 価格 : ¥4,299,480- (消費税含む:税率8%)