ミラノモーターサイクルショー、日本メーカー出展概要


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いよいよイタリア現地の11月19日より、EICMAことミラノインターナショナルモーターサイクルショー(73th International Motorcycle Exhibition)が一般公開となる。

同ショーの略称「EICMA」は、イタリア語でEsposizione Internazionale Ciclo Motociclo e Accessoriの頭文字を取ったもの。

多くのファンに通称「ミラノショー」と呼ばれ、ヨーロッパの人々に心から親しまれているが、その実、世界で最長老にあたる歴史と権威あるモーターサイクルショーのひとつでもある。既に、その開催年は昨年2014年度で100年を迎えており、今年2015年からは新たな100年を再び刻み始めた。

そんなミラノショーも昨今、年々規模が拡大されてきた。特に2005年から新しいエキスポ会場に開催場所を移してからは、さらに展示面積が拡大。もはや一般的な日本人が想像できないほどの大規模な二輪モーターショーとなっている。

例えばその規模を出展社数で表現すると、およそ1,200社超。とても1日では、全部を観て回ることはできない程。まさに心底ヨーロッパと日本の二輪文化の違いを感じる展示会である。

EICMA2015 http://www.eicma.it/

21世紀を迎えた今日、オートバイだけの国際展示会は、フランスのパリサロン、ドイツのインターモト、イギリスのバーミンガムショーなども複数存在しているものの、ミラノショーが名実共に世界ナンバーワンの2輪車ショーと云えるだろう。そんな同ショーに、日本メーカー4社は以下を筆頭とする車両を出展する。

【ホンダ】
本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下、ホンダ)の英国現地法人であるホンダモーターヨーロッパ・リミテッド(本社:バークシャー州ブラックネル、社長:神子柴 寿昭)は、現地時間の11月16日(月)午後8時に、ミラノショーに於ける出展概要を発表した。

その概要は未来を見据え、アドベンチャーモデルの今後の方向性を示すコンセプトモデル「City Adventure Concept」の世界初公開を筆頭に、モデルチェンジを図ったミドルクラス6車種と「CRF1000L Africa Twin」を含む、2016年モデルのフルラインアップとなっている。

– 参考出品(コンセプトモデル) City Adventure Concept
City Adventure Conceptは、全く新しいアドベンチャーモデルの提案となる。市街地でのライディングにもアドベンチャーのスピリットを取り入れた。ホンダ独自のテクノロジーを進化させながら、利用者のより豊かなライフスタイルの方向性を提案していく。

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– ニューモデル 500ccシリーズ(CB500F、CBR500R、CB500X)
ネイキッドスタイルのCB500Fとスポーティーさを強調したCBR500R、クロスオーバースタイルのCB500Xは、スポーティーな走行性能に加え、ライダーを主眼に置いてさまざまな熟成を重ねた。より魅力的に、そして所有する喜びを追求した。

LEDのヘッドライトとテールランプの採用、プリロードアジャスターを装備したフロントサスペンション、ブレーキレバー調整機構の装備、ヒンジタイプのキャップを採用し容量を拡大したフューエルタンク、ウェーブタイプキーの採用など、装備の充実化を図っている。

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CB500Fは、ネイキッドロードスポーツとしての精悍なイメージをさらに高め、躍動感にあふれたスタイリングを実現。ボディカラーには鮮やかさを強調した6種類を設定。

CBR500Rは、印象的なフロントフェイスから、跳ね上げたリア回りまで、エッジの効いたキャラクターラインにより、新たなCBRスタイルを演出している。

CB500F、CBR500Rともに、よりコンパクトになった新形状のマフラーを装備。内部構造などを変更し、低音の効いた歯切れの良いエキゾーストサウンドを実現。CB500Xの変更点は、従来モデルに比べ上方に100mm高い調整可能なウインドスクリーンや、フューエルタンクの容量アップに加え、カラーリングやグラフィックも新たに設定した。

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ニューミッドコンセプトシリーズ(NC750S、NC750X、インテグラ)
750ccのニューミッドコンセプトシリーズは、3車種ともにモデルチェンジを図った。

NC750S、NC750X、インテグラともに、EURO4の排出ガス規制値に対応。「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」には、「Sモード」で、3段階のレベルを選択できるプログラムを搭載した。

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また、9色から選択可能なインストルメントパネルや、鼓動感にあふれたエキゾーストサウンドを実現した新形状のマフラーなど、多岐にわたって熟成を重ねている。

加えて3車種ともスタイリングを一新。NC750Sにはスペシャル・エディションカラーを2種類設定し、LEDのヘッドライトとテールランプを採用し、ネイキッドなイメージにスポーティーなルックスを実現。

インテグラにもLEDのヘッドライトとテールランプを採用。そして、特殊なメタリックペイントを使ったスペシャル・エディションカラーを2種類設定。NC750Xには、LEDヘッドライトの採用などで、よりタフで大胆なルックスを施した。

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CRF1000L Africa Twin
2014年11月に開催されたEICMA2014で「True Adventure」を参考出展して1年後、ヨーロッパで初めてのCRF1000L Africa Twinの公開となる。

「XRV750 Africa Twin」のオールラウンドな走行性能と快適なツーリング性能、普段使いでの機敏なハンドリングと本格的なオフロード性能にさらなる磨きをかけるため、最先端のテクノロジーを投入。

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コンパクトに設計した新開発の998cc直列2気筒エンジンを、タフさとフレキシビリティを兼ね備えた軽量なフレームにマウントし、エンジン回転数の全域においてクイックなレスポンスを実現した。

CRF1000L Africa Twinは、LEDのヘッドライトとテールランプを採用したスタンダードモデルに加え、2タイプを設定。ABSモデルは、リア側のABSをOFFに設定可能とし、「Hondaセレクタブル トルク コントロール」とナックルガード、エンジンガードを搭載。

デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)モデルは、Honda独自のDCTテクノロジーをさらに進化させ、3種類のシフトパターンを選択可能なSモードや、クラッチ制御がレスポンス重視の特性に切り替わる「Gスイッチ」を搭載。また、登降坂角を推定し、坂道でも適切なギアを選択する新たな機能も搭載している。

【ヤマハ】
ヤマハ発動機株式会社(本社:静岡県磐田市、社長:柳弘之、以下、ヤマハ発動機)は、クロスプレーン型クランクシャフトを備えた998cm3水冷・直列4気筒エンジンを搭載する新製品「MT-10(エムティー・テン)」を出展した。発売は2016年5月末に欧州のリリース予定。

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「MT-10」(2016年欧州仕様)
「MT-10」は、MTシリーズの最高峰モデルとして企画・開発し。”意のままに操れるストリート最強スポーツ性能”と”多用途で楽しめる機能”を集約させたモデルとなる。

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主な特徴は、
1)低中速のトルク特性を重視したセッティングを施し、クロスプレーン型クランクシャフトの特徴であるリニアなトルク感とコントロール性を備えたエンジン
2)「MT-07」と同じ1,400mmのショートホイールベースとするなど、軽快なハンドリングをもたらすシャーシ
3)積極的なスポーツライディングからツーリングまで幅広いシーンに適したライディングポジション
4)クルーズコントロールシステムなど多用途で楽しめることに配慮した各装備
5) “The King of MT”のデザインコンセプトによるフラッグシップモデルとしての存在感や引き締まったボディなどが特徴のスタイリングなど。
「MT-10」(2016年欧州仕様)
発売日 2016年5月末予定
メーカー希望小売価格 未定(発売前に発表予定)
販売計画 3,500台(発売から1年間/EU圏内)

【スズキ】
スズキ株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:鈴木俊宏、以下、スズキ)は、海外向け新モデル「SV650」を発表した。さらにコンセプトモデル「GSX-R1000」も出品している。

– 新モデル 「SV650」
650cc Vツインエンジンのロードスポーツバイク新型「SV650」
新型「SV650」は、既存の645cm3 V型2気筒(Vツイン)エンジンをベースに、新排出ガス規制「ユーロ4」(欧州仕様車)を満たしながら出力と燃費性能を高め、軽量でコンパクトな車体に搭載したロードスポーツバイクである。

車両の細部にわたる見直しを行い、既存エンジン搭載の「グラディウス」と比較して8kg(ABS仕様車)の軽量化を実現したスリムで軽量な車体は、Vツインエンジンの力強さを引き立てるとともに、高い操縦性に貢献する。

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エンジン内にはピストンのスカート部にスズめっきと樹脂コートを施すことで、メカニカルロスを低減し燃焼効率を高めた。

また、発進時や低回転域においてエンジン回転数を僅かに上げることで発進・停車を繰り返す市街地走行などでの操作性を向上する「ローRPMアシスト」を採用。

さらに、スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけでエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用し、日常用途での利便性も高めている。

同車両は2016年1月よりスズキの豊川工場で生産を開始し、欧州、北米などで販売を開始する計画となっている。

milan-motorcycle-show-japanese-manufacturers-exhibition-overview20151119-17– コンセプトモデル(参考出品車)
スズキを代表するスーパースポーツバイクのコンセプトモデル「GSX-R1000」
コンセプトモデル「GSX-R1000」は、MotoGPで培われた技術を採用することで「GSX-R1000」をさらに進化させたコンセプトモデルである。

「GSX-R」シリーズの特長である、エンジンと車体が調和した「走る・曲がる・止まる」の基本設計を徹底的に見直し、高次元でバランスさせるべく開発を進めている。

新開発1000cc直列4気筒エンジンは、低中速域での出力を犠牲にすることなく高回転域での出力を高める為に、吸気VVTやスズキ二輪車初の電子スロットルなど、MotoGPレースで開発された技術を取り込んだ新機構「ブロードパワーシステム」を搭載している。

また車体は、新開発のフレームとスイングアームにより、強度の最適化と軽量化を図り、空気抵抗を大幅に低減する為にカウリングも新しくした。

さらに、走行条件に応じてモードを選択可能なトラクションコントロールを搭載し、サーキットでの走行において有効な電子制御としてクイックシフトシステムとローンチコントロールを装備している。

【カワサキ】
川崎重工業株式会社(本社:東京都港区海岸・神戸市中央区東川崎町、代表取締役社長:村山滋、以下、川崎重工)は、「Ninja ZX-10R ABS」、「ZZR1400 ABS」、「J125」の欧州向けニューモデル3機種を出展した。

今回カワサキは、5年振りにモデルチェンジしたスーパースポーツ「Ninja ZX-10R ABS」を出品。カワサキは2015年のスーパーバイク世界選手権で年間タイトルを獲得。

レースで得たノウハウをもとにエンジン、シャーシ、電子制御機能を改良し、市販モデルにおいてもさらなるサーキット性能向上を果した。

今回のショーでは、「Kawasaki Racing Team」が冬季走行テスト時に使用しているカラーリングを再現した特別仕様「KRTウインターテストエディション」も出品する。

また、最大排気量スポーツモデル「ZZR1400 ABS(High Grade)」も出品。パワフルで扱いやすい1,441cm3並列4気筒エンジンと、スリムなモノコックフレームの組み合わせにより、快適でスポーティなライディングを実現する。

フラッグシップモデルにふさわしいハイグレードな装備も充実している。

さらに、欧州市場で人気を博しているスクーター「J300」の小排気量モデルとして「J125」を出品。

街中をきびきびと走る優れた動力性能に加え、スタイリッシュなデザインと高い質感による魅力的なエクステリアが特長。シート下の大容量ストレージなど利便性を高める装備も充実している。

2016年ニューモデルの概要
milan-motorcycle-show-japanese-manufacturers-exhibition-overview20151119-7「Ninja ZX-10R ABS (KRT Edition)」 
2015年スーパーバイク世界選手権において、「Ninja ZX-10R(レース仕様)」が圧倒的な強さで年間タイトルを獲得した。

レースで得たノウハウをもとに、市販モデルにおいてもさらなるサーキット性能向上を果たした。998cm3並列4気筒エンジンは、クランクシャフトの慣性モーメントを低減することで、コーナー立ち上がりの加速力向上とシャープなハンドリングを実現。

メインフレームは、ディメンション(車体の各部寸法)の見直しによりコーナリング性能を向上させた。新採用のバランスフリーフロントフォークは、レースマシンで使用されている物と同構造のハイスペックな仕様としている。また、より精細に車体姿勢をコントロールできる、次世代型電子制御技術も多数導入している。

milan-motorcycle-show-japanese-manufacturers-exhibition-overview20151119-8「ZZR1400 ABS (High Grade)」 
カワサキのスポーツバイクの最大排気量モデルで、1,441cm3並列4気筒エンジンは、強烈な加速性能と高速性能を発揮するとともに、スムーズで扱いやすい出力特性をも兼ね備えている。また、大排気量でありながら独自のモノコックフレームによるコンパクトな車体を実現し、スポーティなハンドリングを可能とした。

トラクションコントロールシステム「KTRC(Kawasaki Traction Control)」や「パワーモード」など、ハイパフォーマンスマシンを安心して楽しめる電子制御技術も充実させた。

また、新たに追加したハイグレード仕様は、ブレンボ製「M50ブレーキシステム」やオーリンズ製「TTX39リヤサスペンション」を採用。フラッグシップモデルにふさわしい装備とした。

milan-motorcycle-show-japanese-manufacturers-exhibition-overview20151119-6「J125」
欧州市場で人気を博しているスクーター「J300」の小排気量モデル。125cm3単気筒エンジンにCVTトランスミッションを組み合わせることで、街乗りに最適な力強くスムーズな加速が楽しめる。

サスペンションには、フロントに直径37mmテレスコピックフォーク、リアにツインショックを装備し、スポーティさと快適性を両立。外装には多面的でシャープなデザインを採用し、一目でカワサキ車だとわかる個性的なスタイルとした。

メーター、ハンドル回り、シートなど、各部の質感を高めることで、所有する喜びも実現。また、シート下の大容量ストレージ、12Vソケット付きグローブボックスなど、日常的な使用における利便性を高める装備も充実している。