プレミアムブランド最多となるメルセデスSUV 6番目のモデル
メルセデス・ベンツ日本株式会社(本社:東京都港区、社長:上野金太郎)は、メルセデス・ベンツ「GLEクーペ」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて注文受付を開始した。なお、本年8月頃より順次発売開始予定。
「GLEクーペ」は、クーペとしてのスタイリッシュなフォルムと走行性能にSUVらしい存在感と利便性を加えたモデル。
またクーペスタイリングではあるが、後席は充分な乗員空間を確保したとし、さらにラゲッジスペースき最大1,720リッターの容量を確保した。*ラゲッジ容量はVDA方式
なお日本国内に於いて発売となる「GLEクーペ」のラインアップは、クリーンディーゼルモデル「GLE 350 d 4MATIC クーペ」「GLE 350 d 4MATIC Sports クーペ」と、メルセデスAMGが専用開発した高出力V6エンジンを搭載する「Mercedes-AMG GLE 43 4MATIC クーペ」、トップパフォーマンスを誇る「Mercedes-AMG GLE 63 S 4MATIC クーペ」の4タイプとなる。
デザイン
SUVの存在感を残しながらクーペとしてのフォルムを実現
本国同社のファウンダーであるカール・ベンツとゴットリープ・ダイムラーの2人は、カール・ベンツが理性的な人となりであったのに対して、ゴットリープ・ダイムラーは情熱的な性格であった。
メルセデス・ベンツ日本ではGLEクーペについて、この同社歴史上のふたりを例に挙げ、ほぼ130年にわたってメルセデス・ベンツブランドのデザインを性格づけてきたこの2つの対極的特質と背景を受け継ぎ、知性と感情、伝統とモダンを融合させていると形容している。
そのスタイリングは、同社によると「大型4ドアクーペの概念を新たな水準へと高めた」としており、具体的には、大きなホイールアーチ、高いベルトライン、余裕ある地上高などのSUV要素にスポーツ性を組み合わせたもの。BMW Xシリーズなど昨今、車両販売数が伸張する同カテゴリに対する同社の回答となるもの。
短くスタイリッシュなオーバーハングを備えるフロントエンドには、立体的デザインを施したフルLEDヘッドライトと、シングルルーバーの垂直なスポーツグリルが組み合わされている。
ボンネット形状は、パワードームが前方へ向けて下降する同社がスポーツモデルに取り入れる定番の形状となっている。またGLE 350 d 4MATIC クーペを除き、ランニングボードが標準搭載されている。
ボディサイドは、同社製の他のクーペと同じく、低いルーフラインと高いベルトラインを組み合わせた。SUVの性格を強く表すのは、クロームメッキを施した前後のアンダーガードとなっている。併せてリアは、アンダーガードにツインエグゾーストエンドを一体化した。
このボディ後半部はクーペの性格を強調する形状となっており、デザインスタディは同社のSクラス クーペで初めて取り入れられたテイストを踏襲している。続くリアエンドは、ボディの幅を広く見せ安定感を演出、ナンバープレートホルダーはバンパーに一体化された。
インテリアは、スポーティなシートとステアリングホイール、そして最新のテレマティックスシステムと同社定番のスタイル。
オンダッシュ型ではなく、一部をインストゥルメントパネルに一体化したCOMANDディスプレイは、ドライバーの視線移動を最小限に留めるため視認性を高めたとしている。
ドライビングパフォーマンス
AMGモデルは、乗り心地とダイナミックな走行性能を両立させる「AIRマティックサスペンション」を標準装備
クリーンディーゼルモデルである「GLE 350 d 4MATIC クーペ」に搭載される3.0リッターV型6気筒BlueTECエンジンは、ピエゾインジェクターを用いた最新のコモンレールシステムや電子制御式可変ターボチャージャーなどを装備し、最高出力258PS(190kW)と最大620N・mのトルクを発生する。
また、排出ガスに尿素水溶液「AdBlue®」を噴射して化学反応(還元作用)を発生させ、有害な窒素酸化物(NOx)を 大幅に削減する尿素SCR(Selective Catalytic Reduction:選択型触媒還元)ディーゼル排出ガス処理システム「BlueTEC(ブルーテック)」を採用し、世界でも厳しいとされる日本のディーゼル排出ガス規制に適合させた。
加えて可変エンジンマウントを採用することで、静粛性と低振動性を実現。アイドリングから高速走行までのすべてのシーンで、プレミアムSUVに相応しいパフォーマンスを発揮すると謳っている。
トランスミッションは、9速オートマティックトランスミッションの「9G-TRONIC」。これは多段化により1つのギアが受け持つ速度域が狭くしたもので、変速ショックの低減と走行燃費の両方を狙ったものだ。
「メルセデスAMG GLE 43 4MATIC クーペ」には、メルセデスAMGが専用に開発した高出力のV6エンジンが搭載された。
こちらは最大圧力200barのピエゾインジェクターとスプレーガイド式燃焼システムによって良好な燃焼状況を作り出すとされる。
さらにシリンダーウォールには摩擦低減と高強度を実現するNANOSLIDE®加工を施した。これらにより、最高出力270kW/367PS、最大トルク520N・mを発揮し、0-100km/h加速 5.7秒*のパフォーマンスを確保した。*欧州仕様参考値
同車は、メルセデスAMGが開発した四輪駆動システム「AMG 4MATIC」を搭載しており、トランスミッションは先の9速オートマティックトランスミッション「9G-TRONIC」を組み合わせている。
標準装備の「AIRマティックサスペンション」は、走行状況に合わせて四輪それぞれを電子制御する連続可変ダンピングシステムとの組み合わせていて、高速走行時または「Sport」や「Sport+」モードでは車高を下げて走行安定性を向上させる。
「GLE 63 S 4MATIC クーペ」に搭載される5.5リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンは、メルセデスAMGによる開発であり、最高出力585PS(430kW)、最大トルク760N・mの性能を発揮する。
同車には、スタビリティを向上を狙って専用セッティングの四輪駆動システム「AMG 4MATIC」、AMG専用に最適化し操縦安定性と快適性を両立したエアサスペンション「AMG RIDE CONTROL スポーツサスペンション」、コーナリングのロールを抑え走行安定性を向上させる「ACTIVE CURVE システム」など、GLE クーペシリーズ最上級モデルに相応しい装備を施した。
以上全モデル共に、センターコンソールの専用コントローラーの操作で5つのモードからドライバーが望むキャラクターを選択できる「ダイナミックセレクト」を標準装備した。
これは、選んだモードに応じて、スロットルレスポンスとトランスミッションのシフトスケジュールが変化し、快適性や燃費を優先する走りから、素早いレスポンスでスポーティなドライビングまで幅広く愉しめる設定になっていると云う。
安全性
安全なドライブに貢献するという同社の思想に基づいた「インテリジェントドライブ」を採用
全モデルに標準装備の「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システムは、ドライバーの疲れを最小限に抑え、安全なドライブに貢献するという同社の思想に基づいた「インテリジェントドライブ」と称するもの。
この「インテリジェントドライブ」の土台となっているのは、クルマの周囲360°をカバーする複合的なセンサーシステムが挙げられる。
例えばフロントウインドウ内側のは、ステレオマルチパーパスカメラが搭載されており、最大500mの範囲で大まかな様子をモニターするほか、2つのカメラで車両前方約50mの範囲を立体的に捉える。
レーダーセンサーは、まずフロントおよびリアバンパー側面に内蔵され、さらに25GHzの短距離レーダー、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個の搭載となる。
これらのカメラとレーダーから得られたデータをコントロールユニットで融合させ、安全運転支援システムに対応するデータを作成する。
このデータをアルゴリズム解析することにより、先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、その位置を特定。これにより、状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする「部分自動運転」を実現している。
また、上記安全装備に加え、車両周囲の状況をモニターする「360°カメラシステム」、自動操舵・ブレーキ機能により縦列駐車と車庫入れをアシストする「アクティブパーキングアシスト」を全モデルに標準装備した。
さらに遊び心のある装備として、イグニッションをOFFにしてドアを開けた際に運転席/助手席それぞれの足元にメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターが浮かび上がる「ブランドロゴプロジェクターライト」も全モデルに標準装備した。
その他機能は以下の通り
ディストロニック・プラス(ステアリングアシスト付):
77GHzおよび25GHzの2種類のレーダーによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する。
GLEクーペでは、ステレオマルチパーパスカメラの搭載により、車線のカーブと先行車両を認識し、車間を維持しながらステアリング操作をアシストする機能が追加した。
BASプラス(飛び出し検知機能付ブレーキアシスト・プラス):
77GHzおよび25GHzのレーダーとステレオマルチパーパスカメラで前方を広範囲にモニターする。
具体的には、先行車に加え、前方を横切るクルマや合流してくるクルマ、さらには歩行者などとの衝突の危険性を検知した場合にドライバーにディスプレイ表示と音で警告し、急ブレーキを促す。
ドライバーがブレーキを踏んでも踏み込みが弱い場合はブレーキ圧を増幅することで急ブレーキの効果を高める。
PRE-SAFE®ブレーキ(歩行者検知機能付):
BASプラスの警告にドライバーが反応しない場合、軽いブレーキングでドライバーに警告し、衝突回避をサポートする。
同時に衝突時に乗員の最適な姿勢を可能な限り確保するPRE-SAFE®機能も作動させる。
それでもドライバーが反応しない場合、最大のブレーキ力で自動緊急ブレーキが作動する。今回、先行車に加え歩行者も検知する機能が追加され、衝突予防安全性を向上させた。
リアCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム):
リアバンパーのマルチモードレーダーが後方を監視し、車間距離と接近速度から衝突の危険があると判断すると、ハザードランプを素早く点滅させて後続車のドライバーに警告するとともに、ドライバーに危険を知らせ、シートベルトテンショナーなどを起動させる。
それでも後続車が十分に減速しない際には自動的にブレーキ圧を高めて自車をロックし、玉突き衝突の回避など二次被害の軽減をサポートする。
アクティブレーンキーピングアシスト:
ステレオマルチパーパスカメラが車線を検出し、フロントホイールが走行車線を越えたと判断するとステアリングを断続的に微振動させてドライバーに警告するほか、ESP®の制御を利用して片輪に軽い補正ブレーキをかけることで車線内に戻す。
アダプティブハイビームアシスト・プラス:
ステレオマルチパーパスカメラが対向車や先行車を検知すると、他の車両にハイビームが当たらないよう自動的に照射範囲を制御しながら常に最大の視界を確保する。また、道路標識などにハイビームが反射すると、自動的に減光し眩惑を防止する。