イタリア・ベネチアで10月27日と28日、欧州自動車部品工業会(CLEPA)及びイタリア自動車工業会(ANFIA)との共催で、第10回JAMA-CLEPAビジネスサミットが開催された。
同会議では欧州の自動車部品サプライヤーと、日本の自動車メーカーが双方の自動車産業の先進性を称えると共に、将来に向けての良好な関係を再確認した。
そもそも日本自動車工業会(JAMA)< http://www.jama-english.jp/ >とCLEPA< http://www.clepa.eu >は、予てより自動車政策、事業提携、基準調和といった複数の課題について、長年に亘って緊密な情報・事業連携を図ってきた。
これを踏まえ今回のサミットでも、CLEPAとJAMAは日EU自由貿易協定(日EU・EPA)を全面的に支持。同協定によってもたらされる未来の期待を確認した。
ちなみにベルギーのブリュッセルに本部を置く欧州自動車部品工業会(CLEPA)は、欧州における自動車部品、システム、モジュールの世界的な大手サプライヤー119社および23の経済/業界団体で構成されている。
こうした背景からCLEPAは、500万人以上の従業員を擁する3,000社以上の企業を代表しており、自動車サプライチェーンのあらゆる製品・サービスをカバー。
EUの機関、国連、欧州自動車工業会(ACEA)、JAMA、米国自動車部品工業会(MEMA)など自動車業界団体に対し、欧州自動車業界の利益拡大を求めて活動を重ねている。
こうした背景から今日、世界各国への欧州自動車部品の輸出額は、年間750億ユーロを超えており、中でも日本は欧州のサプライヤーにとって重要な市場となっている。
そこで欧州の自動車部品サプライヤーは、今回も日本の自動車メーカー各社に対し、環境・安全・情報通信・自動運転といった最新の技術イノベーションを改めて紹介した。
これについてCLEPA会長のロベルト・ヴァヴァッソーリ氏(Roberto Vavassori)は、「JAMA-CLEPAビジネスサミットでは、欧州のサプライヤーと日本のメーカーが長年にわたり良好な関係を築き、双方が非常に多くのメリットを享受してきたことを確認することができました。
日EU・EPAが早期に締結され、関税障壁および非関税障壁の撤廃や、国連の基準を尊重し採用するなど、双方にメリットがもたらされることを願っています」とコメントした。
対してJAMA白柳正義調達委員長は、「JAMA-CLEPAビジネスサミットは、日本とEUとの絆をより深めるものとなりました。
こうした関係をさらに強めるためにも、我々はEUと日本の経済連携協定(EPA)が両国の首脳が言っているように本年末までに大筋合意されることを期待しています」と応えた。
一方、ANFIA< http://www.anfia.it/ >会長のアウレリオ・ネルボ氏(Aurelio Nervo)は、「イタリアの自動車部品産業の能力は、OEMの要求に応える形で世界的に認められています。実際、2015年の輸出は前年比+3.3%となっており、生産工程や製品の技術が認められている証拠であります。
日本はイタリア製自動車部品のアジアにおける最大の輸出先であり、今後も重要なトレードパートナーとして継続するものと信じています。イタリア部品メーカーはまた、欧州や米国の日系OEMにも主要部品を供給しています」と述べていた。