日本自動車輸入組合(JAIA)が2月5日に実施した「第39回 輸入車試乗会」にて、ランドローバーのラグジュアリーSUV「レンジローバー オートバイオグラフィー(RANGE ROVER AUTOBIOGRAPHY)」に試乗した。
レンジローバー オートバイオグラフィーは、ランドローバー・ブランドのフラッグシップモデル、レンジローバーのラグジュアリーグレードだ。日本ではジャガー・ランドローバー・ジャパンが販売している。
今回試乗したのは、2018年に追加された3.0L V型6気筒ディーゼルターボ搭載モデル(他に2.0LガソリンPHEVと5.0Lガソリンターボもラインアップ)。最高出力は258ps、最大トルクは600N・m(61.18kg-m)を発揮する。
エクステリアには、シグネチャーライト付きピクセルLEDヘッドライトやダイアモンドターンドフィニッシュの21インチアルミホイールなどを装着。また、インテリアには、ヒーター&クーラー、マッサージ、メモリー機能などを備えた24ウェイフロントシートやリアエグゼクティブクラスシートなどが採用され、内外装共に様々な特別装備が盛り込まれている。
ドアを開けると車体下部からオートサイドステップが飛び出し、高めの車高ながら車内への乗り降りはとても楽だ。運転席に座りまず感じるのが、シートやダッシュボード、ドアの内張など各部にあしらったレザーの質感の高さ。オフローダーのイメージも強いレンジローバーだが、同モデルが持つ室内空間の高級感は格別。さすが英国車と納得してしまう。
トルクフルなエンジンは、とても重厚な走りが味わえ、2390kgもの重い車体を感じさせないほどゼロ発進からグングンと加速する。また、市街地はもちろん、高速道路でもさほど回転を上げなくても車速が伸びてくれるため、気負わずに快適なクルージングが楽しめる。
同モデルは、走行モードシステムのテレインレスポンスオートを採用し、2タイプのモードが選べる。まず、コンフォートモードでは、電子制御サスペンションがソフトな設定となり、乗り心地はすこぶる快適となる。
一方、ダイナミックモードでは、サスペンションが硬めに変更され、コーナーなどでグッと踏んばる設定に変更される。ただ、オフロード走行も想定し車高を高めに設定しているためか、低・中速コーナーでクイックに曲がろうとすると、ダイナミックモードでも車体のロールはやや大きめに感じる。安定性がないわけではないので問題ないレベルだが、この辺りは、今回試乗した他の欧州製SUVがオンロード走行での安定性を重視している印象だったのに対し、少し異なる味付けだといえるだろう。
ちなみに、電子制御サスペンションは、走行中に車高調整を行うスピードロワーリングシステムを採用し、105km/hを超えると15mm車高を下げる機能も搭載。高速走行での空気抵抗低減や燃費向上を図っている。
同モデルには、濡れた路面や草地、雪道や凍結路などの滑りやすい状況で最適なトルク制御を行うロートラクションロンチや、過酷な悪路走行などでローギアを追加し速度とコントロールを最適に保つツインスピードトランスファーボックスなど、オフロード走行で効果を発揮する装備も満載。また、パーキングアシストや自動緊急ブレーキなど、様々な最新の運転支援システムも搭載する。
価格(税込)は、今回試乗したV6ディーゼルターボのスタンダードホイールベース仕様(軸距2920mm)が1739万円~、同じディーゼルターボでロングホイールベース仕様(軸距3120mm)は1836万円~だ。