GM、「アイズオフ自動運転」と「会話型AI」の車載時期を明らかに

米ゼネラルモーターズ・カンパニー( GM / 本社:米ミシガン州デトロイト市、CEO:メアリー・T・バーラ )は10月22日(米ニューヨーク発)、ニューヨークで行われたメディアイベント「GM Forward」で、製造規模、ソフトウェアの専門知識、AIが融合させたことで自動車が、単なる交通手段ではなくインテリジェントアシスタントへと変革する様子を披露した。

その未来に向けた最も重要なステップのひとつが自動運転であり、同社は2028年にEVのキャデラック・エスカレードIQ SUVでアイズオフドライビングを市場に投入する計画を発表した。

それは次世代の移動を担うインテリジェントカーで、運転者を理解し、ニーズに適応し、そして時間の経過と共に進化していくクルマになるという。そんな未来へ進むための鍵が今発表の「アイズオフドライビング(ドライバー目を離したまま自動運転を実行することを指す)」と「対話型AI」だという。

先の通りGMは2028年にキャデラック エスカレードIQに同機能を搭載していく予定で、まずは高速道路から「アイズオフドライビング」環境を提供していく予定であるとした。

具体的な運転イメージでは、自動運転システムがアクティブになると、ダッシュボードと外部ミラー全体にターコイズ色のライトが点灯する。

これは車両が運転を処理している間、座って、読書をしたり、メッセージを確認したりしても安全であることを視覚的に知らせる合図となる。

このターコイズ色のライトは、車両がハンズオフ運転中であることを示すもので、視覚のみのシステムとは異なりGMの自動運転に係るアプローチは、車両設計に統合されたLIDAR、レーダー、カメラによる冗長性に基づくもの。

その中核となるのはセンサーフュージョンとなる。LIDAR、レーダー、カメラが認識層を構築し、実世界の運転データを用いて意思決定モデルを学習。

そして高精度シミュレーションによって、稀な状況や危険な状況を検証。これにより安全で信頼性が高く、非常に高性能なアイズオフ型自動運転システムが実現する。

GMのスーパークルーズに於ける同基盤は、既にこの種の複雑な運転支援技術が安全に拡張可能であることを「スーパークルーズ」で証明している。

2017年の導入以来、スーパークルーズは23車種に拡大し、ハンズフリー走行距離は7億マイルを超え、システムに起因する事故は報告されていない。

これを踏まえ同社は、実績ある知見を今年初めにGMに加わったCruiseの自動運転に関する専門知識と融合させた。

Cruiseの技術スタック(マルチモーダル認識システム、500万マイルの自動運転走行で訓練されたAIモデル、仮想テストシナリオを実行するシミュレーションフレームワークなど)は、GMの次世代運転支援および自動運転プログラムに直接組み込まれている。

その結果、GMに期待される安全性と精度を備え、ドライバーが望む時に運転操作を行えるように設計された車両が誕生した。

従って今後のGMが掲げる目標は、パーソナルな自律走行の実現に向けて、最も信頼性が高く、拡張性の高いアイズオフ運転技術を一般市場に投入することにある。

併せてアイズオフ型自動運転システム導入に先駆ける来年から、GMの車両にはGoogle Geminiと連携した会話型AIが搭載され、より自然な会話が可能になる。ドライバーはメッセージを作成して送信したり、状況に合わせてルートを計画したりできるようになる。

例えば、お気に入りのコーヒーショップ近くの充電スタンドを探したり、移動中に会議の準備をしたりといったことも可能になる。

GMは将来、車両の知能と個人の好みに合わせて微調整された、独自のカスタムAIを導入する予定という。OnStarと連携することで、このAIは車両のオンボードインテリジェンスから直接情報を取得し、今後のメンテナンスの必要性や最適なルートのタイミングなど、車両固有の関連情報を表示する。

またもちろん個人情報を重視するドライバーに応えて、共有する情報や、体験のパーソナライズ度をユーザーが自由に設定できるコントロール機能も備えている。

ユーザーの許可があれば、ワンペダル運転などの機能の説明、メンテナンスの問題の早期検出、朝の通勤前の車両のプレコンディショニング、過去の好みやルートに基づいたディナースポットの推奨など、その瞬間に必要な支援を提供できるようになる。

このアイズオフシステムと会話型AIはどちらも2028年にデビューするGMの次世代集中コンピューティングプラットフォーム上で実行されることになる。

このアーキテクチャは、GMの従来のインテリジェンスシステムと比較して最大35倍のAIパフォーマンスと1,000倍の帯域幅を実現。これらの進歩は、あなたが望む時に運転を代行し、必要なときに会話し、日々賢くなる AI という転換点になるだろうとしている。

 
 




 
 

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