OCMパワーは、蓄電池による電力安定を社是に26年始動
本田技研工業(ホンダ/本社:東京都港区、取締役代表執行役社長:三部敏宏)は10月27日、インド国内に於ける電力の安定供給を掲げて、先の2026年1月に創業したOCMパワーに出資する。
電動モビリティの普及が進むインド国内の需要市場では、未だ電源の安定供給が鍵となっている。
そこでホンダは、バッテリーを活用した電力の安定供給の実現を視野に、同国内で分散型電源・グリッド事業を展開するOMC Power Private Limited(OMCパワー)への出資を決めた。
これを受けてOMCパワーは2026年1月に、ホンダ製交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を用いた無停電電源装置のリース事業を開始する。
先の通り、世界最大の人口を有するインド国内では、近年の急速な経済成長に伴い、電力の安定供給が求められてきた。
現段階で安定した電力を必要としている地域では、非常用電源のひとつとしてディーゼル発電機が広く活用されている。しかしディーゼル発電機から排出される燃焼ガスが、市民生活の健康を害する懸念もいちだんと高まりつつある。
そこでホンダはOMCパワーと連携。迫り来る健康被害という社会課題の解決に向け、2023年からのウッタル・プラデーシュ州を皮切りに、Honda Mobile Power Pack e:を用いた無停電電源装置の実証実験を実施。
上記取り組みにより、電動二輪車用バッテリーの二次利用(リパーパス)を通じて、安定した電力供給と環境負荷の低減を両立できることが確認されている。
従ってホンダは、この実証実験の成果を踏まえて、バッテリーのリパーパスを促進するため、OMCパワーへの出資を決定した。
当該事業では、ホンダの現地法人Honda Power Pack Energy India Pvt. Ltd.(HEID)がOMCパワーにバッテリーを提供。
OMCパワーは無停電電源装置とバッテリーをパッケージ化し、一般家庭や個人商店、学校などに販売する。
この系統電源から充電したバッテリーを、電力が不安定な時や停電時に電力供給源として活用することで、安定した電力利用が可能になるという仕組みだ。
*「Honda Mobile Power Pack e:」を使った無停電電源装置
本田技研工業で執行役 二輪・パワープロダクツ事業本部長 兼 二輪事業統括部長を務める加藤 稔氏(かとう みのる)は、「Hondaは、モビリティの電動化を単なる移動のための手段としてだけではなく、お客様や地域社会全体のエネルギーシステムの進化につなげられると考えています。
インドの二輪車市場は電動車へのシフトが進んでおり、バッテリーのリパーパスに取り組むことで循環型バリューチェーンの構築を目指します。この取り組みを通じ、製品と事業活動の両面から包括的なアプローチを取ることで社会課題の解決とお客様の豊かな生活に貢献していきます」と語っている。
対してOMC Power Private LimitedでCEO職を務めるロヒート・チャンドラ氏は、「このたびのHondaとのパートナーシップは、弊社の歩みにおける重要な転換点となります。
パートナーシップでは、Hondaの革新的なエネルギー貯蔵ソリューションを弊社の分散型エネルギーシステムに統合することで、持続可能なイノベーションへと切り開けると考えています。
この新たな取り組みを通じて、“Make in India”、そして、“Aatma Nirbhar Bharat(自立したインド)”の理念を体現し、インドにおけるエネルギー安全保障の強化と包括的な経済成長につなげます」と結んでいる。

