キャデラック フォーミュラ1チームは9月3日(インディアナ州フィッシャーズおよび英国シルバーストーン発)、2026年FIAフォーミュラ1世界選手権シーズンの参戦準備を進めるなか、NTTインディカーシリーズで9度の優勝経験を持つコルトン ハータ選手をテストドライバーに起用することを発表した。
25歳のハータ選手にとって、2026年シーズンはヨーロッパのレース界への復帰となる見込み。
インディカーとCARTチャンプカーに於けるレジェンドドライバーのブライアン・ハータ氏の血を引くこの2代目レーサーは、2015年にヨーロッパのレースデビューを果たした。
以降2年間で、ユーロフォーミュラ・オープン選手権で4回の優勝、6回の表彰台獲得、5回のポールポジションを獲得。その後、イギリスF3の6つのイベントに参戦して、ブランズハッチでの優勝を含む3回の表彰台を獲得し、2017年にアメリカに戻った。
今季インディカーシリーズで7シーズン目を迎えたハータ選手は、通算116回の出場で9勝、16回のポールポジション獲得、同レースに於ける1,000周以上のリードを獲得している。
また、2019年にF1アメリカグランプリ開催地であるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、インディカー・シリーズで最年少優勝とポールポジションを獲得したドライバーの称号も獲得した。
そんなインディカーでの輝かしいキャリアに加え、ハータ選手はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でロレックス・デイトナ24時間レース(2019年と2022年)のクラス優勝も獲得。2024年にはセブリング12時間レースでも総合優勝も果たした。
今回のキャデラックF1チームにコルトン ハータ選手を迎えることについてTWGモータースポーツでは、「彼は、キャデラックF1チームから指名された初のテストドライバーとなります。
先の発表と通り当チームのデビューシーズンは、経験豊富なF1デュオ、バルテリ・ボッタス選手とセルジオ・“チェコ”・ペレス選手が務めるなかで、コルトン ハータ選手の2026年に係るサポート体制については、追って発表する予定ですと説明した。
また当のハータ選手は、「キャデラックF1チームのテストドライバーとして参加できることを大変嬉しく思っています。
米国メーカーによるF1参戦は、自身とっても夢のようなチャンスであり、キャデラックF1チームの一員になれることを絶対に逃す訳にはいきませんでした。
今回は、F1レースでステアリングを握ることに向けた大きな一歩だと考えています。今は、キャデラックF1チームのために全力を尽くし、競争力のあるチーム作りに貢献することに集中します」と述べた。
対してキャデラックF1チームのチームでプリンシパルを務めるグレアム・ロードン氏は、「コルトン・ハータをテストドライバーとして迎えることができ大変嬉しく思います。
彼は並外れた才能を持つレーシングドライバーであり、既に実証済みのスピード、レーステクニック、そして年齢を遙かに超えた経験を備えています。
加えてTWGモータースポーツファミリーの一員として、アメリカ最高峰のモータースポーツ環境で培ってきた知見を持つことも理想的です。
彼は、未来に向けてチームを築くなかで、貴重で新鮮な洞察力と視点をもたらしてくれるでしょう」と述べた。
更にゼネラルモーターズのマーク・ロイス社長は、「コルトンは、アメリカのモータースポーツに確固たる基盤を持つ、優れた若手ドライバーです。
鋭い洞察力と、パフォーマンス向上への飽くなき追求心でチームに貢献してくれるでしょう。
彼は、先週発表されたバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスに続き、ゼネラルモーターズのドライバー陣に新たに加わります。
このドライバーラインナップは、3月にメルボルンで開催されるキャデラックF1のデビューに向けて、私たちの進歩を加速させてくれる存在にでしょう」と結んでいる。