グッドイヤー、上海モーターショー2025で先進タイヤ技術を披露

グッドイヤータイヤ&ラバーカンパニー(グッドイヤー)は4月29日、上海モーターショー2025で、自社先進タイヤ技術の一端を披露した。なお上海モーターショーは、1985年に初開催された歴史ある催しであり、中国で最も古い自動車展示会として重要な国際自動車ショーとみなされている。

そんな上海モーターショーに於けるプレゼンテーションで、グッドイヤー アジア パシフィックの製品開発および品質担当副社長のグレッグ ハンナ氏が、オート キー テック フォーラムのセッションで「タイヤ テクノロジーがより良い未来を形作る」と題した基調講演を行った。

壇上でハンナ氏は、「タイヤは路面と接触する唯一の車両部品であり、車両と路面の相互作用に関する重要な情報源となります。

私達はタイヤ開発・製造のパイオニアとして長年、タイヤに関わるインテリジェンス技術を磨き続けてきました。今回はその成果として革新的なタイヤインテリジェンスソリューションを盛り込んだ専用サブブランド「SightLine(サイトライン)」を設立しました」と述べた。

続いてハンナ氏は、「そんなSightLineは、こからのタイヤ管理と安全性に革命をもたらす製品です。

SightLineは、高精度なタイヤ空気圧監視、リアルタイムの摩耗状態追跡、タイヤの残存走行距離分析、タイヤ荷重、路面状況監視、タイヤと路面の摩擦推定、ハイドロプレーニング検知、アダプティブタイヤモデルなど、幅広い情報収集機能を備えています。

消費者とメディア関係者を対象とした直近のデモ走行でグッドイヤーのSightLineは、路面摩擦、ハイドロプレーニング、タイヤ物理モデルをリアルタイム情報を基に分析して推定。

インテリジェントなタイヤと路面の洞察と、タイヤの摩耗、残存走行距離、空気圧、温度、荷重の変化を継続的に追跡し、車両システムに報告するライフサイクルダイナミックモニタリング機能が搭載されており、今回のショーでは、そんな2つの独自の機能が高く評価頂いています」とその反響の高さを誇らしく語った。

なおこの技術は、〝走る実験室〟でもあるレースシーンでは既に導入されており、去る2023年6月に開催されたル・マン24時間レース(2023年6月10~11日開催)に特別枠で参戦したNASCARガレージ56の「新型シボレー・カマロZL1」に初装着されている。

より具体的に説明すると、この歳のタイヤには製造工程段階に於いて、タイヤ側面・サイドウォール内側に電池不要のパッシブセンサーが埋め込まれていた。このセンサー自体が、同社が謳うインテリジェントテクノロジーの「Goodyear Sightline」の核心となる。

レースに参加したチームのエンジニア、並びにドライバーは、タイヤから得られるインテリジェンスデータを活用してタイヤの空気圧と温度を把握し、マシンとドライバーそれぞれのセッティングをリアルタイムで調整することで、マシンの性能を最適化することができるという仕組み。

有り体に言えば、日本国内にも似たシステムは存在する。但し詳細のアプローチについては、個々タイヤメーカーのノウハウが存在するものと見られる。

なお現地に於けるフォーラムイベントでは、他にも持続可能な材料(今日の天然ゴム以外の素材の選択肢)を70%以上含む中国初のISCCマークをを持つ市販タイヤ「エレクトリック・ドライブ」環境に応えた持続可能性に優れるタイヤ材料についても詳しく語られた。

– Goodyear SightLine –