フォルクスワーゲン、上海で3台のコンセプトカーを発表

2027年までに中国で30種類の新型車が発売される

独フォルクスワーゲンは4月22日、上海モーターショーで中国の合弁パートナーと共にID. AURA(FAW-Volkswagen製)、ID. ERA(SAIC VOLKSWAGEN製)、ID. EVO(Volkswagen Anhui製)の3台のコンセプトカーを発表した。( *編集者が示した正しい記事リンクは「 」の外部リンクマークがあるものを参照されたい )

同社では、いずれも新世代のスマートEVを代表するモデルであると謳っており、今回の出品で今後数年間の製品戦略を垣間見ることができるとした。

またフォルクスワーゲンは、2027年末までに中国市場の関連セグメントで30以上のニューモデル(20台のNEVを含む)を投入する予定という。

これらには、現在上海で発表されているコンセプトカーの生産バージョンも含まれ、そのデザインとテクノロジーは中国の顧客のニーズに合わせて特別に仕立てられる。

レベル2++運転への道を開くAIベースを搭載した車両

上海でフォルクスワーゲンブランドのトーマス・シェーファーCEOは、「これら3台のコンセプトカーは、私たちの〝中国で、中国のために〟とした戦略を明確に示した成果です。これにより、中国に於いて外国自動車メーカーの中でトップの地位を維持するために必要な準備をすべて整えました」と述べた。

ちなみに先の3台は、同日の夜に開催されたフォルクスワーゲン グループ ナイトに於いて初公開されたもの。なお、これらのコンセプトカーは、他のフォルクスワーゲン モデルと共に、5月初旬まで上海モーターショーで展示される。

これら3台は新エネルギー車(NEV)のグループに属する。中国では、このカテゴリーにはBEVを加え、プラグインハイブリッドやレンジエクステンダー搭載モデルも含まれる。

また上海で発表されたコンセプトカーの全モデルには、高度自動運転を実現するAIベースのシステムが搭載されている。これにより車両は早ければ来年にもレベル2++に到達し、特定の状況下ではドライバーの監視下で、追い越しや旋回、自動合流などを含む完全な自動運転が可能になる。

発表車両についてフォルクスワーゲン乗用車ブランド(中国)のCEOを務めるステファン・メカ氏は、「今後3年間で、先進技術を搭載した最先端のNEVだけでも20車種以上を投入し、中国のあらゆるお客様のニーズにお応えします。私たちは潜在能力を最大限に発揮し、地域レベルで革新力を発揮していきます」と語った。

中国で外国メーカートップの座を獲得する準備は整った

次いでフォルクスワーゲン チャイナ テクノロジー センター(VCTC)でCEOを務めるトーマス ウルブリッヒ氏は、「私達は、最長34ヶ月でモデルを開発することを目標とし、合肥に新設した開発センターで中国スピードを実現しました。

今後も適切なモデルを適切なスピードで、適切なパートナーと共同で発売していきます。3台のコンセプトカーは、量販車およびフルサイズセグメント向けの完全電動駆動システムとレンジエクステンダー技術を搭載し、中国のお客様の多様な技術ニーズに対応しています。

フォルクスワーゲンは中国のお客様のニーズもデザインに取り入れています。上海で発表された3台のコンセプトカーは、デザイン言語がそれぞれ異なっていても、真のフォルクスワーゲンモデルとして明確に認識できます。

昨年北京で発表したID.CODEショーカーは、中国における私たちの新しいデザイン方向性の出発点でした。ここ数ヶ月でこれを改良し、それぞれの合弁事業に合わせてカスタマイズしてきました」と説明した。

中国の顧客のニーズに合わせて特別に仕立てられた

発表された車両のうちSAIC VOLKSWAGENのID . ERAは、広々とした3列シートを備えたフルサイズSUVで、フォルクスワーゲン初のレンジエクステンダー技術搭載モデルを先取りしたモデルだという。

燃料駆動式ジェネレーターが走行中にバッテリーを充電し、700km以上の航続距離を実現。バッテリーモードでの300kmの航続距離と合わせると、このコンセプトカーは1,000km以上の航続距離を実現させることができる。

このID . EVOは、ライフスタイルに敏感で他者との差別化を図りたいと考える若いユーザーをターゲットとしている。800ボルトプラットフォームをベースとするID. EVOは、フォルクスワーゲンのID. UNYXファミリー初のフルサイズ電気SUVでもある。

このコンセプトカーは、高性能なゾーン電子アーキテクチャを搭載し、幅広い新しいデジタルサービスの提供を可能にするだけでなく、短い間隔での無線アップデート(OTA、Over The Air)によってカスタマーエクスペリエンスを継続的に向上させることもできる。

一方FAW-VolkswagenのID . AURAは、フォルクスワーゲンが中国市場向けに特別に設計したゾーン電子アーキテクチャを備えたコンパクト メイン プラットフォーム(CMP)をベースとした初のコンセプトカーとなる。

このプラットフォームに搭載された高度自動運転システムは、AIをベースとした高いコンピューティング能力により、スマートでありながら自然な運転行動の水準をさらに引き上げている。

この電動ノッチバック コンセプトは、特に価格重視のAセグメントの顧客向けに開発され、最新技術とダイナミックなデザインを融合させている。

車両のセンターコンソールには、スマートフォンに似たUI/UXコンセプトが組み込まれており、AIベースのヒューマノイド アシスタントが、車両機能とインフォテインメントのシームレスな操作を可能にするという。