東京お台場のF1フェス、4日間で3万3千人が来場


先の4月2日から6日の期間で開催されたF1日本グランプリのプロモーションイベント「F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025(東京都江東区青海NOP区画 お台場特設会場/本田技研工業とホンダモビリティランドの起用道主催)」は、F1誕生75周年、ホンダF1初優勝から60周年というアニバーサリーイヤーであったことから計4日間でのべ約3万3000人の来場者を集めて幕を閉じた。

特に4月2日(水)はプレイベントとして、会場隣接の公道で本物のF1マシンが疾走する「Red Bull Showrun × Powered by Honda」を実施。

日本人唯一のF1ドライバー、角田裕毅選手が「Oracle Red Bull Racing」に移籍し、約200名の報道陣が駆けつけるなど話題を集めた上、週末の4月4日(金)〜6日(日)には、東京と鈴鹿サーキットの「F1日本グランプリ」を大画面で結んだパブリックビューイングも実施された。

また期間中、F1の世界を身近に体験できるゾーンでは、1965年にホンダがF1初優勝を果たした伝説のマシン「Honda RA272」を筆頭に、2006年のハンガリーGPで劇的な勝利を収めた「Honda RA106」、2021年にマックス・フェルスタッペンが自身初のドライバーズチャンピオンに輝いた「Red Bull Racing Honda RB16B」などの歴代F1マシンも展示された。

併せて市販車では「プレリュード」のプロトタイプ展示もあった他、F1シミュレーターや、タイヤ交換のスピードに挑戦するピットストップチャレンジなど、F1の世界をリアルに体感できるコンテンツを用意された。

ライブステージでは、倖田來未、GENERATIONS、Zeebra、Red Eye、Def Tech、FRUITS ZIPPER、CUTIE STREET、MASHIHOといったアーティストのパフォーマンスも行われた。

ホンダでは、これまで取り組んできたレース運営や鈴鹿サーキットへ来場して貰うための施策と共に、今後も引き続き鈴鹿まで来て貰うことが難しい層にもF1の魅力を周知するためにホンダグループとして連携し、様々な取り組みを行っていきたい。

今回のデモンストレーション走行は、その取り組みの一環で、今後も東京などを中心に、F1日本GPを楽しんで貰えるサーキット以外のタッチポイントを増やしていきたいとした。

確かに昨今、世界を見渡して見るとF1マーケットはプロスポーツとして人気だ。2017年にF1運営の経営権を獲得した米リバティ・メディアは、後に2輪のMotoGPも吸収するなどで、収益は既に2027年当時の2倍に。2024年のF1レースの総観客動員数は前年比9%の650万人に達している。

一方で日本国内に於けるF1人気は、かつての80・90年代からの40〜50代のファン層で占められている。このガラパコス的な状況は、一貫性に欠いていた当のホンダにも一因がある。その結果、ホンダは、撤退と復活毎に離散した人材リソースの再集結という難問に喘いだ。

一方でF1の世界を改めて翻ると、そのビジネスは、例えエンジンサプライヤーであってもエンジンカバーに自社のロゴを入れたければフィーを支払うことを求められるケースが普通であり、そもそもパワーニットの供給メーカーが潤う仕組みは存在しないのが現状だ。

けれども100年に一度の変革期を迎えた自動車メーカーの経営には巨額のコストが掛かる。従ってごく普通の一般企業としてホンダを俯瞰した際、近年のエンジン供給に係る混乱も頷ける話ではある。

それでも今年のホンダは鈴鹿のパドック上で、ホンダモビリティランドと共同で「ビジネスカンファレンス」を開催した。果たしてホンダは今後、日本国内に於けるかつてのプロ野球や、現在のサッカーのように日本国内に於いてF1の価値を浸透させられるのか。

少なくとも筆者が知る限り「普通の会社を目指さない」筈がホンダ流ゆえに、ホンダが推し進めるF1復活の成功を期待したい気持だ。

イベント開催実績
名 称:F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025
日 時:
4月2日(水)12:00〜17:00
4月4日(金)10:00〜20:00
4月5日(土)10:00〜20:00
4月6日(日)10:00〜20:00
動員数:
計4日間 のべ33,000人
会 場:
東京都江東区青海NOP区画 お台場特設会場
総 裁:瑶子女王殿下
共同主催:本⽥技研⼯業株式会社
ホンダモビリティランド株式会社
協 力:Formula One Management
国際トップモータースポーツ体験事業実⾏委員会
後 援:外務省、国土交通省、総務省、観光庁、東京都、
江東区、イタリア大使館、オランダ王国大使館、スペイン王国大使館、ハンガリー大使館、ブラジル連邦共和国大使館、ベルギー王国大使館、メキシコ大使館、オーストリア文化フォーラム
オフィシャルサイト:https://f1tokyofestival.com