NYIASでは100周年記念イベントが行われる
ステランティス傘下のクライスラーは4月16日(米ミシガン州オーバーンヒルズ発)、今年125周年を迎える2025年ニューヨーク国際オートショー(NYIAS)の舞台で、セダン、ミニバン、コンバーチブル、クロスオーバー車などの歴代車を生み出してきた100年の歴史を辿り足跡を伝える。またこれを記念して2025年4月16日から27日まで100周年記念イベントが実施される。
クライスラーのブース展示では、ブランドが歩んできた足跡、常に時代をリードしてきた技術、加えて明るい未来を示す3台の特別車両などの他、1924年型クライスラー シックス、2025年型クライスラー パシフィカ、そしてクライスラー ハルシオンコンセプトの実車が展示される。
100年に亘ってイノベーションの象徴であり続けた
この100年間に亘る歴史辿ることについてクライスラーのクリス・フォイエルCEOは、「クライスラーは自動車の歴史と文化に於いて重要な位置を占めており、100年に亘ってイノベーションの象徴であり続けた。
ウォルターPクライスラーと1924年式クライスラー・シックス
HEMI® V-8エンジンの導入から、ミニバンセグメントやストウ&ゴーシートの創出まで、1世紀全体がイノベーションの世紀だったのです。
ビッグスリーの元祖として、クライスラーはクライスラー300のような象徴的な車で産業の成長に貢献し、文化に影響を与えました。クライスラーは単なる自動車ブランドではなく、自動車産業の重要な一部です。
今年はそんな100周年の偉業を祝うと共に、ウォルター・P・クライスラーの革新性、卓越したエンジニアリング、そして美しく手頃な価格の自動車を消費者へ届けるという伝統と共に、それが未来へと続いていくことを改めて表明する機会としたいのす。
ブランドがこの節目を祝う中、2026年にはクライスラー・パシフィカの刷新、その後まもなく新型クロスオーバー、そしてハルシオン・コンセプトにインスパイアされた3つ目の製品など、エキサイティングな新製品のリリースが控えており、未来は明るいと感じています」と話している。
クライスラーブランドの新たな100年が再び始まる
今回のNYIASでの車両展示は、クライスラーブランドの新たな100年が始まることの号砲となる。同ブランドは1925年6月6日、マクスウェル モーターズ(Maxwell Motor Corp.)を正式に迎え入れたことによりクライスラーコーポレーション(Chrysler Corp.)が発足。ウォルター P. クライスラーが社長に就任した6月6日から数えて100年目の日に正式に100周年を迎える。
そんなクライスラーコーポレーションは、1928年にはダッジブラザーズ(Dodge Brothers Inc.)を吸収合併して規模を拡大。1937年には国内販売シェアが25%超となってアメリカ第2位の自動車ブランドとなった。今年のNYIASでは、その100年目の足跡を称える取り組みやイベントが予定されているという。
上から1951年式ニューヨーカー、1955年式ファルコン、1958年式300D
またCollection.Chrysler.comでは、アパレルやギフトを含む100周年記念ブランド商品ラインを発表。「世紀のイノベーション」をテーマにしたその他のイベントや取り組みについては、今年後半に順次発表していく予定だ。
上から1990年式タウン&カントリー、1991年式レバロン・クーペ、2007年式PTクルーザーリミテッド
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さて、ここで100年の歴史を振り返ってみると20世紀は、クライスラー エアフロー、インペリアル、ニューヨーカー、タウン&カントリー、300Cなど、数え切れないほど多くのクルマを生み出してきた。そこでNYIASに於いてクライスラーは、ブランドの始まり、現在の場所、そして将来の方向を示すために「Stow ‘n Go Challenge」と題して以下の3つの展示車両を選定した。
クライスラー シックス:1924年に誕生したクライスラー シックスは、自動車の歴史上に於いて時代の1ページを示している。今回、ステランティスの自動車アーカイブ群から貸し出された車両は、創設者のウォルター P. クライスラー氏が1924 年の全国自動車ショーのためにニューヨーク市に持ち込んだのと全く同じ車両となる。
そんなクライスラー シックスは、画期的な Lヘッド6気筒エンジンと4輪油圧ブレーキを備えた軽量かつパワフルな車両だった。1924年時の価格1,565 ドルで、管状フロント アクスル、全圧力潤滑、アルミニウム ピストン、交換可能なオイルおよびエア フィルター、ショックアブソーバー、間接室内照明が含まれていた。
クライスラー パシフィカ プラグイン ハイブリッド:クライスラーがミニバンカテゴリーを造り出してから40年以上。その間に1,500 万台のミニバンを製造してきた。そんなクライスラーは、2017年にクライスラー パシフィカとパシフィカ プラグイン ハイブリッドを打ち出すなど現在も同分野のリーダーであり続けている。
パシフィカ プラグイン ハイブリッドは、今日も同分野で最初かつ唯一のプラグイン ハイブリッドであり、パシフィカはこれまでで最も多くの賞を受賞したミニバンでもある。
2 列目と 3 列目の座席を床に格納できる革新的な座席および収納システムであるStow ‘n Goなど、この分野独自の機能を追加・提供し続けてきた。
クライスラー ハルシオン コンセプト:2024年に発表され、NYIASで初めて披露されるクライスラー ハルシオン。そのコンセプトはクライスラーの将来のデザインテーマと方向性を表し、ブランドのビジョンである「ハーモニー・イン・モーション(Harmony in Motion)」を体現している。
そのモダンで持続可能なデザインを持つハルシオン コンセプトは、空力と彫刻の要素をバランスさせた純粋で流線型の外観デザインと、ほぼ360度の視野を備えた没入型のインテリアで際立った佇まいを見せている。
自律運転機能を備えたストレスのないスマートコックピット。高度なヘッドアップディスプレイなど、ハルシオン コンセプトの一部のデザイン要素と機能は、将来のクライスラー製品に提供される可能性を包括したものとなっている。
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その他の100年間の主要なイノベーション群は以下の通り
未来のビジョン: 1934年型クライスラー・エアフローは、ミシガン州ハイランドパークの本社に建設された新施設で、風洞実験によって設計された最初の量産車だ。風洞実験は、エアフローの改良されたティアドロップ型の形状にインスピレーションを与え、将来の設計とエンジニアリングの進歩を象徴する車となった。
HEMIの誕生日:HEMIエンジンはステランティスブランドの歴史に於いて象徴的な立ち位置を有している。高馬力モデルの歴史は1951年、この伝説的な半球型V-8を搭載したクライスラー・ファイアーパワーV-8エンジンから始まった。
タービンパワー:クライスラーは1954年に革新的なガスタービンエンジンのテストを開始し、1963年には50台のクライスラータービン車が実用評価のために全国200世帯に貸し出された。
OGマッスル: 最初のマッスルカーの一つであるクライスラー300は1955年に発売された。ハードトップには300馬力のHEMI V-8エンジンが搭載され、ソリッドバルブリフターとデュアル4バレルキャブレターを備え当時、世界で最もパワフルなフルサイズカーとなった。
クルージング・アヘッド:国の高速道路システムが形になり始めると、クライスラーは準備を整え、1958年に自動速度制御を導入し、1959年にはクルーズコントロールをオプションとして導入した。
ディスクチェンジャー:1956年にクライスラーは車載レコードプレーヤーを導入し、1960年には19枚の小型レコードを収納できる45回転ディスク用の車載レコードプレーヤーを導入した。
ミニバンの思い出:1983年11月2日、1984年モデルとして最初のミニバンがラインオフ。それから40年以上経った今でもクライスラーはクライスラー・パシフィカ、パシフィカ・プラグイン・ハイブリッド、そしてボイジャーで、セグメントリーダーの地位を保っている。
開けゴマ: 1996年にクライスラーは運転席側スライドドアを導入し、その後2001年に電動デュアルスライドドアを導入した。
ストウ・アンド・ゴーはそのまま:2005年モデルで導入されてから20年間、提供されてきたクライスラーの代名詞となった「ストウ・アンド・ゴー」は、2列目と3列目のシートを収納できる機能でミニバンに革命を起こした。
テレビの時間: 2022年、クライスラー・パシフィカはパシフィカUconnectシアターシステムで、後部座席向けサブスクリプション型テレビコンテンツの提供を開始する。