コーナリングマシン本来の速さをとりもどすために
いよいよSUPER GTの2016年シーズンがスタートする。開幕戦の舞台となるのは岡山国際サーキット(岡山県美作市)。同サーキット、そして富士スピードウェイと2度の公式テストを終えて、チームは好感触を持って開幕入りした。
SUBARU BRZ GT300は、公式テストを経てコーナリングマシンとして、さらに速さに磨きを掛けている。その手応えについて、STI総監督を務める辰己英治氏は、「まず2015年車両と比べて、タイヤを変えたことで1段階性能が向上しました。
これを岡山のテストに持ち込んで問題点の洗い出しをし、続く富士のテストで問題が解消されたことを確認しました。
具体的に言うと、岡山の時点ではフルブレーキング時に不安定になることがありましたが、富士では解消されています。
さらにその富士で見つかった問題を修正してこの岡山に持ち込んでいます。公式テストの段階では、まだ幅広タイヤを100%使い切れていない部分があるなという感じでした。
ですからサスペンションのジオメトリーなど、車体側も修正して、幅広タイヤをもっと有効に使うことを考えています。車体や空力に合わせて、エンジンも若干ではありますが去年よりも性能が上乗せされています」と語った。
今季のマシンのポイントは、フロントタイヤのサイズアップによるコーナリング性能の向上、空力性能のアップ(フロントフェンダーの造形変更およびミラーの位置変更、小型化に伴うリヤウイングの効率向上=ウイングを寝かすことができる)、そしてホイールの軽量化を果たした。
これによりリアは1本あたり約400g軽量化、昨年比800gを軽量化。幅広化したフロントもほぼ同じ程度の重量におさえられている、これらの要因の相乗効果によって、コーナリングだけでなく最高速も2〜3km/hは向上した。
緒戦で、狙うは予選上位からの逃げ切り。ポテンシャルには手応えは充分だと云う。
9日(土)の予選に向けて辰己選手は、「予選トップを獲って逃げ切るつもりで戦います。
我々のマシンはポールポジションを獲るだけのポテンシャルはもっています。もちろん時の運で何が起きるかは分からない部分もありますが、悪くても3番手で予選を通過していきたいです。
そもそも岡山は途中で追い抜くのが難しいサーキットですが、SUBARU BRZ GT300との相性は悪くないと思っています。
富士のテストでの改良がどうでるかは、本番を迎えないと分かりませんが、コーナリングマシン本来の速さを取り戻すべく取り組んできています。
いい流れで来ていると思いますので、予選ではご期待ください」と、その手応えを語り自信を覗かせた。
公式練習の開始は9日(土)の9:00から、そして約2時間の走行を経て14:50から公式予選というスケジュールとなる。