三菱自動車、米国子会社MMNAの車両生産を2015年11月末で終了し、岡崎工場に集約

三菱自動車工業株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長兼ＣＯＯ：相川哲郎、以下、三菱自動車）は７月２７日、米国の子会社であるミツビシ・モーターズ・ノース・アメリカ・インク（MMNA，本社：米国カリフォルニア州サイプレス市，工場：イリノイ州ブルーミントン・ノーマル市）が生産・販売を行う『アウトランダー・スポーツ（日本名：RVR）』を、2015年11月末をもって生産終了し、今後、同モデルの主力生産拠点である岡崎工場に集約すると発表した。

なお、上記は7月30日に開催される三菱自動車取締役会で正式に機関決定される予定。生産終了に伴いMMNAでは、UAW※の支援も得ながら、買い手探しを行っていくとしている。

mitsubishi-motors-the-vehicle-production-in-the-united-states-subsidiary-mmna-and-ended-in-2015-the-end-of-november-and-aggregated-into-okazaki-plant20150727-1 — 写真は、北米三菱自動車株式会社イリノイ工場（ＭＭＮＡ）

三菱自動車の米国における生産事業は、1988年にクライスラー社との合弁会社「ダイヤモンド・スター・モーターズ（DSM）」として稼動開始。

以降、1991年にクライスラー社が持つDSM株式を全て買い取り三菱自動車の工場として生産を続けて来た。

2000年には、生産台数が222千台を超えたが、その後、クライスラー社向けOEM生産の終了、リーマンショックの影響等が重なり、2009年には18.5千台と大きく落ち込んだ。

2012年からは、『アウトランダー・スポーツ（日本名：RVR）』の生産を開始し、北米向に加え、ロシア・中近東・中南米向の生産も行うことで、生産効率向上を図った。

これにより、生産台数・稼働率引き上げを図ってきた。実際、北米市場の市場回復もあり、生産台数は、2013年には70千台まで伸びた。

しかしそれでも、完成車組立工場の規模としては小規模であったところに、生産台数の1／3を占めていたロシア向け輸出が、2014年度後半からの需要低迷により大幅に減少し、生産台数が一段と落ち込んだという経緯がある。

そこで三菱自動車では、米国での車両生産を終了し岡崎工場に集約、日本からの輸出に変更する事とした。

三菱自動車では、「米国は、今後も需要の増加が見込まれる成長市場であり、日本及びタイから製品供給を継続することにより、引き続き米国におけるブランド構築と販売拡大に取り組んで行きます」と述べている。

※ United Auto Workers　全米自動車労働組合

〔MMNA概要〕
1．所在地
：（本社）カリフォルニア州サイプレス市
（生産工場）イリノイ州ブルーミントン・ノーマル市
2．資本金
：398,812千米ドル
3．株主
：三菱自動車工業株式会社　100%
4．役員
：取締役会長兼 CEO　上杉雅勇
5．従業員数（2015年6月）
：（全社）約1,650名　（生産部門）約1,250名
6．沿革
1988年、三菱自動車、クライスラー社との合弁会社「ダイヤモンド・スター・モータース（DSM）」として生産がスタート。1991年10月、三菱自動車がDSMの全株式を取得し、現在に至る。

1988年から北米専用車として『エクリプス』を、その後『ギャラン』『スパイダー』『エンデバー』を2012年まで生産。現在は『アウトランダー・スポーツ』を生産。他にクライスラー車を2005年までOEM生産。

最大生産台数は、2000年の22.2万台。2014年生産台数は、6.9万台。累計生産台数は、約325万台。