ネッツトヨタ富山、音声対話型AIを活用した未来の販社像を提案

AIと人が共存する“心のある接客”で販社を再び夢のある稼業に

ネッツトヨタ富山(本社:富山県富山市、代表取締役社長:笹山泰治)は、目的駆動型対話AI「S.P.A.R.K.(スパーク)」を開発するgin(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:渡邉裕介)並びにインキュベーション施設のSTATION Ai(ステーション・エーアイ/本社:名古屋市昭和区、代表取締役社長 兼 CEO:佐橋 宏隆)と連携。これらを介してAIソリューションを軸とした新たな自動車ディーラー像を打ち出した。

*冒頭画像は新店舗のイメージパース

この取り組みの核心は、営業スキルの属人化解消と、顧客体験の向上を実現させ、AIと人が共に一緒になって新たな営業スタイルの確立を目指すもの。

ちなみにネッツトヨタ富山が、今回ginと協業した背景には、自動車販売事業に於いて、営業スキルや提案力の属人化、顧客接点の希薄化、若手人材の採用難、商談時間の長時間化による現場負担の増大などの幾つもの課題を抱えていることがあった。

また顧客にとってディーラーは「購入や点検の時だけ訪れる場所」という固定概念に縛られていることも大きな課題として認識していた。

共同開発するAIソリューションの概要

ネッツトヨタ富山は、これらの課題を構造的に解決するため、ソフトバンクが2024年10月に開業させたオープンイノベーション拠点「STATION Ai」に参画し、支援プログラム「SKIP Focus」を通じて協業先を探索。その結果、音声AI領域で高い専門性を持つginとの協業を決めた。

今協業では、まずginが開発した対話から本音を引き出すためのAI基盤役を担う音声対話型AI「S.P.A.R.K.」を活用し、発話内容に加え、声のトーンや間、抑揚といった非言語情報を解析することで、顧客自身も言語化できていない潜在ニーズを可視化するAIソリューションを構築する。

同社によると協業の本質は、単なる業務効率化ではないという。AIがヒアリングや分析を担うことで、スタッフは“人にしかできない心のある接客”に集中することに注力して貰うという。

目指すのは「効率化」ではなく「人の価値最大化」

そのビジネスソリューションの核心は、「AIと人の力で、自動車業界をもう一度“夢のある稼業”にする」のだとした。

実際、ネッツトヨタ富山で代表取締役社長を務める笹山泰治氏は、「自動車ディーラーはこれまで、“クルマを購入する場所”“点検のために訪れる場所”という役割でした。しかしこれからは、地域に開かれ、暮らしや移動について自然に相談できる存在へと進化していく必要があります。

ネッツトヨタ富山の店舗は、単なる販売拠点ではなく、人が集い、新しい体験が生まれる場を目指しています。

その中核を担うのが、ヒトとAIの協業です。AIがヒアリングや分析、営業支援を担い、スタッフが“人にしかできない心のある温かい接客”に集中できる環境をつくる。

効率化に留まらず、人の価値を最大化するAIを実装することで、新しいオペレーションを確立し、自動車ディーラーの未来を変えていくことにあるのです」と述べた。

お客様の“言葉にならない潜在的な意図”を理解できるように

これに加えてginで代表取締役を務める渡邉 裕介氏は、「私たちはS.P.A.R.K.を通じて、テクノロジーが人の温かみを奪うのではなく、むしろ人の可能性を拡張する未来を目指しています。

カーディーラーの現場では、接客・提案の質が経験や勘に依存しやすく、担当者によって顧客体験に差が生まれやすいという課題があります。

ginは、S.P.A.R.K.を基盤に、発話内容に加えて声のトーンや間、抑揚といった非言語情報も手がかりにしながら、お客様の“言葉にならない潜在的な意図”の理解を支援します。

AIが効率化とインサイトの可視化を担い、人は人にしかできない“心のある接客”に集中できる——その共存を実装することで、次世代ディーラー店舗の実現に挑戦します」とネッツトヨタ富山との共通の目標を目指していくと結んでいる。

自動車ディーラー向けAIソリューションの全体像
今回の協業では、「S.P.A.R.K.」のプラットフォーム上に、以下の3つの機能を持つAIソリューションを構築する。当該ソリューションは既存の外部システムの入庫情報やCR(カスタマー・リテンション)活動情報とも連携させる。

(1)慮(おもんぱかり)AI・・・顧客ヒアリングAI
来店前のお客様に対し、アプリを通じてAIがヒアリングを行う。これにより24時間365日対応可能なだけでなく、声のトーン、間、抑揚などの非言語情報から「心の奥にある本音」までを深掘りする。これにより、店頭でのヒアリング時間を短縮しつつ、提案の質を飛躍的に向上させる。

(2)導(ナビゲーター)AI・・・営業支援・戦略指示AI
「慮AI」で得た情報や顧客データベース、市場トレンドなどを横断的に分析し、営業スタッフに対して「誰に」「いつ」「どのような」アプローチを行うべきか、最適な戦略をナビゲートする。経験の浅いスタッフでもベテラン並みの提案が可能となり、成約率の向上と業務効率化を実現させる。

(3)学(まなぶ)AI・・・教育・ロープレAI
トップセールスのノウハウを学習し、スタッフの商談練習(ロープレ)相手となることで、組織全体のスキル底上げを図る。

「STATION Ai」との連携について
今連携は、ネッツトヨタ富山がSTATION Aiが運営する国内最大級のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」にパートナー企業として入居したことで生まれた。

これらの戦略・戦術を得られたことに関してネッツトヨタ富山では、自社が抱える課題に対しSTATION Aiがスタートアップ企業の協業先を公開探索し、その結果、ginの提案が自社課題とマッチしたことで今回の協業に結実したと考えているという。

会社概要
ネッツトヨタ富山株式会社
代表者:代表取締役社長 笹山 泰治
所在地:富山県富山市新庄本町3-3-33
事業内容:トヨタ車の新車販売、中古車販売、自動車整備、損害保険代理業務ほか
Webサイト:https://www.netz-toyama.co.jp/

株式会社gin
代表者:代表取締役 渡邉 裕介
所在地:神奈川県横浜市1 丁目 2-5 横濱ゲートタワー 3F
事業内容:対話 AI プラットフォーム開発、受託開発、セキュリティコンサル
技術領域:音声技術 / LLM / セキュリティ / Web・モバイル
Webサイト:https://g-in.co.jp/

STATION Ai施設概要
場所: 名古屋市昭和区鶴舞1丁目(旧愛知県勤労会館跡地)
規模: 地上7階、延べ床面積約2.3万m²
運営: STATION Ai株式会社(ソフトバンクが主体)
構造: コワーキングスペース、個室オフィス、カフェ、レストラン、イベントスペース、宿泊施設(7階)
特徴: 建物全体がスロープで繋がる設計で、偶発的な交流(セレンディピティ)を生み出す
環境: ZEB Ready基準の環境配慮型オフィス、ロボットフレンドリーな実証実験環境
主な機能:
スタートアップ支援: メンタリング、資金調達支援、採用支援
オープンイノベーション: 大企業とスタートアップのマッチング、イベントの定期開催(1日3回以上)
グローバル連携: 世界の支援機関とのネットワーク
Webサイト:https://stationai.co.jp/