VW、I.D. CROZZ II世界初披露。新型T-RocとPolo GTI公開へ


2025 年にフォルクスワーゲン ブランドは電気自動車を23車種提供するとヘルベルト ディースCEO

ウォルフスブルグ・フランクフルトで開催されたIAA2017こと「第67回フランクフルト国際モーターショー」で、フォルクスワーゲンブランドは2020年に生産を開始するゼロエミッションSUV「I.D. CROZZ II(アイ.ディ.クロス II)」のワールドプレミアを実施した。

さらに新しい「T-Roc(ティーロック)」、新型「Polo GTI(ポロ GTI)」、アップデートされた「Golf Sportsvan(ゴルフ スポーツバン)」の 3 モデルを一般消費者に向けて初公開している。

これらの次世代車発表についてフォルクスワーゲン乗用車ブランドのCEOを務める Dr. ヘルベルト ディース氏は、「フォルクスワーゲンは、2020 年までに全モデルシリーズの刷新を図るとともに、重要なセグメントについては新たに参入する予定です。

2025年には、フォルクスワーゲン ブランド単体で、23車種の電気自動車を提供し、今後5年間で e-モビリティに60億ユーロを投資する方針です。

その過程において、e-モビリティ以外の駆動技術も、今後当分の間は存続することになるでしょう。ディーゼル、ガソリン、電気駆動が相互に補完することは、理にかなっています」と述べた。

独・VW、IAA2017でI.D. CROZZ II世界初披露。新型T-RocとPolo GTIを公開

同ブランドは、進化した 4 ドアの電気自動車コンセプトカー、「I.D. CROZZ II」を通じて、自社にとっての未来のSUV像を一般消費者に向けて披露した。

この男性的な印象を持たせたSUVとクーペを融合したクロスオーバーモデルは、将来の生産仕様を考慮しながら、車両の実生産に向けて体系的な進化を遂げている。

例えばインテリアでは、広いスペースと様々なアレンジが可能なシートコンセプトが目を引く。

スタイリング上「I.D. CROZZ II」には、Bピラーが存在しないため、大型のスイング/スライドドアを開くと、大きな開口部が生まれ、クロスバイクも問題なく積載することが可能だ。

室内には新開発た“CleanAir”システムにより、室内には常にクリーンなエアが供給される。

またボイスコマンドを利用して、ドアの自動開閉を行ったり、“I.D.Pilot”と呼ばれる完全な自動運転モードを起動したりすることができる。

パワーユニットの配置を見ると、フロントとリヤのアクスルに駆動用の電気モーターが搭載され、前後アクスルのトルク配分は、“エレクトリック プロペラシャフト”を介して制御されている。

フォルクスワーゲンブランド、2017 フランクフルトモーターショーで自動車の未来への道筋を示す

このSUVの実質的な出力は225kW(システムパワー)で、最高速度は180km/h に到達する。1 回の充電で最大 500km(NEDC:新欧州ドライビングサイクル)を走行することが可能だ。

加えて同社ブランドの製品ラインアップには、新たに「T-Roc」「Polo GTI」に今回アップデートされた「Golf Sportsvan」が追加された。

ここではこれら個々の新ラインナップについて紹介していく。まずその筆頭に挙がるのが、新しく鮮烈なデザインが与えられた「T-Roc」である。

オールラウンドな性格を持った同車は、前輪駆動と 4WD の両方の仕様が用意されており、SUV ならではの存在感とスポーティなコンパクトモデルの俊敏性を融合させている。

またこの「T-Roc」は、さまざまな仕様の設定、とりわけカラーコンビネーションによって、このセグメントのクルマに刺激を与えることができる。

実際「T-Roc」は、フォルクスワーゲンの SUV としては初めて、ルーフセクション(A ピラーとドアミラーハウジングを含む)に対照色を使った 2 トーンの仕様を注文することが可能だ。

その他、新型「T-Roc」のハイライトとしては、最新のアシスタンスシステム(“Front Assist”(フロントアシスト)、“Lane Assist”(レーンアシスト)を標準装備、“Traffic Jam Assist”(トラフィックジャムアシスト)をオプション設定)、新世代に進化した“Active InfoDisplay”(アクティブインフォディスプレイ)、俊敏性、効率的なエンジン、理想的なコネクティビティ、「Golf(ゴルフ)」に匹敵する乗り心地などが挙げられる。

「Golf Sportsvan」をアップデートして、トラフィックジャムアシスト、ジェスチャーコントロール等の新機能を追加

さらに今フランクフルトでは、エクスクルーシブな性格をさらに高めた「R-Line」仕様も初披露された。

加えてスポーツコンパクトカーの代名詞として世界中に知られた GTI の名称は、フォルクスワーゲンブランドとは切っても切れないものだが、今回フォルクスワーゲンにGTI が登場する。それが新世代の「Polo GTI」である。

これにより今やアイコンとなった「Golf GTI」(169kW/230PS 及び 180kW/245PS)、2018 年に発売予定の「up! GTI」(85kW/115PS)、そして 147kW/200PS のパワーを発生する新型の「PoloGTI」と「GTI」ファミリーのラインナップに全部で3 種類のモデルが揃う。

いずれもラジエターグリルの赤いライン、伝統的な“クラーク”柄のシートカバーなどが、GTI モデルに共通する特徴点となっている。

もう 1 台、今回フランクフルトショーで一般に初公開されたのが、アップデートが施された「Golf Sportsvan」である。

このクルマは、「Golf」の良さは理解しているものの、より高いシートポジションや、多目的に使える広い室内スペースが欲しいというユーザーに訴求するために追加された。

新しい「Golf Sportsvan」の技術的なハイライトは、3 タイプの新しいガソリン(TSI)エンジン、新しいインフォテイメントシステム(最上級システムには初のジェスチャーコントロールを搭載)した。

スタイリングはバンパー、ラジエターグリルのデザインを一新し、新しくLEDテールライトユニットを採用したことで、エクステリアはよりシャープな印象になっている。

このクラスで最も多目的に使えるクルマの 1 台である「Golf Sportsvan」は、ラゲージ容量を最大1,520リッターまで拡大することができ、リヤのベンチシートは前後180mm スライド調整することが可能。ドイツ国内では今秋から、予約注文の受け付けが開始される予定となっている。