TDK、Trigence Semiconductor社に出資・協業へ


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TDK株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:上釜 健宏、以下TDK)は、デジタルスピーカー向けデジタル信号処理技術の開発を行っている株式会社Trigence Semiconductor(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡村淳一、以下、Trigence社)に対して、デジタルスピーカーの開発支援及びTDKの「SESUB®」技術を使用したIC内蔵基板の市場拡大を目的とした出資を行った。同出資は、インテルキャピタル及び株式会社産業革新機構と共同で実施した。

Trigence社は、アナログ信号とデジタル信号をお互いに変換する技術に強みを持ち、デジタルスピーカー向け信号処理技術「Dnote®」の技術開発を行っている。

「Dnote®」技術は、CD等のデジタル音源をアナログ信号に変換し、アンプで増幅した信号でスピーカーを駆動させていたものを、デジタル信号を直接スピーカーに送ることにより、大幅な低消費電力化及び省スペース化、音質の向上を実現するもの。

独自のデジタル信号処理技術であるDnoteは、デジタル信号を直接スピーカーに送ることによって、消費電力を大幅に削減しつつ音質を格段に改善できることを特徴としている。

同技術はすでに日本のオーディオメーカーにライセンス供与されており、高い評価を得ている。

このTrigence社は、2006年に法政大学・理工学部の安田彰教授が設立した会社で、一貫してデジタルオーディオ技術を開発し、最先端技術のライセンス供給を行なっている。

一方、TDKのIC内蔵基板SESUB®技術は、得意とするインダクティブデバイスやHDD用磁気ヘッドの製造で培った独自の微細加工技術と材料技術を集結して開発してきた。

このSESUB®技術を使うことにより、基板上の実装面積の低減による小型化、薄型化、良好な放熱性による設計自由度の向上等、多くのメリットを得ることができる。

今後、Trigence社のDnote®技術と、TDKのSESUB®技術をはじめとする小型部品を組み合わせることで、機器の省電力化や小型化、高音質化といったシナジー効果を生み出すことが可能となり、将来的には広域用途の例えばモバイル機器等への標準搭載も考えらる。

Trigence社はこれまでインテル社や株式会社産業革新機構等の支援を受け、研究開発を行ってきたが、TDKでは、同Trigence社と相互に協力して、小型化に向けた開発を推進していく。

なおTDKのSESUB®を用いたデジタルスピーカーについて、2016/1/6~9に米ネバダ州ラスベガス市で開催されるCES2016のTrigence社ブースにて展示される予定だ。

【Trigence社の会社概要】
社名 : 株式会社 Trigence Semiconductor
(トライジェンス セミコンダクター)
所在地 : 東京都千代田区外神田2-5-15
代表取締役 : 安田 彰(会長),岡村 淳一(社長)
主な事業の内容 : デジタルスピーカー向けデジタル信号処理技術(Dnoteディーノート)の開発
創業 : 2006年2月6日
注) Dnoteは、日本、米国及びその他の国における 株式会社Trigence Semiconductor の商標または登録商標。

TDK株式会社について
TDK株式会社(本社:東京)は、各種エレクトロニクス機器において幅広く使われている電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立された。

主な製品としては、各種受動部品※(製品ブランドとしてはTDK、EPCOS)をはじめ、電源、HDDヘッドやマグネットなどの磁気応用製品、そしてエナジーデバイスやフラッシュメモリ応用デバイス等がある。

アジア、ヨーロッパ、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、現在、情報通信機器、コンシューマー製品、自動車、産業電子機器の分野において、電子部品のリーディングカンパニーを目指しビジネスを展開。
2015年3月期の売上は約1兆800億円で、従業員総数は全世界で約88,000人。