WEC2025年シーズン「第4戦ル・マン24時間」が6時間を経過

2025年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦・第93回ル・マン24時間に於いて6月14日、いよいよ決勝の幕が切って落とされた。

曇り空ながらも暖かい天候で、およそ32万人の大観衆が見守る中、現地時間午後4時に決勝がスタート。ブエミ選手がドライブする8号車が10番手、コンウェイ選手の7号車が16番手からの蹴り出しとなった。

その後、2台のGR010 HYBRIDは追い上げを開始したが、7号車はスタート早々の1周目にプジョーとの接触があり、ボディに軽いダメージを負った。

コンウェイ選手はトップ10圏内を狙える位置まで順位を上げ、1時間が経過する頃には2台のアルピーヌを抜いた。

ブエミ選手も安定した走行を続け、コース上でBMW 15号車を抜くと、ピットでフェラーリ51号車にも先行し、2時間を経過する頃には7位に順位を上げた。

2時間を経過した時点で、8号車はブレンドン・ハートレー選手にバトンタッチ。このピットで新品のタイヤに交換したため、フェラーリ51号車とBMW 15号車に再び先行を許す。

一方、7号車は小林可夢偉選手に交代し、新品タイヤで猛追を開始。しかしミュルサンヌコーナーでタイヤをロックさせてしまい、15秒ほどタイムロス。4時間を迎える頃、7号車はピットでダメージを負った右フロントタイヤを交換した。

4時間台に入ると8号車のハートレー選手がキャデラック311号車を攻めて6位争いを展開。小林選手がステアリングを握る7号車も順位を11位に上げた。

4時間半が経過したところで2度目のドライバー交代が行われ、8号車は平川亮選手が6位争いを続ける一方、7号車のニック・デ・フリース選手もトップ10圏内入りを目指しプッシュを続けた。

7号車は激しいバトルの末に13位まで順位を上げ、トップ10まであと数秒というところまで迫ったが、デ・フリース選手の最初のピットでピットレーンでのスピード違反を犯してしまい、50秒間のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受けることになった。

このペナルティは6時間経過直前のフルコースイエロー中に消化したが、その結果、順位は18位まで脱落した。

TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、6時間の間、21台の強力なハイパーカーと激しい戦いを繰り広げ、レースは4分の1を経過した。

スタートから6時間を経過した時点で、TGRのGR010 HYBRIDは、セバスチャン・ブエミ選手、ブレンドン・ハートレー選手、平川亮選手がドライブする8号車が6位。

小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ニック・デ・フリース選手の7号車はペナルティにより18位まで順位を落とし、トップ10圏内を目指して走り続けている。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):
我々の7号車は、やや波乱のあるスタートを切りました。順位的には望んでいた位置にはいませんが、クルマには問題がなく、まだまだレースは長いです。

1周目にダメージを負い、ペナルティも受けてしまいましたが、現段階では生き残ることが重要です。今、最も大切なのは、安定したペースで確実にクルマをコントロールし続けることです。まだ始まったばかりですが、全力を尽くして戦っています。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):
スタート時のプジョーとの接触があったのは本当に残念です。まだ24時間レースの1周目だというのに、全くスペースがありませんでした。その接触により、車体の左側にダメージを負ってしまいました。

その後の走行には影響がありませんでしたが、スタートであのような接触は避けたいもので、今後どんな影響が出るかも分かりません。接触後は冷静になり、リズムを取り戻して何台かをパスしましたが、ピットで再び順位を落としてしまいました。レースは始まったばかりなので、これからが勝負です。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):
スタートから非常に接戦の中で激しいバトルが繰り広げられました。我々のペースは悪くなく、いくつか順位を上げることができました。スタート順位を考えると、私のスティントの最後にはトップ6を走れたというのは良い兆しです。まだ我々は接戦の真っ只中にいますので、最後まで集中を切らさずにプッシュし続けます。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):
私のスティントではミスなく、クリーンに走ることができました。現時点では特に最高速に関して少しパフォーマンス不足を感じており、ポジションアップは難しい状況です。しかし、チーム全体が一丸となって全力で戦っており、メカニックも着実なピットストップを行ってくれました。長いレースですが、今のところ順調です。

WEC 第4戦ル・マン24時間 6時間経過時順位(※)
順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 トップとの差

1 83
ロバート・クビサ
イーフェイ・イエ
フィル・ハンソン AFコルセ/
フェラーリ 499P 99

2 50
アントニオ・フオコ
ミゲル・モリーナ
ニクラス・ニールセン フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P 99 3.962

3 6
マット・キャンベル
ケビン・エストレ
ローレンス・バンスール ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
ポルシェ 963 99 26.578

4 51
アレッサンドロ・ピエール・グイディ
ジェームス・カラド
アントニオ・ジョビナッツィ フェラーリAFコルセ/
フェラーリ 499P 99 1:13.474

5 20
レネ・ラスト
ロビン・フラインス
シェルドン・ファン・デル・リンデ BMW M TEAM WRT/
BMW M Hybrid V8 99 1:54.384

6 8
セバスチャン・ブエミ
ブレンドン・ハートレー
平川亮 TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID 99 1:58.795

18 7
マイク・コンウェイ
小林可夢偉
ニック・デ・フリース TOYOTA GAZOO Racing/
トヨタ GR010 HYBRID 98 1 Lap
※最新リザルトは https://fiawec.alkamelsystems.com/ を確認されたい。