国立大学法人佐賀大学(本部:佐賀県佐賀市本庄町1番地、学長:兒玉 浩明)とJVCケンウッド
(所在地:神奈川県横浜市神奈川区、代表取締役 社長執行役員 CEO:江口 祥一郎)は4月21日、次世代の高周波パワー半導体として注目されるダイヤモンド半導体の社会実装に向けた共同研究を開始することを明らかにした。
*上記写真は、佐賀大来学時の様子 (左から、JVCケンウッド 未来創造研究所所長 神宮司秀樹、JVCケンウッド 取締役 常務執行役員 最高技術責任者(CTO)園田 剛男、佐賀大学 教授 嘉数 誠、佐賀大学 学長 兒玉 浩明)
ダイヤモンド半導体は、マイクロ波帯、ミリ波帯無線の高性能通信機器、電気自動車や量子コンピュータなどへの活用が期待されている。
ダイヤモンド半導体の継続的な進展(佐賀大学リリースより
)
その仕様は、現在幅広く使われているシリコン半導体より、約5倍のバンドギャップエネルギーを持つ。このためダイヤモンド半導体が実用化できれば、約50,000倍の高出力電力・高効率のパワー半導体に仕立てることができるとされる。
加えてダイヤモンド半導体は、宇宙通信用の半導体、量子コンピュータの記憶素子の応用にも検討の余地がある。
そうした背景を受けて佐賀大学とJVCケンウッドは、ダイヤモンド半導体の社会実装化を推進し、将来のデジタル社会の実現に向けた社会課題の解決を目指していく。
ちなみに佐賀大学は、ダイヤモンドで半導体の独自のドーピング技術を保有していることから、世界の先端を行く875MW/cm2の出力電力などの成果を継続的に発表しているなど、究極の半導体といわれるダイヤモンド半導体に関して、世界最先端の研究を行っている。
対してJVC ケンウッドは、10年先の未来を見据えた新たな価値の創造に向け、2021年に未来創造研究所を新設した。
両者は、ダイヤモンドで半導体が強みとする無線通信機器(主にマイクロ波帯、ミリ波帯通信)への活用や将来のオールフォトニクスに使われるデバイス研究などを見据え、上記の未来創造研究所が中心となって共同研究を進めていくとしている。
研究責任者
佐賀大学理工学研究科電気電子工学部門 教授 嘉数 誠
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